息子(娘)を女湯(男湯)に連れて入れるのは何歳くらいまでなのだろう?
混浴年齢の上限は条例で定められている
平成15年に改正された、厚生労働省の指針「公衆浴場における衛生等管理要領」では「おおむね10歳以上の男女を混浴させないこと」とされています。加えて、各都道府県が定める公衆浴場条例により、例外として混浴が可能な年齢の上限が決められています。上限の年齢は、6歳(京都府)から、11歳(北海道など)まで幅があり、東京都をはじめ半数以上の都道府県が9歳以下となっています。
東京都は、10歳以上の混浴を禁止している理由を、「子供の体位(性的発育度)、親から独立してひとりで入浴できる年齢等の観点から10歳という年齢を定めた」としています。つまり、子どもの性的な発育が進み、ひとりで入浴できるようになれば混浴は不可ですよ、ということです。年齢はおおまかな基準ではありますが、その子の発育のスピードによって親が個別に判断することが必要ではないかと思われます。
子どもの発育スピードから考える
混浴には様々なリスクがあります。ひとつは、子どもが(周りの異性から)性的な脅威を感じたり被害を受けたりすること、もうひとつは、周りの利用者が(子どもから)ストレスを感じることです。厚生労働省の統計(「身長・体重の平均値,性・年次×年齢別」)から抜粋した、6歳、9歳、11歳の平均身長と体重は以下の通りですが、どのように感じられますか。
9歳頃からの子どもの発育は特に個人差が大きいといわれています
裸をジロジロ見られたり、チラチラ見られたりするのは、子どもも大人も不快なものです。状況によっては、トラウマにもなりかねません。子どもが周りの大人から「性的な目で見られない」のと同時に、子どもが周りの大人を「ジロジロ見たり、触ったりしない」ということも大切な基準だと思います。
また、浴場には、子どもと同じ年代の異性の子どもも入浴していることも忘れないようにしましょう。子どもと同じクラスの男の子(女の子)がいたらどう思うだろう?という想像を働かせてみると、自ずと、答えは出てくるのかもしれません。
やむを得ず同性の家族が連れて入れない場合は
家族風呂を利用したり、同性の親や上のきょうだいが連れて入るというのがベストなのでしょう。しかし、それができない場合はどうすればいいのでしょうか。ある男児ママは「子連れのお父さんにお願いしたり、その家族について行くように言ったりした」と話していました。年配の方に事情を話してお願いすると快く引き受けてくださることが多いそうです。
「体を洗ってから湯船に入る」「タオルを湯船につけない」「ざっと体を拭いてから脱衣場に戻る」などの、基本的なマナーを事前に教えておくのも大切なことですね。ひとりで公衆浴場に入る、というのは、子どもにとっては「大人の階段を上る経験」でもあると思います。
年齢に関わらず、やむを得ず混浴させる場合は、子どもが性被害や事故にあわないために、また周りの人を不快にしないために、子どもから目を離さないようにしましょう。また、知らない大人から嫌な触られ方をしたら「いやだと言っていい」「逃げていい」「周りの大人に助けを求めていい」ということは、常日頃から伝えておきましょう。
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