ニューリッチへの道

「福袋」でお金を失いやすい3つの理由

娯楽としての福袋を否定するわけではありませんが、投資として考えた場合、福袋を買う行為にはお金をドブに捨てやすい3つの要素が含まれていると感じます。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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投資としての福袋は3つのマイナス要素がある

正月にデパートなどで販売される福袋。バーゲンセールのひとつとして、あるいはサプライズゲーム感覚で楽しむ人も多いと思います。娯楽としての福袋を否定するわけではありませんが、仮に「投資」として考えた場合、福袋を買う行為にはお金をドブに捨てやすい3つの要素が含まれていると感じます。
福袋のマイナス要因3つとは?

福袋のマイナス要因3つとは?

 

福袋のマイナス要素1:時間を消費する

1つ目は、行列に並ぶことで時間を消費してしまう点。開店前にいくら早く並んでも、それで得られる経済的メリットはありません。
 
昨今はコロナ禍でオンライン販売や予約販売も見られ、「時間の無駄にはならない」という反論があるかもしれません。しかし、それは時間というより接触回避という目的ですから、「たまたま」に過ぎません。

福袋に限らず、買い物で行列に並ぶという小さな時間のロスを気にしない習慣が、仕事や生活のあらゆる場面で積み重なっていくとしたら、年月を経るほどその差は巨大になります。
 

福袋のマイナス要素2:必要のないものにまでお金を払う

2つ目は、必要だから買うわけでなく、必要なものが入っているかどうかすらわからないものにお金を払う、ただ「お得かもしれない」という希望的観測で買う点です。
 
たとえば傘が必要だから傘を買う場合、雨が降ったら使うので、なくさない限りは壊れるまで使えます。つまり、その「モノ」が必要だから買ったわけで、必要ゆえにそれは有効活用できるはず。
 
しかし、ただ「欲しい」「おトクそう」という感情で買う場合、買った時点でその気持ちが満たされることになります。そして欲求が解消されると、商品そのものはどうでもよくなりやすい。どうでもいいものを大事に扱ったり、何年にもわたって使い続けることができるでしょうか。
 

福袋のマイナス要素3:自ら比較検討する能力を失う

3つ目は、「自分で選んでいない」点です。本来、自分で稼いだお金を使うときには、その商品やサービスに支払うに見合った価値があるかどうか、あるいは自分にフィットするかどうか、有効に使えるかなどを考えて財布を開くはずです。それが、賢い消費者としての行動原理のひとつではないでしょうか。
 
しかし福袋は、値段が安い(かもしれない)というだけで、通常は何が入っているかはわかりません。最近では中身がわかるものもあるようですし(それが福袋と言えるかどうかはともかく)、友達同士で買って、後で不要なものを交換することでムダを避けられることもありますが、基本的には自分で選んだものが入っているわけではありません。
 
値段以上に価値のある商品が入っているかもしれない期待感だけで、宝くじと同じ「ラッキー」を望んでいるということです。これはつまり、自分の頭で価値判断する行為を放棄しているということ。
 
「自己責任での選択」という、私たちが持っている権利を、店舗サイドに委ねてしまっていることになります。自分で選択しなくていいというラクな半面、思考停止につながりやすい側面を持っているのです。
 

「与えられる」状態に飼い慣らされてはいけない

たとえば、テーマパークのアトラクションも自分で遊び方を考えるのではなく、誰が乗っても同じ楽しみ方ができます。テレビゲームや映画も同じ。クラブやダーツバーも同様に、供給者が考えた遊びです。
 
だからそんな、「与えられる娯楽」に飼い慣らされた人たちは、田舎暮らしをすると「何もない」「ヒマだ」と苦痛を感じます。山や原っぱで自分は何ができるか、何もない環境の中でどういう楽しみ方を発見できるか、思いつきません。というより思考が及ばないのです。
 
これと同じことが、買い物にも起こります。自分の頭で「これは値段以上の価値がある、ない」を考えないから、差し出された「定価」を疑いません。
 
供給者が勝手に設定した「定価」が、自分にとって適切な金額かを考えないから、単に値札より割引されているだけで「値段以上の価値があるはず」「これは割安だ」と思い込んで飛びついてしまうのです。
 

福袋のメリットはあくまでワクワク感

「そんな大げさな」と思うかもしれません。また、福袋には「何が入っているかな~」と、クリスマスプレゼントを開けるときの子供がワクワクするように、大人にとってもワクワクできる福引ゲームですから、そんな娯楽を否定するわけではありません。
 
しかし、もし無意識で買っているとしたら、そうしたあまり考えない習慣が生活や人生のあらゆる側面に及んでいるかもしれない、と自らを振り返ってみてはいかがでしょうか、という提案です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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