通信制の高校「N高等学校」が注目されています。以前は通信制というと、ネガティブな感覚がもたれていましたが、社会の理解が深まってきています。またこのような学校は、不登校の子どもととても相性が良いものです。不登校の子どもの新たな居場所、高まる活躍の可能性について考えてみました。
 

不登校に最もなりやすいのは中1、家庭環境や友人関係などが原因

文部科学省が出している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」という報告書に、不登校についての状況がまとめられています。
不登校の子ども

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より

まず、不登校になるタイミングは、小1から中3の間では「中1」のときが最も増えることが分かります。上図によると、小6から中1にあがる際、不登校の児童生徒数が約2.2倍に増えています。小学校では、学年が上がるにつれて約1.2~1.5倍程度と少しずつ増えてきているのですが、それが小6から中1にあがると明らかに増えていることが分かります。その後、中2でも増えています。

不登校の原因については、学校に係る状況では、いじめを除く友人関係をめぐる問題が多くなっています。また、家庭に係る状況では、家庭の生活環境の急激な変化、親子関係をめぐる問題、家庭内の不和等によって「無気力」の傾向になることが原因として多いようです。

ただ、この報告書は学校側の調査によって作られているという点で、見る際に注意が必要です。学校・教師側の目線で調査の回答がされている影響が大きいからです。本来は学校に何らかの原因があったとしても、結果的として「原因は家庭に起因している」ことになってしまっている可能性もあるということです。
 

不登校の子どもの居場所が増えている

不登校の子ども

不登校の子どもが学ぶ場が増えてきている

以前は、通信制の高校などに対して、少しネガティブな感覚がもたれていましたが、今は、積極的にそういった学校を選ぶ若者が増えてきていたり、社会の理解が深まってきています。

そういった学校の一つとして、N高等学校(以下、N高)が注目されています。N高とは、学校法人角川ドワンゴ学園が設置している通信制の高校です。2016年に開校し、2020年4月現在、約15,000人の生徒が在籍しています。N高は、通信を主とするコースと通学を主とするコースがあります。通学を主とするコースでは、全国19カ所にあるキャンパスに通い、通学の頻度は自分に合わせることができます。

フィギュアスケートの紀平梨花選手もその1人です。自分が真剣に取り組みたいもの(スケート)があるので、それに時間をかけるために高校は通信制を選んだというようなケースです。

N高以外にも通信制の高校が増えていますが、このような学校は、不登校の子どもととても相性が良いものです。
 

コロナ禍が不登校の子どもに与えるプラスの影響

不登校の子ども

ネットなどの発達は不登校の子どもにとってプラスな面がある

新型コロナウイルスの流行は社会に大きな影響を与えていますが、その1つに、既存の様々なシステムの問題点が見えてきたということがあります。これまでの教育では基本的に「学校に行く」ということが前提条件でしたが、そこでの人間関係やその他の問題から「学校に行くことができない」子どもが生じていました。

今は、ネット、ICTが学びの幅を広げています。一斉休校中には、オンラインでの授業を行うことを文科省も推奨していました。うまく機能した学校や市区町村もありましたが、中には、なかなかうまくいかなかったところもありました。ただ時代の流れは、確実にオンラインなどの活用を拡大する方向へと進んでいます。

また、大学教育にも変化の兆しが見えています。すでにオンラインを中心に据えていた放送大学など以外にも、ここ数年、東京通信大学、サイバー大学などが人気を集めてきています。それに加え、今回の新型コロナウイルスの流行によって、オンラインでの授業のノウハウがなかった大学がこの数カ月で急激に経験値を上げています。受験生の立場では、学費の安価な通信制の大学に魅力を感じる人が増えてくることも考えられるでしょう。

海外に目を向けるとさらに進んでおり、特にアメリカにおいては「MOOC(ムーク)」と呼ばれる仕組みが充実してきています。MOOCとは「Massive Open Online Course」の略で、多人数で取り組む通信制の学習コースのことです。海外大学では10年程前からあり、有名なMITやハーバード大学などでも積極的に行われてきています。

海外のMOOCでは、修了した学習が、資格取得や大学の単位として認められるものもあります。日本においても新型コロナウイルスの影響で、大学の通信制課程やMOOCが注目されており、今後さらに学習者にとって使いやすいものとなっていくことが予想されます。
 

不登校の子どもが活躍できる場が増えてきている

不登校の子ども

不登校の子どもが社会で活躍できる場が増えてきている

このような学ぶ場所の変化だけでなく、働く場を含めて社会における活躍の場も増えてきています。不登校の子どものみならず、多くの人が自分の能力を発揮しやすい社会になってきているということができるでしょう。

ネット環境やICT機器が発達したことで、パソコンなどを利用して、自宅などで取り組めるタイプの仕事が以前よりも増えてきています。新型コロナウイルス感染症対策としてテレワーク・在宅勤務が推奨されたことにより、そういったものの認知度が高まりました。これまで社会で活躍しにくかった人にも、可能性が広がることになります。今後はさらにそういった流れは進んでいくことでしょう。

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