開始直後から多くの人がahamoの契約に殺到したようで、NTTドコモ側はSIMの配送に遅れが生じるなど早速混乱も起きているようですが、それだけahamoに対する注目度の高さを見て取ることができるのではないでしょうか。
NTTドコモの新料金プランahamoは2021年3月26日にサービスを開始した
またahamoのコンセプトをよく理解していない人がahamoを契約しようとして、うまく利用できなかったりするなどのトラブルも、一部には起きているようです。そうしたことからahamoは必ずしも、万人に向けたプランでないことはよく知っておく必要があるでしょう。
そこで改めて、ahamoを契約する上での主な注意点を確認すると共に、ahamoがどのような人に向いていて、どのような人には向いていないプランなのかを確認したいと思います。
ahamoの注意点1:契約やサポートにドコモショップは一切使えない
ahamoの最大の特徴は、ドコモショップで契約やサポートができないオンライン専用プランだということです。全国津々浦々のドコモショップを運営するには多額のコストがかかることから、ahamoはそれを丸ごとカットすることで、月額2970円で20GBの高速データ通信量が利用できるという低価格を実現しているのです。店舗だけでなく電話でのサポートもないので、契約時に分からないことがあったり、使っていてトラブルが起きたりした時は、専用のチャットでそれを伝えてサポートしてもらう必要があります。それゆえahamoを利用するにはスマートフォンとインターネットサービスを使いこなせることが大前提で、ドコモショップでのサポートを当てにしている人は絶対に契約してはいけないプランなのです。
ahamoはドコモショップでの契約やサポートが一切できないので、ドコモショップをよく利用する人には向いていない
ahamoの注意点2:SIMやスマートフォンの設定は基本的に自分でやる
ahamoの契約と一緒にスマートフォンを購入する場合はあまり気にする必要はないかもしれませんが、手元のスマートフォンでahamoを使いたい場合は、通信できるようにするためのSIMやスマートフォンの設定などを自分でする必要があることにも注意しなければなりません。まずは手元の機種がahamoで利用できるかどうか、ahamoのWebサイトで対応機種をチェックする必要があります。さらにahamoのSIMを手元の端末に挿入し、機種によっては必要に応じてAPN(Access Point Name:アクセスポイント名)の設定が必要な場合があります。
iPhoneの場合はAPNの設定は必要ないとされていますが、以前利用していたサービスによっては「構成プロファイル」というものを削除する必要がある場合もあります。 そしてahamoの利用者は、これらの操作や設定を全て自分でする必要があり、「やり方が分からない」といってドコモショップに行っても操作や設定は教えてもらえないのです。先に触れた内容を自分で調べられる人でなければ、ahamoの利用はおすすめできません。
ahamoの注意点3:留守番電話やキャッチホンは使えない
ahamoは1回当たり5分間の無料通話が利用できるほか、月額1100円の「かけ放題オプション」を契約することで通話し放題になるなど、通話サービスは意外と充実しています。ですが大きな落とし穴となるのが、「留守番電話サービス」が用意されていないことです。留守番電話がないと、電話してきた相手が重要な用件を残しておこうと思っても残すことができず、迷惑をかけることになります。またahamoは、かかってきた電話を他の番号に転送する「転送でんわサービス」や、通話中に他の人からかかってきた電話に出ることができる「キャッチホン」にも対応していません。
こうしたサービスは、特に仕事で電話を使う人はよく使うことが多いので、仕事での音声通話の頻度が多い人もahamoは向いていないといえるでしょう。
ahamoの注意点4:キャリアメールが使えない
もう1つ、ahamoに変えると利用できなくなるのが「ドコモメール」、つまり「docomo.co.jp」ドメインのいわゆる「キャリアメール」です。キャリアメールはかつて携帯電話のコミュニケーションに欠かせない存在でしたが、最近ではLINEなど他のコミュニケーション手段が増えたことで利用が減少しており、ahamoでは標準で非対応となっています。 ですがこれまでドコモメールを使っていた人が、ahamoに変える場合は十分な注意が必要です。それはこのメールアドレスを使ってオンラインサービスに登録している場合です。ahamoに変える前にドコモメールから他のメールアドレスに変更しておかないと、そのサービスからのメールが届かなくなる、最悪の場合そのサービスが使えなくなるといったケースも発生し得ることから、乗り換え時には注意して下さい。ahamoの注意点5:「spモード コンテンツ決済サービス」の一部が使えない
ahamoはNTTドコモのインターネット接続サービス「spモード」が利用できないことから、それに付随するサービスがいくつか利用できなくなります。その代表例が「spモード コンテンツ決済サービス」です。これはNTTドコモのポータルサイト「dメニュー」に掲載されているコンテンツの決済ができるサービスで、携帯電話の料金と一緒にコンテンツの料金が請求される、いわゆる「キャリア課金」の一種です。そうしたことからspモード コンテンツ決済サービスを使っているコンテンツの契約者は、ahamoへの乗り換え前に決済方法をクレジットカードなど、他の手段に変更しておく必要があります。変更しておかないと、ahamoへの乗り換え後にコンテンツが自動解約されてしまうのです。特にこのサービスを利用していることが多い、アーティストやアイドルなどのファンサイト利用者は注意が必要でしょう。
ちなみにspモード コンテンツ決済サービスは、他にもGoogle PlayやiTunesにも対応しているのですが、これらに関してahamoでは「コンテンツ決済サービス」という別のサービスが用意されるので、そちらを利用すれば電話代と一緒に請求してゲームアプリなどの課金をすることは可能です。
ahamoはスマートフォンに詳しく、自分で問題解決できる人向けのプラン
こうしたことを考えると、ahamoはスマートフォンの使い方を熟知しており、自分で利用するサービスの取捨選択や判断ができる人でなければ使いこなせないサービスであることが分かるでしょう。元々ahamoはスマートフォンにとても詳しい20代の若い世代に向けたサービスであることから、安いからといって決して万人に勧められるサービスではないのです。とりわけスマートフォンの操作やインターネットサービスに関する知識があまりなく、分からないことがあったら「ショップに行く」「人に聞く」など、自分で調べて解決できない人は決してahamoを使うべきではないでしょう。
ショップでのサポートや安心感があって料金が安いサービスであれば、NTTドコモではありませんが「ワイモバイル」「UQ mobile」などの選択肢がありますし、最近では他社への乗り換えに手数料もかからなくなってきているので、そうしたサービスへの乗り換えも検討するべきです。話題になっているからといって安易に飛びつかず、自分の普段の携帯電話の使い方から、どのサービスが適しているかを冷静に考えることをおすすめします。
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