めまい、落ち込み、筋力低下……アラフィフ女性に起こる体の変化
閉経とともに心身の不調を現れやすくなる50代。この時期に筋トレをすべき理由とは?
個人差はあるものの女性の平均的な閉経年齢は50~51歳前後といわれ※1、閉経を境に女性の身体は大きく変化することがわかっています。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌がほとんどなくなり、それによって自律神経のバランスを崩したり、ほてり、めまい、動悸、頭痛、気分の落ち込み、情緒不安定など更年期特有のさまざまな症状に悩まされたりすることもあります。また加齢による筋肉量の低下もジワジワと進行する年代でもあります。
段差につまずきやすい人は要注意! 筋力低下から起こる悪循環
特に、ちょっとした段差につまずいたりすることがある方は要注意。これは太ももの筋力が自分が思っている以上に落ちてしまっている証拠です。自分ではしっかり足を上げているつもりなのに、段差に引っかかってしまうということが起こります。階段を使うと膝や腰に痛みを感じるからと必ずエレベーターやエスカレーターに乗ったり、電車でどうしても座席に座りたくなったりと、筋力不足から来る体の辛さをカバーするために運動量が低下し、さらに筋肉量が落ち、いっそう動きたくなくなる……という悪循環に突入しやすくなります。50代で派手に転倒することは少ないと思いますが、体のバランスを崩しやすくなっているのも筋肉量が落ちていることがその一因として挙げられます。
50代からの筋トレのメリット……後半生の体型・人生の充実度にも影響
筋肉量の減少は20代から始まっていると言われています。運動習慣のない人は20~30代で年1%程度筋肉量が減少し、これに伴って基礎代謝量も減少します。これが40代を過ぎ、50代に突入するとさらにその割合が増え、運動しない状態で過ごしていると年に5~7%程度筋肉量が減少するとも言われています。筋肉量が落ちることで基礎代謝量も減少し、使い切れなかったカロリーが体脂肪として体に蓄積され、「太りやすくなった……」ということにもつながります。加齢による体の変化にあらがうのではなく、今の状態をどのように維持していくか、また筋トレを行い、筋肉を少しでも増やすことは「体を思いどおりに動かす自由」を手放さないことでもあります。
誕生日を迎えるごとに筋肉量が減っていくと考えると、今からでも体を動かす習慣をつけることが何よりも大切であると言えるでしょう。
50代からの筋トレの注意点……負荷は弱めに、回復時間は十分に
運動経験の少ない人がいきなりハードな筋トレを行うと、ひどい筋肉痛を経験するだけではなく、場合によっては筋トレによって膝や腰などが痛くなってしまうことも考えられます。年代を問わず、筋トレを始めるときは「もの足りないかな」と思う程度からスタートし、馴れてきたら少しずつ運動時間や回数、頻度などを増やしていくようにしましょう。また年代によっては、運動後に起こる疲労からの回復に時間がかかることも考えられます。特に50代以降でこれから運動を始めるという方は、運動後にかかる回復時間を考慮して十分に休養をとるように心がけましょう。
50代におすすめの筋トレは「下半身を鍛えるスクワット」
体の筋力低下をもっとも実感するのが下半身であることを考えると、やはり「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるスクワットはぜひ実践してもらいたいところです。膝がつま先より前に出ないように注意して、和式トイレにしゃがみ込む要領でゆっくりと行ってみましょう。太ももが床と並行になる程度までしゃがみ込むことが理想的ですが、足首が硬かったり、膝や股関節などに不安があったりする場合は軽くしゃがみ込む程度でも構いません。
また膝を曲げずにできるエクササイズの一例としては、つま先立ちでかかとを上げ下ろしするカーフレイズが挙げられます。こちらは特にかかとを下ろすときに、かかとに直接かかる荷重による負荷が、骨に適度な刺激を与えると言われています。家事のすき間時間でも取り組むことができるので、思い立ったら実践してみましょう。
運動には心身のリフレッシュ効果も! 今日から始めて、実感を
50代はちょっとした体の不調を感じやすい年代ですが、体を動かすことによって改善することも期待できます。あまりにも不調が続く場合は医療機関を受診し、その原因を探ることが大切ですが、運動には心身のリフレッシュ効果も期待できるものです。運動は何歳からでも始めることができ、続けていくにつれその運動効果を得ることができます。思い立ったらぜひ今からでも筋トレや運動を始めてみましょう。■参考
「更年期Q&A」(オムロン式美人)