見過ごされやすい男児の性被害

男児と先生

顔見知りからの性暴力は「信頼関係」を利用して行われます

「女の子は性被害にあう可能性があるから心配だけど、うちは息子だから安心」そんな書き込みをネットで見かけました。

とっさに思ったのは「あちゃー」。そして、記事を書かなければと思いました。こうした大人の思い込みこそが、男児への性被害を見えなくしてきたのです。

男児への性被害は、肛門性交に限りません。肛門に指や異物を挿入されたり、加害者の性器を舐めさせられたり、性器を見せられたり、服を脱がされて性器や体を舐められたり、服の上から性器を触られたり、無理矢理キスされたり、AV雑誌やビデオを見せられたり、目の前で自慰することを強要されたり、服を脱がされて撮影されたりするのも、すべて性暴力です。


多くの加害者は男性

もちろん女性から男性への性加害もあります。同意のない性的な行為はすべて性暴力だからです。しかし、男児に性加害する人のほとんどは男性です。また、彼らが同性愛者かというと、そうとは限りません。

なぜなら、性暴力というのは、性欲のみが動機ではなく、支配欲や征服欲などと強く関連した暴力だからです。


軽視されている男児への性被害

「女児に性加害すれば捕まるが、男児は?」と疑問に思っていた人はいないでしょうか。

現在、法改正の検討が進められていますが、今の日本の法律では、強姦罪は女性の膣へのペニスの挿入のみが対象となっていて、肛門性交も口淫(フェラチオ)も、強姦罪より軽い「強制わいせつ罪」しか適用されないため、たいした罪ではないと考えられがちです。

それは、今の強姦罪の規定が作られた明治時代は、家長を中心とする「家父長制度」だったことが大きな要因です。女性は「結婚するまでは父に従い、結婚したら夫に従い、老いたら息子に従う」ことを求められていました。女性は男性の「持ち物」で、血縁をつなぐための「産む道具」としての役割が大きかったため、妊娠の危険を伴う強姦は、「家長の持ち物への侵害」として位置づけられていたのです。

男性も被害にあう強盗罪が5年以上の罪で、強姦罪が3年以上と、強姦が軽視されているのも、その頃の時代背景がそのまま持ち越されているためです。しかし、強姦罪さえも適用されない男児への性被害は、それよりもさらに軽視されているといえます。

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