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新型コロナで収入減のフリーランス向け「持続化給付金」申請書類のポイント3つ

生活支援臨時給付金は、「世帯」向けの給付制度です。一方、「持続化給付金」は中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者などを対象とした制度となっています。同制度の給付対象者、給付金額、給付対象者の判定基準、申請に必要な資料についてとりまとめてみました。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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新型コロナウイルスの影響で「30万円受け取れる?受け取れない?」といった制度、生活支援臨時給付金は、「世帯」を単位として、受給の判断がなされます。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業に大きな影響を受けた場合には、別の給付金が用意されています。その制度の名称は「持続化給付金」といいます。

先ごろ、この持続化給付金の概要が発表されたので、同制度の給付対象者、給付金額、給付対象者の判定基準、申請に必要な資料や申請から給付に至るまでの期間について整理しておきたいと考えます。
 

給付対象者は誰?

「持続化給付金」について経済産業省が発表した資料によると(以下、この記事内では同資料ということにする)、中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を広く対象とし、また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象とする旨の記載があります。ただし、資本金10億円以上の大企業は対象とはなりません。

したがって、中小零細企業の経営者、小規模事業者、フリーランスの多くの方は「もしかしたら受けられるかも」という前提に立って準備をはじめておいたほうが良さそうです。
 

給付金額はいくら?

法人であれば200万円が限度、個人であれば100万円が限度とされています。ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限とし、売上が前年同月比で50%以上減少している者が対象となります。また、2020年1月から2020年12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少したひと月を事業者の方が任意に選択できる旨の記載があるので、受給準備をはじめられる方は、2020年1月以降の月別の売上をキッチリ把握していく、ということが重要になります。
 

給付金額の算定 ポイントは3つ

同資料に掲載されている算式は以下のとおりです。

前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上げ×12カ月)

たとえば、以下のようなケーススタディが想定できます。飲食店を経営している中小企業の2019年の月別の売上がおおよそ120万円、年間売上1440万円だったとします(わかりやすくするためにザックリしたケーススタディとしています)。その後、2020年の集計をはじめたところ、2020年の1月と2月の月別の売上がおおよそ120万円だったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受け3月の売上が80万円、4月の売上が50万円に落ち込んだとします。
 
この場合、

4月の売り上げ50万円≦120万円×50%

という算式になるので、4月の売上が対象月に該当します。これを上記算式にあてはめると

1440万円(前年の総売上)―50万円×12カ月(対象月×12カ月)=840万円

と算定されますが、法人であれば200万円が限度となるので、200万円が支給(同制度においては満額支給)となるのです。したがって、現段階でできることは
  • 昨年、あるいは前事業年度の売上額の把握
  • 昨年、あるいは前事業年度の月別の売上額の把握
  • 2020年1月以降の月別の売上額の把握
の3点です。
 

申請に必要な資料はなに?

経済産業省が現段階で提出をもとめている資料は法人と個人で下記のとおりとなります。

■中堅企業、中小企業を経営されている方
  1. 法人番号
  2. 2019年の確定申告書類の控え
  3. 減収月の事業収入額を示した帳簿等

■個人事業主やフリーランスの方
  1. 本人確認書類
  2. 2019年の確定申告書類の控え
  3. 減収月の事業収入額を示した帳簿等

とされています。申請に必要な事項の詳細等については、4月最終週を目途に確定・公表するとありますので、それを待ちたいと考えますが、法人番号については国税庁ホームページで確認ができますし、本人確認書類もマイナンバーカードやマイナンバー通知カード&運転免許証といったように税務申告においてすでに採られている方法も候補のひとつになるでしょう。
 
すでに税務行政で採用されている本人確認の方法 (出典:総務省資料より)

すでに税務行政で採用されている本人確認の方法 (出典:総務省資料より)


2019年の確定申告書類の控えについては、いつでも提出できるようにコピーやスキャンニングしておくことが重要ですし、減収月の事業収入額を示した帳簿等については月別の売上額がわかる試算表・推移表(名称は各会計ソフトによって異なる)を用意しておくといいのではないでしょうか。
 
なお、給付金は申請者の銀行口座に振り込み予定ですので、法人であれば法人名義の口座、個人事業主であれば個人名義の口座を用意することとなります。
 

その他、受給手続きの実務上の注意点は

なお、申請方法については「Web上での申請を基本とし、電子申請の場合、申請後、2週間程度で給付することを想定」とあるところから、郵送申請や窓口申請を否定しないものの、電子申請に優位性があると考えています。なりすまし申請や受給手続き詐欺といったことについても注意が必要です。
 
それでもなお、「自粛要請に応じて休業した場合も対象となるのか」「個人事業の場合、総務省から発表されている生活支援臨時給付金は併用が可能なのか」「2020年1月以降に開業したので比較できる前年売上がない」「個人事業から法人設立した場合の前年比較の方法はどうなる」「法人設立して開業間もないので前年売上がまるまる一年間ではない」などなどさまざまな疑問が残るのも事実です。
 
必要に応じて下記相談ダイヤルなども活用しながら、提出資料のとりまとめをしてみてください。
 
中小企業 金融・給付金相談窓口
0570-783183​​​​​​​(平日・休日9:00~17:00)


※上記は現時点における検討状況をお示ししたものであり、今後の検討によって変更もありえます。内容が固まり次第、追加してまいります。本給付金の実施に当たっては、令和2年度補正予算案の成立が前提となります。

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