過多月経とは 生理の出血量が多いか普通か判断方法は?

生理の出血はどれくらいの量が普通なのか 多いか普通か判断方法は?

過多月経とは?


「生理の量が多くなったらお医者さんに相談してください」とよく耳にしますが、どれくらいの量が「多い」といえるのでしょうか。「月経血の量が多い」という状態は、専門用語では「過多月経」といいます。今回は過多月経になる原因、治療法を解説します。
しかし、月経血の量にはばらつきがありるため、月経血の量の「正常」を考えるのは個人差もあって非常に難しくなります。大体の目安となるセルフチェックで確認をしましょう。
 
■参考記事
どこからが過多月経?月経血の正常・異常の見分け方
 

過多月経のセルフチェック法 生理の量と血の塊で確認を

生理の出血はどれくらいの量だと多いの?過多月経の判断方法は?

過多月経かセルフチェックをしよう


大体の目安として、下記の項目に当てはまる場合は月経血が多すぎると考えてよいと思います。
  • ナプキンを1~2時間ごとに替えなければならない
  • 昼間でも夜用ナプキンが必要
  • タンポンとナプキンの併用が必要
  • 量が気になって外出できない
  • 月経血に大きい血の塊が混じっている
最も多い日でも普通用のナプキンなら2時間程度、多い日用なら3時間程度でかえるくらいが一般的とされています。月経血とは本質的には、妊娠が成立しなかった子宮内膜が酵素の働きで出血を伴って剥がれ落ちたもので、血のように見えますが、実は色々なものを含んでいます。ですから指先くらいの大きさのレバーのような塊は、ちょっとなら別に心配する必要はありません。しかし、あまりに大きい塊は注意が必要です。

上記のチェックに当てはまり、症状が続く場合は、1度婦人科を受診することをオススメします。
また、過多月経になると経血量が多くなるため貧血、めまいや立ちくらみ、体調不良の原因となります。

■参考記事
どこからが過多月経?月経血の正常・異常の見分け方
過多月経や月経困難症の治療法・ミレーナとは
 

過多月経になる原因:子宮腺筋症

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子宮筋腫の症状と治療法


子宮腺筋症とは、月経時に出血する部分である「子宮内膜」が子宮の筋肉に何らかの原因で入り込むことで、子宮が大きくなる病気です。子宮の筋肉にばらまかれたように病変がみられるのが特徴です。30代後半以降の女性に多く見られますが、最近は20代の患者さんも増えています。

症状は激しい月経痛や下腹痛、腰痛を起こすだけでなく、不妊症の原因にもなります。子宮腺筋症では月経量が多くなり、貧血になります。癌のような悪性の病気ではありませんが、女性をしつこく悩ます病気で、治療しても再発しやすい病気です。閉経を迎えると症状が軽快します。
治療法は、症状の程度や子宮の大きさ、そして妊娠・出産の希望の有無によって相談します。症状が軽い場合は、様子をみることもありますが、これ以上病変が進行しないようにピルや黄体ホルモン剤を使って治療します。

また、子宮腺筋症にかかると不妊症になることが多くなる一方、妊娠をするとホルモンの関係から腺筋症は改善ないし治ります。

■参考記事
生理が終わらない・長い…過長月経の原因・病気
子宮が大きくなる病気?子宮腺筋症の症状・治療法
 

過多月経になる原因:子宮筋腫

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子宮筋腫の症状と治療法


子宮筋腫は子宮の筋肉の壁に良性の腫瘍(コブ)ができる病気です。筋腫ができる原因ははっきりと解明されていませんが、何らかの遺伝的要素はあるのではないかと言われています。
症状は筋腫ができる場所や大きさによって異なります。自覚がなく、超音波で発見されることも多くなりますが、自覚がある症状は以下となります。
  • 過多月経・過長月経
  • 下腹部のしこり
  • 頻尿・排尿異常・便秘
  • 腎臓の腫れ
筋腫の診断は主に超音波検査となり、1cm未満の小さな筋腫まで発見することが可能なので、年に一度は超音波検査を受けるようにしましょう。

過多月経の症状がある場合の治療は、まず薬物療法をまず行います。改善が見られない場合は手術となりますが、将来の妊娠希望により手術内容が異なります。手術の方法は、経膣的手術・腹腔鏡手術・開腹手術があり、術式によって入院期間は異なります。筋腫が子宮内に飛び出している「粘膜下筋腫」といわれるものだった場合、開腹などはせず、細いカメラを膣から子宮内に入れ子宮内を覗きながら、電気メスで筋腫のコブを削っていく方法で、入院期間も数日で済みます。

