さて話が少しそれたので元に戻すと、結局人工的に不自然に甘く味付けされたものを頻繁に食べていると、穀物の甘みや、フルーツの甘みなどの自然な甘みでは満足できないようなグルメな（鈍感な）舌の持ち主になってしまう（場合がある）のである。そこで、3点ダイエットにおいては鈍感になった舌を、本来の自然な状態に戻すために、人工的に味付けされた甘いモノ全般を一端排除するという手法をとっている。
最後になり恐縮であるが、甘みを感じるという能力は、これまで幾度となく飢餓を経験してきた私たち人類の祖先が豊富なエネルギーを効率的に探すために発達させてきた貴重な能力である。おそらく様々な味覚のうち、生きていく上で最も重要な役割を担ってきたために最も心地よい感覚がおまけとしてついているのであろう。
ただ、私たちを取り巻く食品産業は利潤追求のためにその甘味がもたらす心地よさに重点を置いて商品を開発し、そして私たちも心地よさを求めることを最重要事項として食生活を行う傾向にある。
そのため本来健康を維持し、活き活きと活動するためのエネルギー源であるはずの「食べ物」が、逆に肥満を含む生活習慣病などの病気の原因になっている本末転倒な状況もある。
車もアクセルとブレーキがついていなければ上手く運転することができない。欲望にかまけ、アクセルばかりを踏みがちな私たちの食生活でたまにはブレーキを踏んで舌の感覚を取り戻す。
そして穀物の甘みやフルーツの甘み、野菜の甘みなどの自然の甘みにも心地よさを感じる適度なスピードに調整することで、不自然に膨張した体を自然な体型へと調節する。
それが3点ダイエットにおける甘味排除の最も重要な理由である。
