旧世代は「名刺」交換するが、新世代が交換するのは「SNS」

新世代の富裕層の中には、名刺を持たない人が増えています。初対面でも名刺交換せず、簡単な自己紹介のみという場面によく遭遇するようになりました。コロナでオンラインでの打ち合わせや商談が増えたことも、後押ししていると思われます。わざわざ名刺を交換しなくても、その場ですぐにSNSでつながればいいという発想があるのではないか、と彼らの行動を見ていると感じます。

実際、名刺入れの代わりにスマホを取り出し、SNSで互いに招待・承認し合う光景はよく見られます。SNSでつながっていれば、紙の名刺をスキャンしてデジタルデータに整理し直す必要がないですし、履歴を見れば相手の情報がわかるので、共通の話題を探すこともできます。
 
もちろん、会社員だからSNSを交換するのはムリとか、仕事は仕事で分けたいからプライベートのSNSアカウントでは不都合があるとか、郵送物があるから名刺をもらって住所の名簿化が必要だという人もいるとは思います。

仕事関係でいきなりSNS交換というのは、さすがに馴れ馴れしいと抵抗もあるでしょう(私も相手が企業の一担当者という場合は、さすがにSNSではなく紙の名刺を使います)。
 
しかし、名刺を持たない新世代富裕層は、そういう細かいことは気にしないようです。SNSでつながれない人とは仕事で絡む場面も少ないし、必要なら相手から連絡が来ると考えるのでしょう。
 

旧世代は地位や肩書を重視し、新世代は“個”を大事にする

一方で、旧世代1億円プレーヤーは名刺交換が主流です。むろんSNSに馴染みがないという理由もありますが、そうした物理的儀式をなくしていきなり本題に入ることは、何となく相手に失礼という感覚があるようです。

名刺交換は初対面での挨拶の儀式という社会人としてのマナーであり、相手の名刺に記載された情報をきっかけに会話が弾むこともあります。あるいは相手がどういう立場なのかを、名刺に書かれた会社名、地位や肩書を見て安心したいという思惑もあるようにも感じます。
 
しかし新世代富裕層の合理性は、そうした形式はあまり重視しない。相手の立場や肩書もさほど気にしない傾向があります。人として興味を持った人とはSNSでつながる。SNSなら、相手の歴史がわかる。相手の行動原理がわかる。それは個人のストーリーとしての価値を持つことになります。
 
そしてもし、この流れが拡大していくとしたら、会社員や法人相手に仕事をしている人は別として、「名刺交換で自己紹介」が時代遅れになる可能性があります。実際、昨今ではデジタル名刺を導入する企業が少しずつ見られるようになっています(相手のスマホのQRコードを自分のスマホでスキャンすれば、相手の名刺が表示されるというものです)。
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