4~5月の「学校行きたくない」に親ができることとは?

学年始まりのこの時期は、悩みの多い時期でもある…

学年始まりのこの時期は、悩みの多い時期でもある…

新しい学年が始まって少しすると出てくることがある「学校に行きたくない」の言葉。親はどうしていいか悩んでしまいます。

今回は、この時期に見られる”行き渋り”を心理学的に解説しつつ、親として何ができるかをお伝えしていきます。


子供が学校に行きたくない理由

子供が幼稚園や小学校に「行きたくない」と拒みだすとき、多くの場合、次の2つの理由が絡んでいます。

  1. 理由が外にある場合:友人関係、いじめ、学業困難
  2. 理由が内にある場合:内気な性格、引っ込み思案、新しい環境への不安感

一般的に、1のパターンは、学校が始まって、ある程度の時間が経過してから発生することが多く、新学年がスタートしたばかりのこの時期に見られる「行きたくない」は、2のパターンが多いようです。なので、今回は内面的な理由での「行きたくない」にフォーカスし、親がどう向き合っていくべきかを見ていきたいと思います。


15%はゆっくり適応していくタイプ

  • 内気で引っ込み思案
これが、もともとの気質だということは、一般的に知られていますが、
  • 新しいクラスに慣れるのに時間がかかる
実はこれもそう。性分的に”変化”を好まず、いつも通りが好きな子がいます。子供だからといって、だれもが新しいもの好きで好奇心旺盛というわけではないのですね。

スタンフォード大学のトーマス博士らの子供の気質研究でも、「ゆっくり適応するタイプ」の気質を持った子がいることが分かっています。この子たちは、新しい環境や状況に対し、普通よりも多くの時間をかけて適応していくタイプです。

この研究で分かったのは、全体の15%が「ゆっくり適応する気質」に分類されるということ。その割合を、今の日本の学校に置き換えれば、1クラスに35人いたら、5人前後の子が、この時期、まだまだ慣れずにモジモジしてしまっているということになります。


その子の生まれ持った性分を理解する大切さ

子供に「行きたくない!」と言われてしまうと、親はホトホト困ってしまいます。教室の前で背中を押して励ましたり、半ば無理やり連れて行ったり……。いずれにしても「行きたくない」という子供の意向をそのままくみ取り、「ならば行かなくていいよ」とは言えません。日ごろ、子供の意見を上手にくみ取ってきたママにとっては、それができないことに葛藤を感じることもあります。

「子供の意見は尊重してあげたい」でも、この場は「うん」とは言えない……。親はどうしたらいいのでしょうか?

心理学的に見て、1つ言えるのは、行きたくない我が子に「頑張って」と励ましても、ママの気持ちは届きにくいということです。気質的に引っ込み思案な子、ゆっくり適応する子には、その言葉はむしろ「突き放された」と伝わるかもしれません。

上にも書いたように、変化の多い4~5月に出てくる悩みは、もともとの性格による部分が多いので、
  • 「他の子が馴染んでいるのだから」
  • 「パパやママだって小さいころ出来ていたのだから」
という理由づけで、
  • 「だから大丈夫、○○ちゃんなら出来る」
というわけにはいかないことを十分に理解しておく必要があります。急かしてしまうと、本当に学校嫌いになってしまいかねません。今はただ時間がかかっているだけなのです。


ゆっくり適応タイプの子の親ができること

ゆっくり適応する子は、概して、身の回りの変化にとまどい、不安を感じやすい傾向があります。そして、その不安をパパやママに甘えることで解消していきます。なぜなら、子供にとって、親は安全基地。いつもよりエネルギーを使う「入園」「入学」は、いつも以上に甘えて、心を満タンにしないと持たないのですね。

お兄ちゃん、お姉ちゃんになったなと感じる幼稚園入園や小学校入学ですが、逆に普段よりもベタベタしてくることが多いのもこの時期の特徴です。そんなときは、抱っこしたり、ギュッとしたり、と分かりやすい愛情表現を心がけることをおすすめします。

子供の体の成長は常に前向きです。身長は伸びはしますが、縮みはしませんね。でも、心の成長はもっと複雑で、行きつ戻りつして進んでいきます。”3歩進んで、2歩下がる”感覚です。うちは「ゆっくりタイプだな」と感じたら、焦るのは逆効果。無理やり慣れさせるのではなく、その子のペースで慣れていくのを見守っていきましょう。

また、その傾向は今後も続きます。なぜなら、それが”その子らしさ”だからです。だから、年齢が上がっても、ママという”ガソリンスタンド”に戻ってきたら、それはエネルギー供給のサインです。いくつになっても、愛情満タンにして送り出してあげましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。