法律で決められた名づけのルールはわずか
戸籍法で決められた名づけのルールはわずかだが、なぜそういう法律があるのか、を考えることが非常に大切
- 名前に使える文字の範囲
- 名前を変更する手続き
- 出生後14日以内に出生届を出す義務
このように名づけに関しての法律自体は、あまり意識しなくても問題ありません。しかし、なぜそういう法律があるのか、ということを考えるのは非常に大事なことです。名前は社会の中で多くの人に使われるものですから、そういう広い視野でのルールとして、「名前は個人の持ち物ではない」ということを意識することが大切です。
「この名前は私の物だ、勝手に呼ぶな、書くな」とは言えませんし、勝手に変えたり捨てたりもできないのです。個人がある日「今日から私はこの名前だ」と思ったことをそのまま認めたら、どの人がどんな名前なのか、本人にしか分からなくなり、名前をもつ意味はなくなってしまいます。契約書や領収書の署名も、学校の名簿も、病院のカルテも、一切意味をなさなくなり、犯罪天国になって社会が崩壊します。
私たちの名前は、個人を特定し、社会を維持するためのものであり、国が管理する社会の共有物だということです。
法律には書いていない名づけのルールを意識する姿勢が大切
名づけの際に大切なのは、むしろ法律に書いていないルールの方です。例えば「名前の読み方を正しくしなさい」などと、わざわざ法律では決められていません。しかし、「だからどう読ませてもいいんだ」と言って間違った読み方の名前を付ければ、社会の中で混乱を起こし、名前として役目を果たせなくなります。漢字は決まった読み方があるからこそ文字として機能するので、個人が勝手に読み方を決めて他人に強要するものではありません。
では名づけでは何をルールと思えばいいのか、それは大きく言えば、
- 名づけの際、お子さんの名前に対する親自身の本音を大切にすること
- お子さんと社会の人を大切にすること
「親自身の本音を大切にすること」が守られないと、やみくもに名づけの情報集めをして混乱し、他人の口出しや世間の噂が気になり、雑多な話が頭の中でごっちゃになり、「付けたい名前の字画が合わない」などと行き詰まったりします。他人や世間に振り回され、自分で名づけをしたという実感がわかず、後々まで気持ちがスッキリしません。
「お子さんと社会の人を大切にすること」が守られないと、人に読めない、男女を間違える、というような難点が出ます。このような名づけにより、社会生活で本人も他人も不便を感じることになります。
名づけで大切な7つのこと
子どもの名づけに対してご自分の本音を大切にするには、世の中に大きく7つの名づけの方法があることを知っておくとよいでしょう。- 好きな漢字から作る
- 好きな呼び名から作る
- 誕生月など何かを記念して作る
- 漢字一文字の名前など文字数の希望から名前を作る
- 占いに従い、名字と字画の合う名前を作る
- 海、星など自然界に存在するものを手がかりに名前に表現する
- 性格、健康、人生目標など自然界に実在しない、人間の頭の中での概念を本人への希望として名前に表現する
以上の名づけは名前を作る手順が違い、作られる名前の範囲も違います。どの名づけをしたいのか、ご自分の本音をはっきりさせれば、混乱や後悔のない名づけになります。
名づけでやってはいけない!子ども本人を大切にし、社会の迷惑にならない名前とは
名前を子ども本人が喜んで使うことができ、他人の迷惑にならないようにするための注意事項は次のようなものです。- 奇抜すぎないか
- おかしな意味の漢字や熟語になっていないか
- あまりに古臭い名前ではないか
- あだ名のように聞こえる名前にならないか
- 名前にふさわしい漢字が使われているか
- 活字に変換しやすい字か
- 他人に容易に説明できる字か
- 似た字と混同しないか
- 他人がきちんと読める名か
- 名字と名前の区切りを間違えないか
- 男女を間違えないか
- 画数が多すぎて書くのに面倒ではないか
- 外国で使ったとき問題は出ないか
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