生活が一変……日本全国を覆う非日常的なストレス

コロナうつ・自粛疲れ

「自粛疲れ」「コロナうつ」など、多くの人が非常時のストレスによる不調を感じています


新型コロナウイルスによる緊急事態宣言でこれまでの生活が一変し、「こんなことが現実に起きるのか……」と感じられている方は少なくないでしょう。私は千葉県内の精神病院に勤務しているため現在も変わらず通勤していますが、通勤電車内には学生さんの姿もなく、普段同じ時間に乗車されていた社会人の方々の姿もかなり減っています。駅前も駅中も多くのお店のシャッターが降りていて、それぞれが「非日常」の毎日を送られているのだと感じます。今回は、非常時における精神的ケアのポイントについて解説します。
 

「コロナうつ」? ストレスによる心身の症状や深刻さはそれぞれ

自粛生活が原因で気持ちが抑うつ状態になる方も増えているようで、もちろん正式な病名ではありませんが「自粛うつ」「コロナうつ」といった言葉もよく見聞きします。

今回のような非常時を含め、それまでの日常が非日常になるような生活習慣の急変は、誰にとっても大きなストレス要因です。とはいえ、その程度は人によって様々です。日常生活の変化によるストレスレベルや心身の健康状態が損なわれるリスクの程度については、一概に言えるものではありません。

今、多くの方が同じような状況に置かれていますが、変化に戸惑う部分はあるものの大きな問題はなく過ごせる方もいれば、気持ちが落ち込んで誰とも口をききたくないほどの抑うつ状態になってしまう方もいると思います。これは多くの心の病気と同じく、原因となる出来事以上に、個人差によるところも大きいです。

また、ストレスによる問題の表れ方にも多様性があります。頭痛などの身体症状がひどくなる方もいれば、抑うつ心理やイライラなど精神症状が深刻化してしまう方もいます。ストレスが飲酒やDVなどその他の問題行動の引き金になってしまうケースもあるため、注意が必要です。
 

コロナうつ解消法……軽い抑うつ感は自分にあったリフレッシュ法で対処を

そこまで深刻ではないものの、何となく気持ちが沈んでしまう、いわゆる「コロナうつ」「自粛うつ」の状態の方は、まずはセルフケアでうまく対処していきましょう。コロナに限らずストレスフルな日が続くと、自律神経系の不調などから心身に悪影響が出てしまうことがあります。

医師としてできるアドバイスも、特殊なものではなく、ごくシンプルです。具体的なストレス対策の基本は
  • 睡眠時間を確保すること
  • 健康的な食事をとること
  • 体をしっかり動かすこと
の3つです。日々のストレスに対しても、非常時のストレスに対しても、この基本的な対処法が有効なことは確かです。

私自身は、ストレス解消も兼ねて、自宅のエアロバイクをなるべく毎日20分程度こぐことを日課にしています。これは自分にはなかなか合っている対策法だと思っているのですが、これを誰かに勧めると、「そんな単調な運動は、自分はとても毎日続けらない」といった反応が返ってくることも珍しくありません。ストレスによって受ける影響や程度と同じく、適したストレス解消法も人ぞれぞれです。どんな方法も、それぞれの状況で自分で効果を実感できればよいので、健康的で自分に合うリフレッシュ法をぜひ見つけて、日々のセルフケアに取り入れてみてください。
 

コロナうつからうつ病に? 精神科・心療内科受診を検討すべき目安

現在言われているいわゆる「コロナうつ」の症状を感じる場合、まず注意すべきなのは、本当の「うつ病」の始まりではないかという点です。

「一時的な抑うつ状態」と「深刻なうつ病」の違いは、簡単に言えば「しばらくすれば自然に元に戻るか、放っておくと悪化するのか」です。

症状が次第に悪くなってしまう場合、適切に対処しないと、原因となっている脳機能の状態がますます悪くなってしまう可能性があります。
  • 普段の自分ではないような状況が1週間以上続いている
  • それにより、日常に明らかな問題が出ている
といった場合は、本当のうつ病の可能性を警戒してほしいです。状態が改善せず、目の前のことにまったく集中できないなどの問題が出ている場合は、精神科や心療内科などの病院受診を真剣に考えることが大切です。
 

心の健康管理のために、不安や悩みの共有も有効

コロナによる日常生活の大きな変化は、誰にとっても非常にストレスフルな状況だと思います。不安などはできれば自分1人で抱え込まずに、家族や親しい仲間と話してみるのもよいと思います。「密」を避けるといったコロナ時代ならではの配慮も必要ですが、人とのつながりは厳しい時こそキープすべきで、自分でも仲間同士でも心の健康管理やそのためのコミュニケーション等も頑張りたいところです。
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