使うのはNG? それともOK? 「させていただきます」問題
敬語の誤用としてよく話題になるのが「させていただきます」という表現です。「間違った表現であると知ったので使わないようにしている」という人もいれば、「使い続けている」という人もいると思います。結論から言うと「させていただきます」は、正しい敬語になる場合と、誤用になる場合がある言い回しです。よくある間違いとして、文化庁の動画で紹介されていた具体例をご紹介しておきましょう。
間違い例1)
×「それでは、これから研究発表をさせていただきます」
間違い例2)
×「新郎と同じクラスで勉強させていただいたものです」
「させていただきます」が使えるのは、「許可」と「恩恵」の2つの条件を満たしているときとされています。具体例をご紹介いたします。
正しい例1)
〇「同行させていただいてもよいでしょうか」
正しい例2)
〇「お言葉に甘えて、火曜日に変更させていただきます」
許可と恩恵の2つの条件を満たすかどうかの判断が難しいという人は、基本的に「させていただきます」は使わないようにするのがおすすめです。丁寧に話そうとするあまり、乱発してしまう人がいますが、聞いている方は違和感を抱いてしまうことも多い言い回しです。敬意を表したいときは、敬語だけでなく、表情や所作など非言語の部分で丁寧さをプラスすればよいでしょう。
新入社員でなくても間違いやすい敬語と正しい使い方
間違いやすい敬語と正しい伝え方は、時々チェックするのがおすすめ
×「了解しました」
〇かしこまりました
×「山田は本日お休みをいただいております」
〇「山田は本日休みをとっております」
×「ご覧になられる」
〇「ご覧になる」
×「どちらにいたしますか」
〇「どちらになさいますか」
「敬語は面倒」「わかりにくいので苦手」という人もいますが、初めてあった人やビジネスシーンでは敬語を使う日本人にとって、敬語は避けられないものです。ときどきチェックしながら、必要な場面では正しい敬語を使えるようにしておくとよいでしょう。
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