ストレス

生理前のイライラでケンカに…パートナーへの怒りのコントロール法

【公認心理師が解説】生理前になると「パートナーにイライラをぶつけることが多い」というご相談は珍しくありません。「PMS(月経前症候群)」という体調不良が影響している可能性もありますが、平静な気持ちで毎日を過ごすためにも、感情を上手にコントロールできるようになっていきたいものです。生理前のイライラへの対処法を解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

生理前にイライラが止められない……ケンカが増えるのは仕方がない?

生理前にイライラ・ケンカが増える理由は?相手を怒る前にしたいこと

生理前にイライラして、パートナーとのケンカが増えてしまう……

イライラしてつい人や物にあたってしまったり、他人のことを悪く言ってしまったりする……。カウンセリングで女性の方からこうした相談を受けた場合、私はそのイライラが生じる時期をお尋ねしています。生理前に起こる場合、「PMS(月経前症候群)」によるものである可能性があるからです。
 
PMSは、生理前に女性ホルモンのバランスが変化することによって生じる不調。頭痛や胸の張り、むくみ、イライラやあせり、憂鬱感などの心身の変化が特徴です。月経が始まれば軽快していきますので、生理前には無理をしないことが大切です。
 
ですが、この生理前の時期に仕事や家事、人間関係の問題などのストレスが重なることで普段よりもイライラし、身近にいるパートナーにあたってしまうという方は少なくありません。今回は、パートナーとの良好な関係を維持するための生理前(PMS期)の怒りのコントロール方法についてお伝えしたいと思います。
 

生理前の不調に無理解すぎる! パートナーにイライラする原因

カウンセリングでよく伺うのは、生理前の不調に対するパートナーの心ない言動に対する苛立ちです。

■理解のない一言にイライラ
気分が優れずに休んでいるのに、「ずっと寝ていたら体に悪いよ」「運動して発散した方がいいんじゃない?」などと余計なアドバイスをされる。心身共に余裕がないのにこうした言葉をかけられることで、「女性の体のことを何もわかってない」と心底がっかりし、怒りをぶつける方は少なくありません。

■つらさを労わってくれない態度にイライラ
体がつらいのに家事のサポートをしてくれず、炊事、洗濯、掃除をほぼ一人でやらなければならない。またパートナーが「生理前には妊娠しにくい」ということだけは知っていて、性欲を一方的に押しつけてくる。こうした言動に対して思いやりを感じられず、怒りをぶつけているという声もあります。

女性の心と体を理解して大事に扱ってほしいのですが、体のしくみの異なる男性にとって、女性のことを女性と同じように理解することは難しいようです。とはいえ、イライラした気持ちをそのままぶつけたり、ケンカに発展して関係性を悪化させたりしないためにも、怒りのコントロール方法を覚えておきたいものです。
 

生理前の怒りのコントロール方法……カップル・夫婦の場合

たとえ、パートナーの言動がイライラのトリガーであるとしても、怒りの感情をそのままぶつけるだけでは、関係性が悪くなるばかりで自分にも相手にもメリットはありません。したがって、普段から怒りのコントロール方法を覚えておくことが肝心です。
 
1. イライラしたら自分を抱きしめ、深呼吸する
体調が悪いときには、ちょっとしたことにもイライラしがちになります。そうしたときには、自分の両手で自分自身を抱きしめ、目を閉じて2~3回深呼吸してみましょう。自分を優しくいたわると、気持ちが少し落ち着くと思います。
 
2. 感情を即座にぶつけず、いったんその場を離れる
相手の態度にカチンときたときに、即座に怒りをぶつけてしまうと「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と後悔することに……。この繰り返しを避けるためには、怒りをぶつける前にワンクッション置くことです。どうしようもなくイライラしたらトイレに入る、外の空気を吸いに行く。その場からいったん離れると、気分を上手に転換することができます。
 
3. 怒りが収まったところで、3つのメッセージを伝える
自分の思いを伝えるのは、怒りが鎮まり冷静になってからにしましょう。その際には「(1)自分の状態」「(2)しないでほしいこと」「(3)希望すること」の3つのメッセージを入れると、相手に伝わりやすくなります。
 
たとえば、「(1)生理前はとても疲れやすいの。(2)だから『ダラダラしないで』と言わないで。(3)できるだけ体を休めていたいの」「(1)PMSの時期には体がつらいの。(2)だから、家事が中途半端でも許してね。(3)それより手伝ってくれると助かるわ」。このように3つのメッセージをしっかり伝えると、パートナーは相手が何に困り、どうしてほしいのかを理解でき、希望を受け入れやすくなると思います。
 
4. パートナーの「してくれていること」に感謝する
「気づいてくれない」「サポートしてくれない」というように、相手の「してくれない」ことにばかり目を向けていると、イライラが募りやすくなります。数は少なくても、妻のために「してくれていること」も何かしらあるはずです。

「(“ようやく”ではあっても)気持ちを分かってくれている」「(出来栄えはいまいちでも)家事を手伝ってくれている」など、相手が自分のことを思ってしてくれたことに目を向け、「うれしい」「助かる」という感謝の言葉を伝えていきましょう。すると、パートナーには労わりの気持ちが生まれやすくなります。
 

イライラしたときには、怒りのコントロール方法を実践

ついイライラをぶつけてしまう人は、「相手に感情をぶつける」という行動がパターン化しているのかもしれません。その場合、ぜひ上記の4つの怒りのコントロール方法を思いだしてみてください。
 
イライラという感情の発生を防御するのは困難です。しかし、感情をそのままぶつけないように行動をコントロールすることはできます。生理前のイライラと上手に付き合うためにも、ぜひ上記4つの怒りのコントロール方法を実践してみてください。
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