預金・貯金/平均貯金額はいくら?

金融資産の保有額は、平均で1139万円。残高は2年連続減少

金融広報中央委員会が2019年11月18日に公表した「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査) によると、2人以上世帯では収入は増えた一方、日常生活のための預貯金を除いた金融資産の平均額は1139万円でした。老後の生活費の資金源に関する質問では、就業による収入で稼ぐと答えた世帯が48.2%にのぼりました。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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一般NISA、つみたてNISAは順調に残高を増やす

「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)によると金融資産の保有額は、平均で1139万円、中央値で419万円でした。平均で35万円、中央値で81万円の減少になりました。この金額は金融資産を保有していない世帯も含まれることから、金融資産を保有している世帯だけに限ると、平均額は1537万円、中央値は800万円となります。平均値は前年比22万円の減少となりましたが、中央値は前年と変わりませんでした。ただ、金融資産保有世帯の平均額は2年連続して減少しています。
 
金融資産保有世帯の平均額は2年連続して減少

金融資産保有世帯の平均額は2年連続して減少


金融商品別の構成をみると、預貯金(郵便貯金を含む)は42.7%と前年より1.3ポイント減少しています。反面、生命保険は23.3%と前年より0.9ポイント増加、有価証券(債券・株式・投資信託)は、19.6%と前年より0.5ポイントの増加となっています。

一般NISAを保有している世帯の平均保有額は226万円と前年より28万円増加、つみたてNISAは56万円と前年より29万円増加、ジュニアNISAは117万円と前年と変わりませんでした。一般NISA、つみたてNISAは順調に残高を増やしているといえるでしょう。
 

収入の増加が金融資産残高を増やす鍵

金融資産保有世帯において、金融資産残高が1年前と比べ「減った」と回答した世帯は29.2%と前年より0.8ポイント増加。一方、金融資産が「増えた」と回答した世帯は22.4%と前年より2ポイントも減少しました。

その理由は、金融資産残高が減少した世帯は、「定期的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」が37.2%と最も高かったものの、前年比では1.9%ポイント減少しています。また、「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから」も32.5%と前年比で2.2ポイント低下しています。減少の理由は「株式・債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから」と推測されます。

一方、金融資産残高が増加した世帯は、「定期的な収入が増加したから」が40.8%で前年比0.4ポイント増加、「定期的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」が27.6%で前年比0.3ポイント減少となっています。残高を増やす鍵は収入の増加にあるといえそうです。

金融資産の保有目的は、「老後の生活資金」が65.8%と最も高く、次いで「病気や不時の災害への備え」が58.0%と双璧をなしています。ただ、前年と比較して老後は0.2ポイント、備えは同3.1ポイント減少しています。

元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有については、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」が78.9%と最も高かったが、前年よりは1.6ポイント減少しています。反面、「そうした商品についても、一部は保有しようと思っている」は17.4%と前年より1.8ポイント増加しています。ゆっくりですが、「貯蓄から投資(資産形成)へ」が進んでいるようです。
 

借入金額は増加

借入金のある世帯の割合は前年より0.9ポイント増え41.8%でした。借入金のない世帯も含む全世帯の平均借入額は、前年より65万円増加して628万円でした。借入金のある世帯だけに限ると、その平均額は前年より113万円増えて1587万円です。このうち住宅ローンも前年より49万円増えて1399万円となっています。不動産価格の上昇により、多額の住宅ローンを組まれた世帯が多かったと考えられます。
 

老後の生活への心配は増加傾向

老後の生活については「非常に心配である」が40.3%と前年より4.1ポイント増加、「多少心配である」は40.9%と前年より2.1ポイント減少しました。心配であるとしている8割強の世帯では、その理由について「年金や保険が十分ではないから」が前年より0.7ポイント増え73.3%、また「十分な金融資産がないから」も前年より0.7ポイント増え69.7%となっています。騒がれた老後資金2000万円問題の影響が出ているのかもしれません。

老後の生活費の収入源については、「公的年金」が前年より0.5ポイント減少して79.1%、「就業による収入」は前年より2.5ポイント増え48.2%となっています。「企業年金・個人年金・保険金」は、前年比0.6ポイント増え38.4%でした。就業による収入の割合は、現在の調査方式となった2007年以降では最高となっています。公的年金だけに頼ることの不安や、高齢者の働く意欲の向上が背景にあると考えられます。
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