<目次>
「なんか」の連発は印象が悪くなる? 理由と口癖の言い換え表現
「なんか」は、時折気になる言葉として挙げられる
■「なんか」とは
とあります。ですから、「なんか」とは、「なにか」の音変化、転じたもので文章言葉よりも話し言葉などのくだけた言い方として使われるものと考えられます。[副助]
《代名詞「なに」に副助詞「か」の付いた「なにか」の音変化から》
名詞、名詞に準じる語、活用語の連用形、一部の助詞などに付く。
- 一例を挙げて示す。……など。「この着物なんかお似合いです」「映画なんかよく行く」
- ある事物を例示し、それを軽んじていう意を表す。……など。「彼の言うことなんか聞くな」「君になんかわからない」(「デジタル大辞泉」より)
ではそのもとである「なにか」の意味も見てみましょう。
■「なんか」のもとの言葉である「なにか」とは
[連語]
一《代名詞「なに」+助詞「か」》
- 《「か」は副助詞》感覚・願望などの内容がはっきりしない事物をさす。
「何かがありそうだ」「お茶か何か飲みたい」- 《「か」は係助詞。感動詞的に用いる》
㋐相手の言葉・気持ちを確認しようとする意を表す。
「それなら何か、君のほうが正しいというのだな」
㋑今まで述べてきたことや相手の言葉などを否定して、それとは反対の趣旨を述べるときに用いる。いやいや。とんでもない。
「―。この歌よみ侍らじとなむ思ひ侍るを」〈枕・九九〉二《副詞「なに」+助詞「か」》
- 1 《「か」は副助詞》はっきりした訳もなく、ある感情が起こるさま。どことなく。なんだか。「何か気味が悪い」
- 2 《「か」は係助詞》
㋐疑問の意を表す。なぜ…か。どうして…か。
「あしひきの山も近きをほととぎす月立つまでに―来鳴かぬ」〈万・三九八三〉
㋑反語の意を表す。どうして…か、いやそんなことはない。「命だに心にかなふものならば―別れの悲しからまし」〈古今・離別〉[連語]「なにか」の音変化。「何か欲しいものはありませんか」(「デジタル大辞泉」より)
「なんか」の実際の使用例と使う心理、気持ちなどを考えてみましょう。
- 「っていうかなんかちょっと……」
「っていうか」にも通じるものですが、相手とは意見が違うような場合。明確にこうだという意見はない、見つからないけれど、相手とは意見が違ったり同意できなかったりする場合。はっきり違うとは言いにくいためあいまいにぼかしたい気持ち。 - 「なんか、急に急ぎだとか言って……」
理由はよくわからない、なんと説明していいかわからないような場合。すぐには適切な言葉が出てこなくて困るような気持ち。
よく使われる場面としては、1もありますが、2のようなケースがより多いのではないかと感じます。なんとなくこんな感じというイメージや感情はあるものの、それを表す適切な言葉が見つからなかったり、すぐには出てこなかったりというような場面で使われることが多い印象を受けます。先の辞書の解釈の中では、二ー1「はっきりした訳もなく、ある感情が起こるさま。どことなく。なんだか」に近い感じですね。
「なんか」がときに不快な言葉とされてしまう理由
「なんか」がときに不快だと言われてしまう理由とその心理とは?
■やんわりとした否定を感じる
先の「っていうかなんかちょっと……」は、おそらくやんわりとはしているものの先の意見を否定しているような、というよりむしろこうなんじゃないかという主張を述べているような感じがあるため、不快感をもたれることがあるのでしょう。
■何にでも使いやすいため、濫用されやすい
「なんか、急に急ぎだとか言って……」の「なんか」が当てはまるでしょう。誰でもすぐに適当なうまい言葉が出てこないということはあるものですが、「昨日なんか新作の映画の話をやっててなんか主人公みたいなのがなんかいろいろ巻き込まれるんだけどなんか……」のように何にでも使いすぎるために、濫用、連発という点で耳ざわりな言葉として響くのではないでしょうか。その点では「みたいな」や「何だろう」などにも似ている点があるかもしれません。では、不快感や誤解、濫用を避けるためにもし言い換えるとしたら、どのような言葉に言い換えられるでしょう。
「なんか」を他の言葉で言い換えるなら
以上の点に注意して、「なんか」をより好ましく言い方にするならば、- なんと言うか
- なんと言いましょうか
- ちょっとすぐには言葉が見つからないのですが
- うまい言葉が思い浮かばないのですが
- うまく言えないのですが
- 適当な/適切な言葉が浮かばないのですが
- すぐに言葉が浮かばす申し訳ないのですが
口癖というものは自分では気づきにくかったり、うっかり出てしまったりするものですが、ときにはほかの言葉に言い換えることで相手に不快感を与えることも防げますし、言葉の語彙も豊かになるという効果も期待できますね。
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