全国のビジネスパーソンを対象にした調査によると、職場の雰囲気に満足している理由の第1位は「困ったときの助け合い」だそうです(2018年、日本能率協会総合研究所調べ※)。職場で助け合いが大事なのは体感していると思いますが、感謝の伝え方について考えたことはありますか?

伝えたつもりでも「ありがとうございます」だけでは、感謝の気持ちが届かないこともあります。心に届くようにするにはどうすればいいのか。感謝表現の使い分けについて考えてみましょう。

(※)第9回「ビジネスパーソン1000人調査」【理想のチーム編】、調査期間:2018年9月28日~2018年10月9日(日本能率協会総合研究所調べ)
 

「ありがとうございます」だけでは感謝が伝わりにくい3つの理由

「ありがとうございます」以外の感謝表現を覚えておこう

「ありがとうございます」以外の感謝表現を覚えておこう

何かをしてもらったとき「ありがとうございます」という表現を使う人は多いと思います。しかし「ありがとうございます」というフレーズは「その場で」「1度だけ」という条件が揃うと、相手の心には届きにくいことがあります。どうしてなのか、その理由を見ておきましょう。
 

理由1. マニュアル的な「ありがとうございます」が溢れている

コンビニエンスストアやスーパーで「ありがとうございます」と言われても感動する人はそういないと思います。社会には「ありがとうございます」という言葉が溢れていますが、残念なが
ら感情の伴っていない「ありがとうございます」も多いというのが現実
です。
 

理由2. 反射的な「ありがとう」は届きにくい

何かをしてもらったときに「ありがとうございます」というのは大切です。しかし、その場で反射的に出た「ありがとうございます」を1度だけでは、感謝は相手の心に届きにくいことがあります。「ありがとございます」だけで伝えるのであれば「複数回」「時間をおいて」といった工夫が必要になります。
 

理由3. 表情や声のトーンで感謝を表現するのが下手な人もいる

「ありがとうございます」だけでも、表情や声のトーンによっては、感謝の気持ちが相手の心に伝わります。しかし、照れてしまうのか感情を表現することが下手な人たちもいます。感謝の気持ちを伝えるときは、少し大げさなくらいが丁度いいので、抑えた表情や声では、なかなか伝わりにくいのです。
 
「ありがとうございます」という一言だけで、感謝を伝えるのが難しい理由が分かっていただけたかと思います。解決策としておすすめなのは、「ありがとうございます」に他の感謝表現をプラスすること。「ありがとうございます」だけではない表現のバリエーションを持つことで、気持ちが伝わりやすくなります。職場で使いやすい、おすすめフレーズと使い分けを確認しておきましょう。
 

【解決パターン1】本当に助かった!「不安に思っていた気持ち+助かりました」

相手がしてくれたお陰で、本当に助かった! そんな気持ちを確実に伝えたいときにおすすめのフレーズです。なぜ感謝しているのか、理由の部分に言及することによって、儀礼的ではなく本当に感謝していることが伝わりやすくなります。

・例1
「間に合うか心配だったのですが、手伝っていただけて助かりました」
 
・例2
「慣れない作業で不安だったのですが、丁寧に教えていただけて助かりました」
 
「ありがとうございました」だけでは届きにくい感謝の気持ちも、これなら伝わりやすくなります。短いよりも、長い方が丁寧に聞こえるという効果も期待できます。
 

【解決パターン2】アドバイスをもらった後に「おかげさまで」

相談に乗ってもらったときのお礼の基本です。仕事をしていれば、相談したり、アドバイスをもらったりということも少なくないはずです。「相手も仕事なのだからあたりまえ」と思うかもしれませんが、相談した場合、後で報告とお礼は必須です。よい結果を報告する場合の例から見てみましょう。

・よい結果になったときの例
「おかげさまで、無事にプレゼンが終わりました」
 
ネガティブな結果を報告する場合には、「○○さんのおかげで」を使い、失敗から学んだことを加えます。
 
・残念な結果になったときの例
「残念ながら今回は契約いただけませんでした。でも、○○さんのおかげで、手応えのあるプレゼンができましたし、自分の足りない部分も分かりました。ありがとうございました」
 
アドバイスをもらったときに「ありがとうございます。参考になりました」と言う人がいますが、これは目上の人に対して失礼な言い回しです。「ありがとうございます。勉強になりました」と言うようにしましょう。事後報告とお礼も忘れずに。
 

【解決パターン3】いつでも使える「その節は」

その場での「ありがとうございます」だけでは、感謝の気持ちが相手に伝わらないきらないことがあります。「あのとき○○してあげた」という気持ちは続きますので、伝わった場合でも、お礼は複数回言うよう心がけるのがよいでしょう。

翌日であれば「昨日はありがとうございました」を使い、翌日以降であれば「その節は」を使うのがおすすめです。時間が経っても使えるフレーズなので覚えておくと便利です。
 
・例
「その節はありがとうございました。おかげさまで、お客様からも喜ばれています」
 
「その節はありがとうございました。新人の頃を思い出すと、○○さんに××してもらったことを思い出します」
 

【解決パターン4】目上の人にたくさん助けてもらったとき「恐縮です」

「あの人の手を、こんなに煩わせてしまって……」そんなケースにおすすめなのは、「恐縮です+ありがとうございました」です。先輩や上司など、目上の人に使うフレーズです。

・例
「○○部長にやっていただけたなんて……恐縮です。本当にありがとうございました」

「お手数をおかけして、すみませんでした」という言い方をする人もいますが、「すみません」だと謝罪のニュアンスがあります。「ありがとうごさいます」と「申し訳ありませんでした」の両方に使える便利な言葉ではありますが、使い分けをするべきだと考える人たちもいます。お礼を言うシーンで「すみません」を使いたくなったときには「恐縮です」に置き換えてみましょう。
 

【解決パターン5】あなたの親切が嬉しかったを伝える「○○さんで良かったです」

「手伝ってくれれば誰でもよかった」というケースもあるかも知れませんが、あの人が手伝ってくれて嬉しかったという経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。そんなときにおすすめなのが「○○さんで良かったです」というフレーズです。使い方の具体例を見てみましょう。

・例1
「フォローしていただいてありがとうございました。担当が○○さんでよかったです」
 
・例2
「本当にお世話になりました。指導してくださったのが○○さんでよかったです」
 
送別の挨拶にもピッタリな言い回しです。プロジェクトが終わったとき、仕事の打ち上げのシーンなどにもよいでしょう。「他ならぬあなた」という気持ちを伝えることができますので、恥ずかしがらずに使ってみてください。
 

【解決パターン6】「自己奉仕バイアス」について知っておこう

成功の要因は自分の能力や努力が原因だと考えるのに、失敗した場合には「時代のせいだ」など、変えられない状況のせいにする。このように考えてしまう傾向のことを「自己奉仕バイアス」といいます。仕事やプライベートであなたを助けてくれた人は、成功は自分のおかげだと考えがちだということを知っておきましょう。
 
あなたが助けてもらった度合いを5と評価している場合、相手は8くらいに評価しているということもあります。お礼のフレーズを使うときには、表情や声のトーンなども少し大げさなくらいに伝えてみてください。

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