新型コロナウイルスの感染拡大でWHO(世界保健機関)がパンデミック宣言をしてから、世界の株式市場は目も当てられないような暴落に見舞われています。売れるものは何でも売る「現金化」が起こっているため、分散投資の効果は出ず、全ての資産価格が下落しています。そんな状況下、リスクコントロール型投資信託に投資資金が流入しています。
 
リスクコントロール型投資信託に投資資金が流入

リスクコントロール型投資信託に投資資金が流入



 

リスクコントロール型投資信託とは

リスクコントロール型投資信託とは、国内や海外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資が行われる「バランス型投資信託」の一つです。一般的なバランス型投資信託は、当初に決められた資産配分比率(基本資産配分比率)が大きく変わったとき、あるいは一定期間ごとなどに資産配分比率を見直しますが、リスクコントロール型投資信託は、相場の局面に応じて資産の配分比率を機動的に変える投資信託です。

リスクコントロール型投資信託は、基準価額の変動を一定の範囲に抑えることを運用の目的に掲げています。株式相場の下落局面では株式の資産配分比率を低くしたり、為替の円高局面では為替ヘッジの割合を高める、あるいは株式先物や債券先物取引を活用してリスクを抑えるような運用を行っています。

リスクコントロール型投資信託は、マーケットの乱高下局面で威力を発揮しますが、相場が右肩上がりの堅調な局面では、一般的な投資信託と比較して大きな値上がりは期待しにくいといわれています。
 

代表的なリスクコントロール型投資信託

それでは代表的なリスクコントロール型投資信託をいくつかご紹介しましょう。

1. 東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産・バランスファンド」

同投資信託には「毎月決算型」と「年1回決算型」があり、2本合わせると2019年の1年間で3000億円を越える資金流入がありました。投資対象には海外資産を含まずに日本の株式、債券、REITなどで運用が行われています。同投信の2020年2月の月間の騰落率は毎月分配型、年1回決算型共に-2.35%でした。

同投信の基本資産配分比率は、日本債券70%、日本株式15%、REIT15%ですが、基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑えることを目標とし運用されます。基準価額の変動リスクが大きくなった場合、株式とREITの資産配分比率をそれぞれ引き下げ、引き下げた部分は短期金融資産等で運用されることになります。

2. アセットマネジメントOneが運用する「投資のソムリエ」

同投信は、国内、海外の株式、債券、REITなど8種類の資産クラスで運用される投資信託です。同投信は、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑えながら、安定的な基準価額の上昇を目指して運用が行われます。2020年2月の月間騰落率は-0.69%でした。

同投信、8種類の資産クラスの配分比率は毎日精査して、素早く資産配分を変えるところに特徴があります。VIX指数といった米国株の変動性指数などの指標からリスクが高まったと判断される局面では、株式やREITなどのリスクの高い資産クラスの配分比率を減らしたり、ゼロにしたりすることもできます。

3. 大和投資信託が運用する「マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド」

3つの中ではやや異色の投資信託ですが、最先端のシステム運用で24時間徹底管理した運用が行われる投資信託として注目を浴びています。同投信は、世界各国の株価指数先物、債券先物等に投資を行い、独自の数量モデルを活用してポジションを構築して運用されます。2020年2月の月間騰落率は-2.22%でした。同投信、年金などの長期運用に適した10%程度のリスク水準を維持して効率的にリターンを積み上げていきます。24時間徹底管理といわれるように、米国株式先物と米国債券先物の価格変動は10分刻みでモニタリングが行われています。

TOPIX(東証株価指数)の2020年2月の月間騰落率は-9.67%でした。いずれの投資信託もTOPIXの騰落率より大幅にリスクが抑えられていることがわかります。1カ月だけで判断してはいけないのですが、それなりにリスクコントロールが行われていると考えられます。なかなか投資に踏み切れない人は、リスクコントロール型投資信託に注目されるのも一考かと思われます。

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