31歳からの恋愛相談室:今回の回答者は瀧波ユカリさん
「31歳からの恋愛相談室」今回の回答者は、瀧波ユカリさんです
■瀧波ユカリさんプロフィール
今回の回答者:瀧波ユカリさん
漫画家。フリーター独身女性の赤裸々な日常をコミカルに描いた4コマ『臨死!!江古田ちゃん』や、元彼に未練タラタラな女性が元彼と再会、七転八倒するラブコメ『モトカレマニア』など、女性読者の心を揺さぶり、共感を呼ぶ作品を次々に発表。漫画『あさはかな夢みし』、エッセイ『女もたけなわ』『30と40のあいだ』『ありがとうって言えたなら』他著書多数。
HP:https://takinamiyukari.com/
twitter:@takinamiyukari
note:https://note.mu/takinamiyukari
お悩み:このモヤモヤはマリッジブルー?入籍をためらっています
お悩み:このモヤモヤはマリッジブルー?入籍をためらっています
付き合って1年の記念日に、彼氏からプロポーズされました。3カ月後、私の誕生日に入籍予定です。
私は長い間、婚活に苦戦していました。そのため、プロポーズされた当初は本当に嬉しく、一安心だと感じました。でも、それから少し経った今、「結婚相手は、本当に彼でいいのだろうか」と思い始めています。
迷う理由は、大きなものから小さなものまでいろいろあるのですが、大きく分けると3つあります。
- 稼ぎが少なく貯金もない(私は共稼ぎ希望ですが、それでも2人でしっかり働いてなんとか生活が成り立つレベルということに不安があります)
- 彼の職場には若い女性がたくさんいる(今は浮気なんてするわけがないと思っていますが、妻が妊娠すると人が変わる男性もいると聞くので……)
- 彼の母親が口うるさい
婚活をして出会った人の中では話が合うし、見た目も好きなので、付き合うだけならよかったのですが、結婚となるとどうなのでしょうか。
SNSでの結婚報告を見ると、みんな何の迷いもなく、幸せいっぱいに結婚していそうに見えます。でも、SNSにあげないだけで、実はけっこう妥協していたり、嫌なことは見て見ぬふりをしていたりするものなのでしょうか。
この気持ちは単なるマリッジブルーと思ってスルーすべきかどうか、アドバイスいただけたら嬉しいです。
アドバイス1:まずは、自分の悩みを言語化できていてスゴイ!
アドバイス1:まずは、自分の悩みを言語化できていてスゴイ!
いただいた相談文を拝見して、クーさんは自分の悩みをちゃんと具体的に説明できているなーと思いました。こういう相談って「プロポーズされたけどなんだか不安……だけどどうして不安なのかわからない……」みたいな、けっこうボンヤリした内容のことが多いんですよ(そういう相談にはもう「肉食ってたっぷり寝ればなんとかなる」くらいしか言えない)。
だからたぶんクーさんは、ふだんからきっちりと理論的にものごとを考えて実行するタイプなんでしょうね。その特性を活かして堅実に婚活をして、苦戦もしたけど最終的にはそこそこ話が合って見た目も好きな相手を見つけ出し、婚約にこぎつけた。めちゃくちゃスゴイ!
