マスク着用で懸念される夏の熱中症リスク 

夏のマスク着用

夏のマスク着用で増加が懸念される熱中症。上手に予防するために、暑さに体を慣らすことが大切です

新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が減少してきましたが、第二波の可能性もあり、まだまだ油断できない状況が続いています。一方、連休明けから日差しが強くなり、急に気温が上がってきました。場所によってはすでに最高気温が30℃を超えるところもあり、熱中症も心配な季節です。

今年は感染予防のために夏もマスクが必要な可能性が高く、体内に熱がこもりやすくなります。またマスクにより口の渇きを感じづらくなるため、水分補給の必要性に気づきにくくなることも心配です。そして熱中症と新型コロナの初期症状には似たものもあるため、医療現場の混乱もあるかもしれません。

今回は、新型コロナウイルス対策とあわせて行いたい熱中症対策の大切さと、入浴時にできる効果的な予防法をご紹介します。
 

熱中症と新型コロナの症状の類似点……熱中症での病院受診は例年40万人

熱中症の主な症状は、体温上昇、頭痛、だるさ、筋肉痛などです。これらの症状は困ったことに新型コロナの初期に現れる症状ともよく似ています。
 
熱中症による医療機関の受診者は例年40万人ほどですが、今年はマスク着用などの影響でさらに増える可能性もあります。仮に例年程度の人数が医療機関を受診した場合、医療機関では、その症状だけでは熱中症なのかコロナなのかを判断することができないため、大混乱する可能性があります。発熱の状況などから新型コロナの可能性も考える必要が出てくると、防護服などのフル装備で検査や治療に当たらざるを得なくなります。これは、医療機関にも非常に大きな負担をかけることになります。
 
熱中症は各人の工夫で予防が可能ですので、今年は例年以上に気を付けていく必要がありそうです。マスク着用で人前ではどうしても控えがちになってしまいそうですが、まずは水分補給を例年以上にしっかり行うこと。そして、クーラーを適切に使い、換気を行うことなどが挙げられます。
 

熱中症予防のコツは体を暑さに順応させておくこと

熱中症は6月になると発生しはじめ、梅雨が明けたばかりで、暑くなりかけてきた7月中旬から下旬にかけて急増します。実は、熱中症が多く発生するのは、最も暑い8月ではなく、7月なのです。その理由として、7月は体がまだ暑さに慣れていないためだと考えられています。
 
人の体は暑さに慣れてくると、次第にしっかりと汗をかけるようになり、体温調整能力が向上していきます。暑い場所でも上手に体温を下げることができるようになるのです。しかし体が暑さに順応できていない状態のまま急に暑くなると、うまく汗をかけず、体温調整がうまくいかずに熱中症になりやすいのです。
 

暑熱順化とは……お風呂でできる熱中症予防のコツ

本格的に暑くなる前に、今日から自宅でできる熱中症対策法があります。それは入浴です。

人の体が暑さに慣れて体温調整が上手になることを「暑熱順化」(しょねつじゅんか)と言いますが、暑熱順化が起こり体が暑さに対応できるようになるまでは、約1週間~10日間かかります。つまり、暑くなってきて行っても、急には間に合わないということです。この暑熱順化をするために活用できるのが自宅にあるお風呂です。
 
具体的には、湯船に40℃の湯を張り、肩までしっかり全身浴で入ります。はじめは10分間程度で構いませんが、慣れてきたら合計15分ほど入ります。心臓や呼吸器に病気のある人は主治医へ確認してからにして下さい。

慣れないうちは連続して入らず、額に汗をかいたら途中でも一旦お湯から出るようにします。浴室の環境にもよりますが、40℃で肩まで浸かって合計10分も入浴していると額に汗をかきます。こうして、汗をかくくらいの入浴を毎日1回行い、1週間を過ぎると暑熱順化でき、熱中症の予防になります。
 
ただしかなり発汗しますので、入浴前にしっかりとコップ1~2杯、お風呂から出た後も同じくコップ1~2杯の水分補給をするようにしましょう。発汗してきたら、だらだらと汗を流して我慢する必要はなく、一旦湯船から出るのが安全に暑熱順化するコツです。また、普段から入浴している人は、暑くなってきたからといってシャワーにせず、毎日続けて湯船に入浴するとよいでしょう。
 
まだSTAY HOMEが続く中、自宅のお風呂は体を洗うだけでなく、在宅勤務時のon-offを切り替えるメリハリのスイッチとしても活用できます。仕事が終わったらお風呂に入り、気持ちをoffに。そして暑熱順化にも活用して、これから迎える熱中症シーズンにも備えていきましょう。
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