逍遥散(逍遙散)とは……気の巡りを改善して憂うつ感などに効果

更年期症状に悩む女性

気分の沈みやイライラ感、不眠症などに有効な逍遙散。更年期障害や女性ホルモンの変動による心身の不調である「血の道症」などでもよく使用される漢方薬です


逍遥散(しょうようさん)は柴胡(さいこ)、薄荷(はっか)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)という生薬から構成された漢方薬です。
 
逍遥散の「逍遥(しょうよう)」とは「気分よく散歩する」という意味があります。これは逍遥散の薬効である、気の巡りを改善して憂うつ感などを除くことに由来します。なお、表記が「逍遥散」の場合と「逍遙散」の場合がありますが、同一の漢方薬です。
 

逍遥散の効果・使い方

厚生労働省が作成している一般用漢方製剤承認基準によると逍遥散は、体力中等度以下で、肩がこり、疲れやすく精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症―冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、女性ホルモンの変動による心身の不調を指す「血の道症」、不眠症、神経症に有効です。
 
上記の「逍遥」の意味の通り、逍遥散は精神的な症状、具体的には気分の沈み、イライラ感、不眠症を改善する作用が優れています。そこにくわえて月経痛や月経不順が絡んでくるケースにしばしば用いられます。応用範囲も広い、優れた漢方薬です。
 

逍遥散は更年期障害にも効果的

更年期障害にもしばしば逍遥散を使用します。その際は上記でも挙げたような精神症状や婦人科系の症状が必須となります。
 
もし発作的なほてりや発汗を伴うホットフラッシュが顕著な更年期障害の場合は、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」や「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」などが候補になります。加味逍遥散については下記にて詳しく解説します。
 

逍遥散は効果が出るまでどれくらいかかるのか

症状の強さや症状が出ている期間の長さにもよりますが、しっかりと2~3ヵ月は服用するのが良いでしょう。逍遥散は中長期的な服用も可能ですので、体調が良ければ健康維持の意味も含めて継続的に服用するのも良いでしょう。
 

逍遥散の効果に男女で違いがあるのか

逍遥散はしばしば「女性専用薬」のように扱われますが、男性も使用可能です。その際は憂うつ感や不眠症といった精神的な症状にくわえて疲労感、顔色の悪さ、ストレスによる胃腸の不調などが目標になります。
 
自分が営んでいる漢方専門薬局では過敏性腸症候群のような、緊張によって腹痛や下痢が起こってしまう、繊細な印象のある男性に使用することがあります。
 

逍遥散の副作用・使用上の注意・体質

逍遥散の副作用としては偽(ぎ)アルドステロン症が知られています。偽アルドステロン症とは逍遥散に含まれる甘草という生薬がまれに引き起こすものであり、血圧上昇、むくみ、筋肉痛、手足の重だるさなどを主症状とします。
 
一方で偽アルドステロン症の発生頻度は高くはないので過度に心配する必要はありません。上記のような症状がみられた場合はまず医療機関にお問い合わせください。
  
使用上の注意としては、上記の通り偽アルドステロン症には注意が必要です。特に逍遥散と一緒に甘草を含む他の漢方薬と併用する際は注意が必要です。この理由は偽アルドステロン症は服用する甘草の量に比例して現れやすくなるといわれているからです。
 

逍遥散の買い方・市販薬・メーカーの選び方

逍遥散を購入する場合は漢方専門薬局が確実ですが、最近はドラッグストアでもしばしば見かけるようになりました。

一部を例として挙げると、小太郎漢方株式会社が販売している逍遙散エキス細粒G「コタロー」は1.6g×90包(大人の場合は30日分)で希望小売価格8,000円(税抜き)。イスクラ産業株式会社が販売しているイスクラ逍遙丸は504丸(大人の場合は42日分)で希望小売価格3,000円(税抜き)です(2019年6月現在)。
 
他にもほとんどの漢方専門薬局ではご自宅で煎じて(煮詰めて)服用する煎じ薬(せんじぐすり)としても逍遥散を扱っています。その場合は各薬局ごとに価格が異なるので事前に問い合わせてみるのが良いでしょう。
 
逍遥散は本来ならば生薬を細かくすりつぶして作られた散剤(さんざい)として服用されます。しかし、今日では有効成分を取り出して細粒などにしたエキス剤、ハチミツなどを用いて丸めた丸剤といったバリエーションがあります。メーカーによって同じ逍遥散でも剤形が異なる場合がありますので、服用のしやすさなどを念頭に選ぶのが良いでしょう。
 

逍遥散と加味逍遥散との違い

加味逍遥散は逍遥散に山梔子(さんしし)と牡丹皮(ぼたんぴ)という生薬をくわえたもの、つまり「加味」したものです。両生薬はほてり感、顔の紅潮、イライラ感や怒りっぽさが強いといった「熱っぽい症状」を冷ますはたらきがあります。
 
したがって、精神症状や婦人科系の症状にくわえて上記のようなほてり感やイライラ感が顕著な場合は加味逍遥散がより適しています。
 

処方機会が増えている逍遥散……心身の不調が気になる方は漢方専門薬局へ

最近、逍遥散や加味逍遥散を調合する機会が増えてきている印象があります。これはストレス社会といった今日の世相を反映しているのかもしれません。もし病院に行くほどではないものの心身の不調が目立つような場合、漢方専門薬局へご相談してみるのはいかがでしょうか。
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