今迷っている理由も、3つともバラバラなように見えて、実はいずれも「結婚の持続可能性にクリティカルに響きがちな事案」。金銭問題、女性問題、嫁姑問題。これらは、もしひとたび問題として浮上したらなかなか改善できない。ひとつひとつは小さなことに見えても、三位一体になる可能性だってある。
「収入が少なくて生活が大変なのに社内の女の子といい感じになりやがった上に姑が激しく夫の肩を持つ」……うん、地獄だよね。そしてわりと、よくあることだよね。
そんな感じでクーさんはとてもしっかり現実を見据えているんだけど、実は1つだけまだ見えていないことがあります。それを知ってもらうために、今から「減点方式」と「加点方式」の話をしますね。
アドバイス2:対人の評価方法には「減点方式」と「加点方式」がある
これは、人付き合いにおいて相手をどうやって評価するか、という方式の話です。「減点方式」とは、出会ってお互い好きだと思った時のスコアを100として、何か心配要素や不一致点があったときに点数を引いていく方式。ひとめぼれ系の恋愛をイメージするとわかりやすいかも。
「わー!好きー!」と思ったけど、深く知っていくと「あれ……?」って思うことがいろいろ出てきて、ちょっとずつ冷静になっていく、あれです。
「加点方式」とは、出会ったときのスコア(0かもしれない)に、好感を持つごとに点数を加えていく方式。こちらは、友達から恋人になる系の恋愛のイメージ。
「恋愛はないよね」と思ってたのに、ちょっとした優しさとか居心地のよさがだんだん大切になっていって、「好き」が増していく、あれ。
どっちの方式がいいというわけじゃなく、状況によって向き不向きがあります。減点方式は、複数の人同士を比較して1人を選ぶときに適しているし、加点方式は1人の人と長く付き合う際に有効です。
では、クーさんのような婚活→結婚という状況の場合はどうでしょう?
婚活のときには、減点方式を採用する。これは、理にかなっていますよね。大勢の中から1人を選ぶわけですから。
しかし、婚活で見つけた恋人が結婚相手になるなら……? 1人の人と末永く付き合うターンに入ったということ。つまりそのときが、減点方式から加点方式に切り替えるときなのです!
アドバイス3:彼への評価を「加点方式」へ切り替える時期では
しかしながらクーさんは今、結婚相手を婚活時代のままの減点方式で見る、ということをやってしまっているわけです。当初、減点方式を駆使して複数人の中から選び抜いた相手に、さらに減点方式を駆使するとどうなるでしょう? 彼のスコア……遅かれ早かれ、ゼロになりますよね……。
まず、今すぐやめましょう! 減点方式。
結婚を迷う理由は、いろいろある。付き合ってからわかったこともあるだろうし、けっして楽観視してよいわけではない。けれど、もうその要素での減点はやりきったと思ってください。
そして速やかに、加点方式に切り替える。たとえば、こんなふうに。
- 付き合って1年の記念日にプロポーズしてくれるって、すごく計画的!気が合う!3万点!!
- 若い女性がたくさんいる職場にいても、目移りしないで私だけを見てくれる!誠実!5万点!
- あんな口うるさい母親がいるのに本人は口うるさくない。神かよ!10万点!!
こうやって、いいところを積極的に見つけて加点する。なんなら毎日1個見つける。10日で10個、3カ月で90個。共に生きれば生きるほど、スコア右肩上がり!
もし、新しくイヤなところを見つけてしまったら、それは減点してもいいです。でも基本は加点ベースで彼を見る。せっかくだから「あなたのこういうところがいいよね、好き」って本人に伝えちゃうのもいい。
SNSでよく見る結婚報告も、加点方式に切り替えたからこそのキラキラ感なのではないでしょうか。妥協したり、嫌なところを見て見ないふりをしていたりというより、積極的にいいところを見ようとしているんだと思います。
それって、嫌なところ見て見ないふりをするよりも、ずっと簡単で楽しくて幸せなことだと思いませんか?
アドバイス3:見方を変えれば、世界が変わる
理論的で、現実的なクーさんにも「見えていなかったこと」。それは、見方を変えるだけで世界は変わる、ということです。加点方式で彼を見ることで、きっと5年先、10年先の未来も楽しみになるはず。そしてもし彼もクーさんのことを加点方式で見てくれたら、とっても嬉しいですよね! 減点方式ではつかめない素晴らしい結婚生活が、きっと待っているはずです。
「あなたのここが好き!」って毎日言い合える、めちゃくちゃスイートな新婚生活がやってきますように! 応援しています。
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