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お正月飾りの「一夜飾り」がダメな理由、忙しい現代はいつ飾る?

門松や鏡餅、しめ飾りなどのお正月飾りを大晦日に飾ることを「一夜飾り」といい、昔から良くないと言われています。一夜飾りがダメといわれる理由、忙しい現代人はお正月飾りをいつ飾ったらよいのでしょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

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お正月飾りの「一夜飾り」がダメな理由とは

お正月飾りの「一夜飾り」がダメな理由

お正月飾りの「一夜飾り」がダメな理由

早めにお正月の準備をしておこうと思っていても、なかなか上手くいかないもの。気が付いたら大晦日になっていて、急いでお正月飾りを飾ったということはありませんか? 大晦日に飾ることを「一夜飾り」といい、昔から良くないと言われています。人それぞれの考えがあり、昔からの習わしに捉われずに決めるのがイマドキなのかもしれませんが、その理由を調べてみました。
 
<目次>
 

鏡餅、しめ飾り…… お正月飾りとは? 種類・意味

特別な行事であるお正月。今やお正月の光景も様変わりしましたが昔ながらの伝統を大切にずっと守っていきたいものです

特別な行事であるお正月。今やお正月の光景も様変わりしましたが昔ながらの伝統を大切にずっと守っていきたいものです

一夜飾りを説明する前に、まずお正月飾りにどのようなものがあるのか、おさらいをしておきましょう。飾り物というと、羽子板や破魔矢、縁起物、盛り花、神棚用の榊、仏壇の仏花などたくさんありますが、ここでは代表的な3つを説明いたします。
  • 門松
お正月を迎えるにあたって、門や玄関にかざる松のこと。正月にはこの松を「依白(よりしろ)」として、「年神」が降りてくると言われています。簡単に言うと家にやってくる目印であり、入り口になります。
  • 鏡餅
年神様へのお供えとした餅のこと。その形は「三種の神器」=鏡・玉・剣を表しているといわれています。餅が鏡、みかん(だいだい)が玉、干し柿が剣を表しています。餅を二重に重ねているのは「重ね重ね」という願う気持ちを表しているとか、陰(月)と陽(太陽)を表しているともいわれています。
  • しめ縄、しめ飾り
神社と同じように荒縄で作られたしめ縄は清らかな場所の象徴であり、災いをもたらすものを防ぐためのお守りです。一般家庭では玄関に飾ることは少なくなりましたが、現在はしめ縄に縁起物などの飾りをつけた「しめ飾り」がよく見られるようになりました。
 

一夜限りとは? 縁起がよくないと言われる理由

これらのお正月飾りを大晦日に飾ることを「一夜飾り」といいます。昔から一夜飾りは縁起がよくないといわれていますが、その説はいろいろあるようです。以下の3つにまとめてみました。
  • 歳神様をお迎えするのに大晦日に飾りつけを行うような急ごしらえでは、神様に失礼、誠意に欠けるため
  • 新しい歳神様(1年間滞在します)が31日の早朝にその家に来られ、今までの歳神様は元旦の零時ちょうどに帰られます。31日の昼間や夜に飾ったのでは引継ぎが間に合わないため、きちんとおもてなしができないから
  • 葬式のときと同じように一夜飾りに通ずるため。お通夜の準備をした翌日に葬式を執り行い、その日に飾り物を全てを取り外すことは、弔事を連想させて縁起が悪いといわれます。
 

お正月飾りはいつ飾ればよい?

お正月飾りの門松や鏡餅は、12月13日から28日の間に。おすすめは28日、または旧暦でも気にしなければ30日です

お正月飾りの門松や鏡餅は、12月13日から28日の間に。おすすめは28日、または旧暦でも気にしなければ30日です

31日に飾ると縁起が悪いといわれる理由はわかりましたね。ではいつがベストな日なのでしょうか。昔は12月13日を「正月事始め」といって、歳神様を迎えるための準備に入りました。今では年末に大掃除をするぐらいですが、当時は13日に家中のすす払いをしてきれいになったところでお正月の準備を始めたそうです。お正月の準備に半月もかけていたんですね。忙しい現代ではそんな悠長な時間は持てませんが……。

この13日以降から31日までがお正月飾りを飾っても良いとされています。特に18日と28日は末広がりの「八」が入っているので縁起が良いですが、お正月前の28日の方が早すぎず遅すぎずベストな日だと思います。実際この日に飾られる方が多いようですね。気をつけることは、この28日以降に飾ってはいけない日が続くのです。

29日:「二重の苦」や「苦が立つ」という語呂合わせとなり縁起が悪いといわれる
30日:旧暦では大晦日とされるために、一夜飾りと同じ意味になる(中には旧暦だと全然気にしない方もいますが)

■29日は福の日?
日本食糧新聞によると、12月29日は株式会社紀文食品が制定した福の日だそうです。福を招くために正月の準備をすることをすすめており、日付は正月直前であることと、「29(ふく)」すなわち「ふく=福」の語呂合わせに由来するようですね。

31日の一夜飾りは避けた方がよいといわれており、ベストな日は28日。29日は最近の傾向として「ふく=福」の語呂合わせを考えると良いのかもしれません。30日は旧暦の考えを気にしなければ問題ないでしょう。人それぞれの考えがあると思いますので、昔からの習わしにとらわれずに決めるのがイマドキなのかもしれません。
 

お正月飾りが間に合わないときの対処法

早めに準備しておこうと思っていてもなかなかうまくいかないもの。お正月の準備に追われて気がついたら大みそかになっていた!ということはよくあります。間に合わなくても心配ありません。そこで困ったときの対処法を考えてみました。

もし31日になってしまったら、元旦の日に"早起き"して飾りつけをしましょう。縁起の悪い一夜飾りより、きっと神様も許してくれるでしょう。縁起なんか気にしない方は、一夜飾りも気にしないでしょう。31日に飾るのは、年神様に失礼になると聞くと少し気が引けますが、だからと言って特に悪いことが起きるとは限りません。その場合は、飾りものの近くに盛り塩を置いて清めます。盛り塩は縁起担ぎ、厄除け、魔除けの意味があるので安心ですよね。


いかがでしたでしょうか?「一夜飾り」がダメな理由はいろいろ説があるようですね。知らないよりは昔から行われた由来を知っていおくのも大事なことです。一夜飾りにならないように今からでも間に合います。新しい年が平穏でありますように!よいお年をお迎えください。

【参考情報】
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