貯蓄

都市別の平均貯蓄額ランキング!【2020年5月発表・最新家計調査】

2020年5月発表の総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年」によると、二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1755万円。一部の富裕層や都市部が平均を引き上げているのでは?と思ってしまいますが、都市別に見ると、意外な結果も。生活実態とあわせて自分の貯蓄額と比較してみるといいでしょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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エリア別・都市別に見る平均貯蓄額2020!

2020年5月に発表された、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年」によると、二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1755万円(中央値967万円)で、勤労者世帯に限ると、平均貯蓄額は1376万円(中央値751万円)という結果でした。
 
こうした平均値は、一部の富裕層や東京、大阪などの都市部のデータによって引き上げられていて、地方では、生活実感とかけ離れている、と考えてしまいます。しかし、地域別、主要な都市別で見ていくと、必ずしもそうとは言い切れないことがわかります。集計世帯数が全国で約5800なので、各都市別にするとサンプル数が少なくなっているため、あくまでも参考値ということになりますが、意外な結果が見えてきます。
 
この記事では、全国平均では見えない、各地域の状況を紹介していきます。
 
 

エリア別の平均貯蓄額 TOPは関東で2012万円!

 
エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯)

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯)


 
まず、大きなくくりであるエリア別で見ると、平均貯蓄額のトップは関東の2012万円。次いで近畿の1844万円。3位に東海の1785万円という結果になりました。一方、負債額の平均が最も多かったのが関東の641万円。ついで近畿の590万円。3位が北陸の575万円となっています。
 
貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額」では、トップが関東の1371万円。次いで近畿の1254万円。3位が東海の1229万円となっています。
 
年収に対する貯蓄額を表す貯蓄倍率では、近畿がトップの3.03倍。次いで関東が2.97倍。3位が東海の2.83倍。
 
今回の調査では三大都市圏が平均貯蓄額、負債額については、1~3位となりました。ちなみに、エリア別では「北海道」と「沖縄」が単独でデータが出されています。県民所得が常にワースト1位の沖縄ですが、北海道と年収差が94万円あるにしても、貯蓄額で560万円の開きがあります。地域特性では片づけられない深刻な問題かもしれません。
 
 

勤労者世帯でも貯蓄額トップは関東の1642万円

二人以上世帯のうち、勤労者世帯だけではどうでしょうか。
 
エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)


 
 
勤労者世帯でも、関東がトップで1642万円。次いで東海の1480万円。3位が近畿の1304万円負債額が最も多いのは、関東で960万円。次いで近畿の945万円。3位に東海の827万円となりました。負債額については、やはり土地・住宅価格が高い3大都市圏では多くなってしまいます。
 
勤労者世帯でも、年収が高く貯蓄額が一見多そうに見えても、負債の状況次第では、純貯蓄額で順位が入れ替わっています。関東が682万円とトップ、2位が東海の653万円。3位に中国エリア、次いで四国エリアとなり、近畿は5位となっています。
 
いくら貯蓄があれば安心か、と一概にはいえませんが、都市部では、貯めても、貯めても不安、という状況になっているかもしれません。
 
 

主要都市別の平均貯蓄額トップは東京都区部の2463万円!

全国主要都市、東京都区部の計52の貯蓄額のランキングは以下のようになります。エリア別より、1都市のサンプル数がさらに少なくなりますので、参考程度にとどめていいと思いますが、必ずしも大都市が上位になっているわけではないことにも注目です。
 
都市別 貯蓄額ランキング(1~10位)

都市別 貯蓄額ランキング(1~10位)


 
 
トップの東京都区部の平均貯蓄額は2463万円で、これは全国平均の1755万円より700万円以上多い数字です。2014年以降、首位か2位だった奈良市は、今年は7位に。2位は長野市が昨年19位から急上昇。貯蓄額も2432万円と東京都区部との差はわずか。負債額はかなり少ないため、純貯蓄額ではトップという結果になっています。
 
さいたま市、横浜市と並んで、津市、大津市が上位に食い込み、10位の福井市は昨年の39位から急上昇です。一方、昨年5位の浜松市は今回35位に後退、昨年11位の神戸も今回は38位という結果です。
 
もちろん、昨年と同じ調査対象者ではありませんから、単純に比較はできませんが、大都市である大阪市は、昨年31位、今年は26位とふるいません。必ずしも大都市だから貯蓄が多いとはならないのです。逆に、下位の都市もそれほど変動がなく、51位の青森市、52位の那覇市を除き、年収が低いから貯蓄が少ないというわけでもなく、貯蓄への意識の違いとしか言いようがないかもしれません。
 
都市別 貯蓄額ランキング(11~30位)

都市別 貯蓄額ランキング(11~30位)

 
都市別 貯蓄額ランキング(31~52位) 

都市別 貯蓄額ランキング(31~52位) 


 
ランキングは貯蓄額で並べたものですが、都市によって暮らしぶりが大きく異なるので、貯蓄額が多ければいい、少なくて大変ということではありません。いくら貯蓄があれば安心なのか、ということでもないでしょう。しかし、平均貯蓄額といった全国平均の数字を細かく見ていくと、その都市の生活実態に沿ったものであったりします。
 
確かに、ワースト1位の那覇市の平均貯蓄額は772万円と全国平均を大きく下回っており、本当に日常の生活に不安はないのか、老後は大丈夫なのかと心配になります。それでも、東京や大阪など都会での生活とは異なるので、一概にこのデータだけでは語ることはできないでしょう。
 
今回ご紹介したデータから、自分が住む都市はどうなのか、そこで生活している自分の貯蓄額はどうなのか、この先の貯蓄プランや生活の仕方などを考えるきっかけになればと思います。

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