さらに、生理的な空腹以外で(特に太った人が)何かを食べる傾向についての違う例を挙げれば、肥満者は時間でものを食べる傾向が強いというものがある。
例えばお昼前に急な差し入れで何かを食べて空腹感がある程度満たされたとしても、肥満者は12時になればきっちりいつも通りの昼食を食べる傾向がある。そのような時はまさにお腹が空いたからではなく「12時だから」という時間に反応して食事をしているのである。
さらに、「新発売」や「珍しい」または「お得」「もったいない」という理由で食べる傾向も強いし、最後になったが「甘い」「辛い」という(空腹以外の)刺激を求めて食べる傾向も強いのである。
難しい言葉で言えばこれらの生理的(内発的)な食欲以外の刺激で何かを食べる傾向が強いことを「外発反応性が高い」という。
結論から言えば、この外発反応的な食べ方は結果的によけいな物を体に入れてしまうことが多いため、少なくする方がダイエットにはよい。
そこで、3点ダイエットはこの外発反応的な食べ方をされることが多い「甘味」を排除しているのである。(わかりやすく言えば別腹の禁止である)
とここまで話をすれば、食品に詳しい方は、甘味(料)と言ってもエリスリトールや人工甘味料のアスパルテーム、アセサルフェームKなどのほとんどエネルギーにならない甘味料もある、それらを使った甘いお菓子やジュースは食べてもいいんじゃないかとお思いになるかもしれないが、3点ダイエットにおける答えは「NO」である。
それはたとえカロリーがなくても甘いモノに関しては、甘いモノを摂り続けることで、さらに余計に甘いモノが必要な体質になっていくことがあるからである。
結果、先に挙げた「余計に食べてしまうという」という行動につながるのである。
理屈はこうだ。
もしあなたが空腹だとする。そのときバナナを出され食べるとすると、あなたはその1本目のバナナを美味しく食べることだろう。
次に2本目のバナナを出されたらそれも美味しく食べることができるかもしれない。しかし3本目のバナナを出されたら1本目ほど美味しく食べることができるだろうか?もしかすると4本目のバナナは同じ味のバナナであっても苦痛すら感じるかもしれない。
このように、例え同じ味のバナナであっても、それを食べる量が増えることで同じ満足が得られなくなることがあるのである。このことは難しい言葉を使えば限界効用逓減(げんかいこうようていげん)と言うが、簡単に言えば舌が肥えるのである。
グルメな人に対し「舌が肥えている」ということはほめ言葉であるが、見方を変えるとそのような人は、なかなか満足しない鈍感な舌の持ち主であるとも言えるのだ。グルメに肥満者が多い理由の一つはこれらの傾向を持つためだと私は考えている。
次ページへつづく…