年賀状で避けたい言葉や知っておきたいマナー
年賀状で避けたい言葉をご紹介します
形式にとらわれすぎてなかなか書けないというのももったいないですが、失礼とされる避けるべき言葉やマナーは知っておいて損はありません。ある程度のマナーも大切にしながら、年の初めの手紙を心をこめて書けるよう、年賀状でやりがちなNGを確認しておきましょう。
<目次>
年賀状のやりがちNG1:目上の人に失礼な賀詞
まず、年賀状は、一般的に次のような言葉によって構成されることを確認しておきましょう。- 賀詞=新しい年を祝う言葉
- 昨年お世話になったことに対する感謝の言葉
- 相手の健康や幸せを願う言葉や今年も変わらぬお付き合いやご指導を願う言葉
1の「賀詞」というのは祝意を表す言葉のことで、年賀状で言えば、新しい年を祝うお祝いの言葉です。「あけましておめでとうございます」や「賀正」「謹賀新年」など、よく使ったりよく目にする語はいくつかありますが、この中にも敬意の違いがあります。
「賀正」には敬意の文字が含まれないため、目上の人には「謹んで」などの語を入れた方がよりふさわしいとされる
「謹賀新年」は文字通り謹んで新年の喜びを申し述べるという意味です。漢語で表したものですが、それを和語調、文章の賀詞で表すと「謹んで新年のお喜び(お慶び)を申し上げます」となります。こちらのほうが漢語調のものよりもやわらかい印象があり、女性はこちらのほうが使いやすいという場合もあるでしょう。
■文章の賀詞の例
- 明けましておめでとうございます
- 新年おめでとうございます
- 謹んで新年(新春)のお慶び(お喜び)を申し上げます
- 謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
年賀状のやりがちNG2:新年のお祝いに避けるべき「忌み言葉」
言葉の敬意の度合い以外に、年賀状で避けたほうがよいとされるものが「忌み言葉」。忌み言葉とは、災いの降りかかるのを恐れて口にすることを避ける言葉。また、その言葉のかわりとして用いる言葉のことを言います。結婚披露宴やお祝いの席での忌み言葉の例はよく知られていますね。ケーキカットと言わずに「ケーキ入刀」というような例や会を閉会する際に、終わる、閉会するという言葉を使わずに「お開きにさせていただきます」と言うような例です。そんなに気にならないという人もあるかもしれませんが、やはりそうは言っても気になるという人もあるものです。年賀状も新年のお祝いですから、同じように、破れる、失う、倒れる、滅びる……など縁起のよくない言葉やマイナスな印象を与える言葉は避けるほうが無難でしょう。
新年を祝う年賀状ならではの、避けた方が良いとされる言葉があります
また忌み言葉ではありませんが、相手と非常に親しい場合などは、少しぐらいの本音や愚痴は相手も受けとめてくれるでしょうが、あまりくどくどとそればかりというのは、相手にもよい印象を与えないため避けた方がよいでしょう。
「家族みな具合が悪く気が重いばかりで何の楽しみもない正月です」などというのも、実際辛いことがあるとそんな気持ちにもなるものですが、言われた相手も困ってしまいますし何より相手も心配になったり辛い気持ちにもなるものです。「年賀状」は年賀状にふさわしく表現にも多少の配慮やマナーも必要でしょう。
年賀状のやりがちNG3:うっかり間違いやすい言葉
年賀状でよくある間違いは、賀詞を重ねて書いてしまうような例や意味の重複です。たとえば、「謹賀新年」のあとに「あけましておめでとうございます」と繰り返してしまう例。また、締めくくりの日付の部分で「一月一日 元旦」と書くのも誤りです。「元旦」は一月一日の朝の意味なので、意味の重複になってしまいます。正しくは「○○年 元旦」です。
あまり形式にとらわれすぎてもいけませんが、適度なマナーも大切にしながら年の初めの年賀状も気持ちよくやり取りできたら何よりですね。
やりがちNG4:喪中の場合は、出す側ももらう側も言葉を言い換えて
また、喪中の場合の挨拶状は、出す側ももらう側もともに「年賀状」ではなく、「年始のご挨拶」「新年のご挨拶」などと言い換えて用いられます。これは先ほど述べたように「年賀」という語が年の祝いという意味をもつためです。■喪中欠礼の場合
- 喪中につき年末年始のご挨拶を控えさせていただきます
- 喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
- 喪中につき年頭のご挨拶を失礼申し上げます
■喪中とは知らずに年賀状を出した場合
- ご服喪中とは存じませんで、お年始状(ご年始状)を差し上げてしまいまして、たいへん失礼いたしました
■寒中見舞いとして出す場合
- 寒中見舞い申上げます
- お年始状(ご年始状)を失礼いたしました
このような年賀状で失礼と言われたり間違いやすいという言葉は知っておいて損はないでしょう。形式にとらわれすぎる必要はありませんが、年の初めの手紙ですからある程度のマナーも大切に、心をこめて書きたいものですね。
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