今後も拡大する?パートの社会保険

平成28年10月から、厚生年金被保険者常時501人以上の企業等(国の公共団体含む)に週20時間以上働き、月額8万8000円以上の給与を受け取る、1年以上勤続(見込みも含む)のパートの方も厚生年金・健康保険に入ることになりました。
 
さらに平成29年4月からは、企業等の人数要件がなくなり、労使合意があれば(地方公共団体含む)、パートの方も厚生年金・健康保険に入るよう法律が改正になりました。
 
厚生労働省では平成31年3月までに4回「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」が行われており、短時間労働者(パート)へ社会保険の適用拡大について話し合っています。
 
「中小事業者の多い中、事業主の負担を軽減させる策」を求める意見や「社会保険に入ることで従業員が就業調整を行い、事業主が雇用調整を行うことについての対策」を求める意見もある中、2020年9月までに通常国会に年金制度を見直す法案を提出する方向で検討しているようです。
 
法案が通れば早ければ2021年度に月給6万8000円から厚生年金・健康保険に入るように改正された法律が施行される可能性があります。
パート社会保険 

パートの社会保険が拡大されれば主婦の収入の壁も変化します。

 

年収82万円以上で厚生年金・健康保険料が引かれるようになる?

月給6万8000円(年収82万円)以上で厚生年金保険料が月額約6300円、健康保険料が月額約3900円差し引かれると、引かれた分手取りは減ってしまいます。
 
会社員の妻(被扶養配偶者)の場合、社会保険料分も差し引いて手取りを挽回するには、月給8万円(年収96万円)以上になるまで働かなければ、手取りを挽回できません。
 
年収82万

年収82万円以上で社会保険料が引かれるようになる?

 

60歳以上で年金をもらいながら働いている人に影響も・・・

パートの社会保険拡大と言えば、主婦をまず思い浮かべますが、60歳以上で年金をもらいながら働いている短時間労働者もいます。今までは週20時間の労働時間で月給6万8000円なら厚生年金に加入しなかったので、年金は満額受けることができました。
 
もし、法律改正が通ったら、週20時間以上働き月給が6万8000円だと、在職老齢年金の仕組み上、年金を一部支給停止されてしまう人も出てくるでしょう。
 

パートの社会保険拡大で得するのは誰?

手取りが減ってしまう人もいますが、パートの社会保険対象者が拡大されるとメリットのある人もいます。パートが月給6万8000円で厚生年金・健康保険に入るようになってメリットがあるのは、どんな人なのでしょう?例を挙げてみます。
 
1.    現在年収82万円(月給6万8000円)以上で働いている国民年金を支払っている人。
 
自営業者やその妻、20歳から60歳までの失業者・退職者やその妻は、原則第1号被保険者として毎月1万6410円(平成31年度)の国民年金保険料と他に国民健康保険料を支払っています。
 
月給6万8000円のパートでも社会保険に入れれば、厚生年金は月約6300円、健康保険は月約3900円で済むのです。その上、配偶者や子供を扶養に入れることも可能です。
 

パートの社会保険拡大で損する人はいる?

パート(短時間労働者)の社会保険が拡大されると「損をする?」と思われる人はどんな人か2つ挙げてみます。
 
1.企業等の事業主
特に中小企業は負担が重いと感じるでしょう。厚生年金も健康保険料も事業主の負担が半分あるので、パートの社会保険が拡大されると、事業主負担も増えるのです。
 
2. 会社員の被扶養配偶者(国民年金第3号被保険者)
会社員に扶養されている配偶者は、勤務先で自分が厚生年金・健康保険料を支払うことになれば、手取りでは損をすると感じるでしょう。
 

社会保険料は医療保険の役割もある?

でも月給6万8000円で1年間厚生年金に加入すれば、保険料を月額約6300円支払いますが、一生老齢厚生年金が年額約4400円増えます。その上、万一のときの障害年金も国民年金より緩い基準で請求できます。健康保険料を月額3900円支払いますが、病気、ケガなどで働けなくなったときは、傷病手当金が支給されます。
 
厚生年金・健康保険など社会保険料を支払うことで、個人年金と医療保険の役割を兼ねることができるのです。このようなメリットもおさえておいたほうがいいでしょう。
 
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