他人と比較して落ち込む必要はない
成功しているように見える人、活躍しているように見える人、キラキラ充実しているように見える人がいます。悩みなど、心の中は見ることができませんから、本当のところはどうなのかわかりません。しかし、明らかに自分よりも恵まれていそうな人、幸せそうにしている人を見て、嫉妬したり落ち込んだりしたことはないでしょうか。
特に、成功したという結果だけをネットで瞬時に見ることができるし、SNSはそういう自慢の場として大勢の人がアピールしていますから、他人と比較して自分はしょぼいなどと暗い気分になってしまう人も少なくないようです。
ただし、SNSは自己愛を満たすには手軽なツールですから、そこでリア充アピールをしている人は、承認欲求が満たされていない人がほとんどです。なのでそれらを見て落ち込む必要はまったくないと知ることです。
成功者はなぜ、成功しているように見える?
成功者は自分の得意で勝負している
とはいえ、実際に成功して活躍している人はやはりいます。彼らが輝いて見えるのは、自分の長所を認識し、そこで勝負しているからです。自分の特技や強みがわかれば、それをどう表現すればいいかを模索しようとします。サッカー選手にお笑いの才能がなくても、誰も気にしないでしょう。やはり得意な分野で勝負をすることが、自分を輝かせる唯一の方法です。
しかし多くの人は、自分にはお金がない、才能がない、チャンスがない、頭が悪い、人付き合いが下手など、マイナスの部分をより強調して認識しやすい傾向があります。あるいはそれをコンプレックスとして引きずってしまう。
なぜか自分の欠点はよく見えるのに、長所や強み、伸ばすべき能力はなかなか見えないものです。
たとえば芸能界の仕事と一言で言っても、歌、芝居、ドラマ、映画、漫才、リポート、お天気解説、料理、ミュージカル、バラエティなど、いろいろな分野があるわけで、すべての領域で秀でる必要はありません。
それらの中のどれか1つで輝けばいいのです。実際、お笑い芸人としては芽が出なくても料理の分野で売れている人がいますし、歌は下手でも演技力で活躍している人はいるでしょう。
だから自分には向かないと思ったら、すぐに方向転換することです。それは3日坊主でもいいということではなく、自分との適性を冷静に峻別するという意味です。
適性を知ることで自分らしく輝ける
それにはやはり、自分はどういう人間で、どういう性格や傾向を持ち、何が得意で何が苦手か、何をしているときに幸福を覚え、何をしているときが苦しいかを見極めておく必要があります。そういえば、私も大学時代からずっと英語コンプレックスがあり、英語をマスターしなければ有能なビジネスパーソンになれないと考えていました。
それで、ふと思い立っては英語の学習教材を買ってきては挫折し、また数年後に思い立って再び英語教材を買って挫折する、というのを20年近く繰り返していたのです。
会社員のときには英会話教室に通ったことがありますし、独立してからもフィリピンのセブ島への英語留学を経験しました。そして書店に行けば、ビジネス書コーナーだけではなく、英語学習書のコーナーにも立ち寄るのが常でした。
しかしあるときふと、「英語をマスターしても、自分を活かせない」「この分野は、自分が競争すべき分野ではない」という思いがよぎりました。そして、英語ができなくても実損はなく、逆に英語ができても収入源にはならないのではないか、と思うようになりました。
それで「もう英語はあきらめる」「もう英語の学習はしない」「必要なら通訳を雇えばいい」と決め、長年ほこりをかぶっていた教材やら本やらを全部捨てました。そして「日本語で差別化する」と割り切り、書く仕事に集中することで幸福を感じるようになり、ようやく英語コンプレックスが解消したのです。
■出典:『「できないことはやらない」で上手くいく 嫉妬、コンプレックスを「捨てる」技術』(WAVE出版)
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