地震による損害は補償される?
2018年6月18日、大阪府北部を震源として発生、最大震度6弱を大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市の5市区で観測した「大阪府北部を震源とする地震(大阪北部地震)」。また、9月6日には北海道胆振地方中東部を震源として発生、震度階級で最も強い震度7の揺れが観測された「平成30年北海道胆振東部地震」。2018年は大きな2つの地震に見舞われたのが、記憶に新しいところです。前述したとおり、ほぼすべての保険会社が地震、噴火、津波を原因とする損害を免責事項としています。地震による揺れで自動車の運転が不可能になり起きた事故により車が損傷した場合や、車が地震によって倒壊した建物の下敷きになり損傷した場合など、地震によって生じた損害は、自動車保険では基本的に補償されません。ただし、地震による損害を補償する特約を用意している保険会社もあることも前述したとおりです。
大雪による損害は補償される?
2018年2月5日から8日にかけて、福井県嶺北地方・石川県加賀地方を中心に記録的な大雪に。特に福井市では積雪深が147㎝となり、「昭和56年豪雪」以来37年ぶりに130cmを超える積雪が記録されました。落ちてきた雪や雪の重みで落ちてきた物による損害は、「一般型」「エコノミー型(車対車+A)」どちらのタイプの車両保険でも補償されます。例えば、次のようなケースです。
(1) 積もった雪の重みで車の屋根がへこんだ
(2) 住宅の屋根やカーポートから落ちてきた雪で、車の屋根やボンネットがへこんだ
(3) 雪の重みで倒壊したカーポートの下敷きになり、車が損傷した
※なお、「ひょう」により車の屋根やボンネットが傷ついた場合も同様に補償されます。
一方、降り積もった雪に衝突した場合や、雪でスリップし他の物に衝突した場合は、「一般型」であれば損害が補償されますが、「エコノミー型(車対車+A)」では、車以外の物に衝突した場合には補償されません。また、車に衝突した場合でも、相手が不明の場合は補償されない点に注意が必要です。
なお、相手方の車の損害に対する賠償は、対物賠償で補償されます。
保険を使った場合、等級はどうなるの?
こうした自然災害による損害で自動車保険を使った場合、等級はどうなるのでしょうか。まずは、自動車保険の等級制度の基本をおさらいしてみましょう。等級は1~20等級の区分があり、等級が高いほど保険料の割引率も高くなります。1年間無事故で保険を使わなければ、次回更新時に1等級アップします。●台風による強風
台風による強風が原因の車の損害で車両保険を使った場合には、「1等級ダウン事故」として翌年の等級が1等級ダウンし、「事故あり係数適用期間」が1年加算されます。
●洪水
洪水による車の損害で車両保険を使った場合、「1等級ダウン事故」として翌年の等級が1等級ダウンし、「事故あり係数適用期間」が1年加算されます。
●津波
基本的に補償されませんが、一部の保険会社で取り扱われている「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」を付帯していて、車の損害でそれだけを使った場合は「ノーカウント事故」となり、翌年の等級に影響しません。
●地震
津波と同様に、基本的には補償されませんが、「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」を付帯していて、車の損害でそれだけを使った場合は「ノーカウント事故」となり、翌年の等級に影響しません。
●大雪
落ちてきた雪や雪の重みで落ちてきた物による損害で車両保険を使った場合には、翌年は1等級ダウンします。また、「事故あり係数適用期間」が1年加算されます。一方、積もっている雪でスリップした場合や、相手方への賠償で保険を使った場合には、翌年は3等級ダウンし、「事故あり係数適用期間」が3年加算されます。
特に梅雨の時期から夏にかけては、前線や台風の影響によって大雨に見舞われることが多くなります。また、台風シーズンは強風による損害にも注意が必要になります。自然災害への対応の観点から、車両保険に加入していない人は加入を、加入している人も「一般型」か「エコノミー型(車対車+A)」か補償タイプの確認と、必要に応じてタイプの変更を検討してみてはいかがでしょうか。
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