■参考記事
生理が終わらない・長い…過長月経の原因・病気
子宮筋腫の症状と診断法
子宮筋腫の治療判断・薬物治療
 

過多月経になる原因:子宮内膜ポリープ

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子宮内ポリープの症状と治療法


ポリープとは、粘膜が増殖してできたキノコ状のやわらかい突起のことをいいます。子宮内膜ポリープの症状は基本的に本人の自覚症状が無いケースがほとんどです。症状がある場合は、月経の出血量が多くなったり貧血になったりするのが特徴です。まれに不正出血や月経痛を起こすこともあり、貧血を伴ったりすることがあります。炎症や分娩、流産からできる場合もありますが、女性ホルモンであるエストロゲンの影響からできる場合がほとんどだと考えられています。

子宮内膜ポリープがあると、受精卵の着床の邪魔になって不妊の原因になりやすいので、原因不明の不妊に悩んでいる方は子宮内膜ポリープの可能性を疑い、早めに検査を受けましょう。なお、内膜ポリープが疑われた場合、悪性を否定するために内膜細胞診を行うことも重要です。

子宮内膜ポリープは腟から子宮鏡をのぞきながら行う手術で治療をします。開腹をしないため、短期間の入院で手術を行うことが一般的ですが、外来で処置をすることも可能な場合があります。しかし、ポリープを摘出しても再発することがあるため、定期検査は必要です。

■参考記事
生理が終わらない・長い…過長月経の原因・病気
不妊の原因も…子宮内膜ポリープの症状・検査・治療法
 

貧血になっている場合に必要な治療法

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貧血治療に必要な薬や栄養は?


貧血は体内が酸素不足、酸欠状態になり、様々な問題を引き起こします。貧血が重度になると感染症にもかかりやすくなり、心不全を引き起こすリスクも挙げられているため、治療が必要です。

貧血のなかでも一般的に多い鉄欠乏性貧血は、材料になる鉄が不足するため赤血球をうまく作れないのが原因です。治療については、足りない鉄分を補うしかありません。貧血の程度によっては鉄剤の服用や注射が必要になりますが、軽度なら食事改善やサプリメントによる鉄分の補給で対応できます。特にストレスフルな生活をしている人はビタミンCが不足しがちなので、鉄分と一緒にビタミンCを摂った方がよいでしょう。レバーに限らず、赤みの肉や魚でも鉄分は摂れますので、緑黄色野菜と組み合わせてバランスよく摂るようにしましょう。

しかし、鉄分の過剰摂取は消化器系の胃腸障害、血色素症が引き起こすこともあります。
だからこそ、医師とよく相談をし、血液検査などで自分の状態をきちんと知ってから上手に摂るように気をつけましょう。

■参考記事
生理が終わらない・長い…過長月経の原因・病気
鉄欠乏性貧血はなぜ起こる?どう対処する?
鉄分の摂りすぎはNG!鉄分の補給しすぎで注意すべき症状と副作用
 

過多月経の治療方法「ミレーナ」とは

生理の出血はどれくらいの量だと多いの?過多月経の判断方法は?

聞き慣れないミレーナとは


ミレーナとは子宮の中に挿入する避妊リングで、過多月経の治療として保険が適用されます。子宮の中にミレーナを挿入しておくと、低用量ピルに含まれるホルモンが極少量ずつ、ゆっくりと5年間放出されてゆき、子宮内膜を薄くして妊娠を妨ぎます。また、この子宮内膜を薄くするという効果が注目され、子宮内膜増殖症や子宮内膜症、子宮腺筋症といった病気への応用が期待されています。

ミレーナのメリットは子宮内にのみホルモン作用があるので、血液中にはほとんどホルモンが入らず、ピルで気になるむくみ、吐き気、頭痛等の副作用が出にくくなっています。
5年間有効ではありますが、妊娠を希望することになったら除去することにより、すぐ妊娠することが可能です。当然、妊娠や胎児に影響はありません。

デメリットは最初の1~3ヶ月は断続的に出血が続いたり、挿入時は軽い痛みを伴うことが予想されることです。しかし、痛みを感じるのはほんの数秒です。

■参考記事
過多月経や月経困難症の治療法・ミレーナとは

(監修:清水なほみ
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