年金

知ってお得!年金の受取額を増やすには

年金は少し工夫すると額を増やすことができます。知っているか知らないかで差がつくところです。年金額を増やすために今すぐできること、60歳を過ぎてからでもできることをご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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個人事業主が自分の年金額を増やす方法についてみていきましょう。

自分の年金額を増やす方法についてみていきましょう。

第1号被保険者である個人事業主やフリーランスは国民年金のみに加入しています。第2号被保険者である会社員・公務員は、国民年金のほかに厚生年金にも加入しています。第2号被保険者が受け取る老齢年金は、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)の2階建ての年金です。
 
日本の公的年金制度は働き方などで加入する制度が決まっています。そこで、今回は加入している制度に応じて、特に個人事業主が自分の年金額を増やす方法についてみていきましょう。
 
■任意加入して年金を増やす
■任意加入すると国民年金基金にも加入できる

■受け取り時期を遅らせることで年金額を増やす
■免除期間や学生納付特例期間を確認して年金額を増やす
■個人事業主・フリーランスが年金を増やすには
 
 

任意加入して年金を増やす

 
老齢基礎年金は、原則として20歳から60歳までの40年間保険料を納めると年間780,100円(2019年度額)の年金(満額)が受け取れますが、保険料を納めた期間が40年に満たないと保険料を納めた期間に応じた年金額に減額されます。

(例)保険料を30年間(360月)納付した場合
780,100円×360月/480月=585,075円

昭和61年4月に全制度共通の基礎年金が導入され、原則20歳以上の国民全てが国民年金制度に加入することになりましたが、それ以前は学生や専業主婦については公的年金への加入が任意でした(学生は平成3年3月まで)。したがって、昭和61年3月以前は「任意加入だから、保険料は納めない」という選択をした人も多くいました。
 
「年金制度に加入しなかった期間の保険料を今納められないの?」という質問を受けることがよくありますが、現在の制度では保険料を遡って納めることができるのは最大で2年前までです。それより前の未加入期間の保険料を後から納めることはできません。
 
また、「免除」ではなく「滞納」で保険料を納めなかった未納期間についても、同様に2年以上前の分をさかのぼって納めることはできません。60歳を目前にした人からよく「昔払えなかった期間分を今払いたい」と言われますが、2年以上前の分を払うことは原則できないのです。
 
このように昔に収めることができなかった国民年金の保険料を今納めることはできませんが、60歳を過ぎてから国民年金に加入して保険料を納めるという方法があります。それは「任意加入」という方法です。年金額を増やすための任意加入は、60歳から最大で5年間、65歳になるまで(或は満額になるまで)国民年金に任意で加入できる制度です。
 
60歳まで第1号被保険者(自営業者、フリーランス)だった人に限らず、第2号被保険者(会社員)や第3号被保険者(専業主婦)だった人でも任意加入することができます。任意加入によって保険料納付済期間が加算されるので、年金額を増やすことができます。なお、任意加入して納める保険料は、現在の第1号被保険者と同額の保険料です(月16,410円、2019年度)。
 
先ほど例に挙げた保険料を納めた期間が30年間の人が、60歳から5年間任意加入した場合で考えてみます。任意加入により保険料を納めた月数が60月増えるので、受け取る年金額は

780,100円×60月/480月=97,513円

となり、任意加入をしなかった場合に比べて年金額は年間で約97,000円増えます。

 

任意加入すると国民年金基金にも加入できる

国民年金に任意加入すると国民年金基金にも加入できます。

60歳以上で加入できる国民年金基金の種類は、終身A型(保証期間あり)、終身B型(保証期間なし)、I型(15年確定年金)の3種類です。

1口目(必ず加入)と2口目以降(自由に選択)を組み合わせて選択することができ、掛金の上限(月額68,000円)以内であれば、何口でも加入できます。65歳から終身で受け取れる年金が基本となるので、長い老後に備えることができるようになっています。
1口目

1口目

 
2口目以降

2口目以降


国民年金基金連合会HP(ホームページ)より)
 
また、60歳以上の加入では、男女別の掛金は給付の型や口数ごとに異なりますが、加入時の年齢にかかわらず同額になります。

年金額については、加入期間の長さ(月単位)によって異なり、何口加入するかによって受け取る額が決まります。
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