亀山早苗の恋愛コラム

コロナでレスに……コロナを巡る夫婦の温度差

新型コロナウイルスで夫婦の関係はどう変わるのか。コロナレスになるカップルもいれば、「やることないからついつい」と復活組もいるようだ。もともとは仲良しだったのにすれ違っている夫婦も多いようです。ここではコロナレスの体験談をご紹介いたします。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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コロナレス……夫婦関係はどう変わる?

コロナレスで変わる夫婦の関係

コロナレスで変わる夫婦の関係

新型コロナウイルスで夫婦の関係はどう変わるのか。レスになるカップルもいれば、「やることないからついつい」と復活組もいるようだ。
 

出勤せざるを得ない夫

夫が介護関係の仕事をしているため、ほぼ毎日出勤していくと言うのはマナさん(40歳)。2歳年上の夫とは結婚10年、8歳と4歳の子がいる。彼女自身はリモートワークとなったが、さまざまな調整のため週に1度は出勤している。

「今まで子どもたちとゆっくり過ごせなかったので、最初はこれも楽しいかなと思っていたんですが、実際には大変。仕事が捗らない。しかも夫は今までやってくれていた家事も、『きみが家にいるんだから』とやってくれなくなっている。私の負担は倍増しています」

夫が外から帰ってくると彼女は飛び出していって、外で上衣を脱がせ、夫を浴室に直行させる。家の中にいると、帰宅した夫が「ウイルスまみれ」になっているように思えるのだという。

「夫からは『神経質すぎる』と言われますが、買い物もほとんどネットですませているので、私自身は本当に家から出ないんですよね。1日おきくらいに子どもたちを外には連れ出しますが午前中の早い時間、人のいない公園で遊ばせるとすぐに帰ってくる。とにかく人との接触を避けています」

出勤せざるを得ない夫をねぎらう気持ちはあるものの、どうしても「家にウイルスを持ち込まないで」と思ってしまうし、それを言ってしまう。子どもたちを守りたいという思いが強いのだ。

「夫が下の子をかまっていたりすると、つい『あんまり近づかないで』と言っちゃうんです。夫が口を覆わずにくしゃみしたときも激怒してしまいました。確かに神経質にはなっていますね」

どんなに神経を遣っても遣いすぎることはないとマナさんは考えている。
 

もともとは仲良しだったのに

結婚して10年たつとはいえ、もともとは円満だった。共働きで家事もシェア、特にルールは決めていなかったが、夫は家のこと、子どものことに積極的だったのだ。週末は家族で過ごし、夫はよく作り置きのおかずもせっせと調理していた。ところが片方が在宅勤務となったことでバランスが崩れた。

「夫の実家が30分ほどのところにあるので、週末に子どもたちを預けてふたりでラブホテルなんかにもよく行きました。いくつになっても恋人感覚は忘れたくなかったし、ずっと夫のことは好きだったんです」

今は夫の両親に万が一のことがあってはいけないので子どもたちを預けたりはできない。なによりマナさんが神経をすり減らしているので、夫とも「そんな気になれない」のだという。

ところが出勤を続けている夫にしてみれば、妻が家にいるようになっただけでその他のことが特に変わったわけではない。

「うち、寝室ではシングルベッドを並べているんですが、私は夫に背を向けて寝るようにしています。本当は寝室を別にしたいんだけど部屋がないので。なのに夫はときどき、私のベッドに入ってこようとするんです。濃厚接触もいいところ。やんわり断っていたんですけど」

つい先日、夫は「夫婦らしいことをしたくないというのはどういうことだ」と不機嫌になった。事情が変わったのだとマナさんは訴えたが、夫は「オレのことがイヤになったんだな」と短絡的に断定する。

「そんなこと言われても、今の状況で、そんな気にはなれません。夫が家から出ないならともかく、彼がいちばん感染率が高いんですから。そのくらいわかってくれてもいいのに」

外に出ている人は危険。マナさんの言い分にも一理あるが、夫の立場ではせつないだろうと想像できる。

「夫はしたい、私はしたくない。こんなに気持ちが決裂しているのは初めてなんです。このままじゃいけないと思うけど、どうしてもその気になれない。夫にわかってほしいと訴えていますが、なんとなく夫が不機嫌になってきている。目をつぶって我慢しようかと思う半面、どうがんばってもその気になれない。夫もつらいかもしれないけど私もつらいんです」

つい先日、夜中にふと目覚めたマナさん。リビングを覗くと夫がソファで寝込んでいるように見えた。声をかけようとしたとき、夫がスマホを覗きながらマスターベーションをしているのがわかった。音を立てないようにして寝室に戻ったが、なんともせつない気持ちになったという。

いずれにしてもどちらかが我慢しなければいけない状況で、すぐに答えは出そうにない。こんな思いにかられている夫婦が他にもいるんでしょうかとマナさんは力なく言った。

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