食と健康

ブロッコリーの栄養素・健康効果

【管理栄養士が解説】スーパーなどで年中手に入り、食卓の定番とも言えるブロッコリー。旬は11~3月の寒い時期で、ビタミンやカリウム、食物繊維など栄養豊富な野菜です。ブロッコリーの栄養・健康効果や、選び方のコツ、無駄にしない食べ方、保存法を解説します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

年中買えて栄養豊富! ブロッコリーの魅力

ブロッコリーの栄養素・健康効果

1年中手軽に食べられ栄養豊富なブロッコリー。健康効果、調理と保存のコツもぜひチェックしてみましょう


<目次>  

ブロッコリーの種類・旬

ブロッコリーには、一般的に「ブロッコリー」として販売されている丸い形のものと、茎の長い品種のものがあります。形が丸いものは株のてっぺんにできる花芽で、茎の長いものはてっぺんの花芽を収穫した後、横にできる花芽です。いずれもいろいろな品種があり、北海道から九州までさまざまな地域で栽培されています。
 
旬は11月から3月の寒い時期。一方で、さまざまな地域で栽培することができ、国内産のものも少しずつ収穫時期がずれているため、1年を通して食べることができる野菜という印象を持っている方も少なくないかもしれません。
 

ブロッコリーの選び方と食べ方・加工法

ブロッコリーは、全体に緑色が濃く、花芽が密集しているものを選びましょう。茎の切り口ができるだけ乾燥していないかをチェックすることも大切です。また、花芽が黄色く変色していたり、茎の断面に亀裂が入っているものは収穫してから時間が経ってしまっているものです。購入後は下処理を済ませておくと、保存がききます。

食べ方・加工法は様々ですが、茹でたものをドレッシングなどで味付けしたり、スープやシチューに入れたりしてもよく合います。あまり知られていない食べ方としては、生食でも食べられます。

ひとり暮らしなどでブロッコリーを一度に一房食べきれない場合は、軽く塩ゆでをして粗熱を取り、1回分ずつをラップに包んで冷凍保存すると2週間程度は保存することができます。このとき「食べられる硬さ」までゆでる必要はありません。ここで食べられる硬さまでゆでてしまうと、実際に食べるときに再加熱をすると花芽がボロボロに取れてしまいます。食べるときはレンジで解凍してドレッシングなどで味つけをしてもよいですし、冷凍のままスープやシチューなどの料理に加えてもおいしくいただけます。
 

ブロッコリーの栄養素

特筆すべきは、やはりビタミン量の多さでしょう。ビタミンCは100gあたり120mg。葉酸は210μgです。ブロッコリーの1回あたりの平均摂取量は30~40g程度だと思いますが、これだけで1日に必要なビタミンCや葉酸の3~4割を摂取できます。ビタミンE(2.9mg/100g)、ビタミンK(160μg)なども豊富です。

他に、カリウム(360mg/100g)、食物繊維(4.4g/100g)もブロッコリーを食べるときに嬉しい栄養素だと思います。
 

ブロッコリーの健康効果

ビタミンCが豊富なので、風邪予防、老化予防、疲労回復などが期待できると考えられています。同じく豊富に含まれている葉酸は、妊産婦が摂取すると奇形児出産のリスクが減少ことが知られていますが、妊娠のごく初期に必要なビタミンですので、妊娠が分かってから葉酸を摂るのでは少し遅いかもしれません。妊娠を希望する女性は葉酸をしっかり摂るようにしてください。また、認知症リスクの低減などの効果も知られていますので、妊娠を希望する女性以外も積極的に摂取しましょう。
 

ブロッコリーの食べ過ぎのリスク・注意点

抗血栓薬の「ワーファリン(ワルファリン)」を服薬している人が、ビタミンKを豊富に含む食材をたくさん食べるとワーファリンの効果を弱めてしまうと言われています。そのため、ビタミンKを豊富に含むブロッコリーは控えるように言われることがあります。

ただし、これも「量」の問題で、大量に食べ過ぎないで、という意味ですから、お弁当に1房入っていたのを食べた、とか、1か月ぶりにブロッコリーのサラダを1皿食べたという程度であれば、問題ないことが多いです。食べても大丈夫な量の問題は、かかりつけの医師に確認してください。
 

ブロッコリーの調理のコツ・食べ方、楽しみ方

ブロッコリーは濃い緑色が鮮やかなため、お皿の隅に乗っていると華やかな印象を与えます。形もかわいらしく、一年中価格もほぼ安定している上に、冷凍保存も容易です。非常に使いやすい野菜ですので、冷蔵庫(冷凍庫)に常備して、野菜が1品足りないと感じたときに使うようにしてみてはいかがでしょうか。
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