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Twitterの「投げ銭」機能、若者のSNS利用に与える影響・懸念点は

Twitterで投げ銭機能「Tip Jar」が発表されました。これによって若者のSNS利用にどのような影響や懸念が考えられるのでしょうか。Twitterならではのリスクのほか、投げ銭機能自体が持つリスクを解説します。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

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Twitterが「投げ銭」できる機能を発表して話題となっています。「Tip Jar(チップ入れ)」と呼ばれるこの機能は、現在英語版公式アプリなら利用可能です。送金に利用できるサービスは、「Bandcamp」「Cash App」「Patreon」「PayPal」「Venmo」など。受け手側が希望する送金方法を指定できる仕組みです。
Twitterの新機能「Tip Jar」とは(Sattalat Phukkum / Shutterstock.com)

Twitterの新機能「Tip Jar」とは(Sattalat Phukkum / Shutterstock.com)

投げ銭を受け取れるのはまだ一部のクリエイター、ジャーナリスト、非営利団体などのみですが、提供範囲と対応言語は今後拡大予定です。Twitterは他にもさまざまな課金サービスを発表しており、特定のユーザーをスーパーフォローすることで、限定コンテンツが閲覧できる「スーパーフォロー」機能なども登場しています。
 
投げ銭はYouTubeや17LIVE(イチナナ)、SHOWROOM、Instagram、TikTokなどのライブ配信でも利用されている人気の機能であり、中にはライブ配信で生活している「ライバー」と呼ばれる人もいます。
 
これまではTwitter上でインフルエンサーとなっても、別途スポンサーをつけたりしなければ収入を生み出すことはできませんでした。ところが新しい機能の登場により、Twitterでも生活できる可能性が出てきたことで注目が集まっているのです。
 

パクツイ、無断転載急増の懸念も

一方で、他ならぬTwitterで投げ銭ができるということで、トラブルにつながる危険性を感じた人は少なくありません。もともとTwitterでは、フォロワーを増やしたり、RTやいいねを多くもらいたいユーザーが、いわゆるパクツイを行うことが少なくないためです。
 
実際この機能の発表を受けて、一時「パクツイ」「無断転載」がTwitterのトレンド入りしてしまいました。投げ銭目当てでパクツイや無断転載が増えたり、パクツイ・無断転載でフォロワーを集めたアカウントが儲けたりするのではないかと懸念を感じたユーザーが多かったのです。
 
Twitter社いわく、Tip Jarを悪用しているユーザーを見つけた場合は通報できるといいます。しかし、これまで通報があまり機能していないこと、偽通報でアカウント停止させる嫌がらせなども起きていることを考えると、懸念が残ります。
 
また、PayPalで送金すると、送金者の住所が受取人に表示されてしまうことも問題視されています。あくまでPayPalの仕様ではあるものの、Twitterでは匿名で利用しているユーザーが多いため、住所がバレてしまうことで思わぬトラブルにつながる可能性があります。
 

犯罪行為配信、未成年の過剰支出も

日本でも起きている投げ銭問題

日本でも起きている投げ銭問題

そもそも、投げ銭機能自体でも問題が起きていることをご存知でしょうか。投げ銭によって起きるトラブルが、世界的に問題視されている実態があるのです。
 
投げ銭機能は、受け手に対する支援という意味合いが強くなります。それ故、送り手側が見返りを求めて受け手に命令したり、送り手側が受け手側から投げ銭を強要される事態も起きています。
 
また海外では、注目を集めようと犯罪などの違法行為や過激行為を配信したり、度数の高いアルコールを一気飲みしたりなどの問題行為も見られます。
 
日本でも、親のクレジットカード情報を使って中学生の子どもがライブ配信で一回1万円の投げ銭を何度も行い、100万円以上の請求がきたという事例も起きています。世界的に、このように未成年が過剰に課金してしまう例は少なくありません。
 
ライブ配信が人気な中国では、未成年が投げ銭で高額支出をしたり、学費を使い込んでしまう例が続いています。そこでメディアを管理する国家ラジオテレビ総局は未成年者や実名登録をしていない視聴者による投げ銭を禁止し、上限額の設定も求めています。
 
投げ銭開始によって、インフルエンサーなどが本腰を入れて使ってくることが考えられるため、コンテンツとしてはより一層楽しめるものになるかもしれません。一方で、このような様々な課題があることには注意して利用するべきでしょう。

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