僕ら人間は、誰でも「お金持ちになりたい」「豊かな暮らしをしたい」と願っています。実際、最近の研究(1)(2)では「お金があれば幸福感が上がる」ことが判明しています。
 
一方、筆者はお金のプロですが、「お金があるだけでは、幸せにはなれない」と考えています。そこで今回は、プロから見ても「お金よりも大切だ」と断言できる3つのモノをご紹介しましょう。
 
※本記事は2万人の日本人の調査結果から「幸せな人の共通点」を研究した実証研究(3)を参考に執筆しています。
 

お金より大切なモノ1:健康

お金よりも、健康の方が大切です。「お金を稼ぐために健康を犠牲にする」のは、間違っています。そうとは分かっていても、ついついあなたは「働き過ぎ」ていませんか?
 
特に、「睡眠時間の確保」と「運動習慣の維持」は最優先にすべきです。睡眠時間を削り過ぎると不幸になるうえ貯金が減ることが分かっています。また、動習慣を持たない人はストレスが多く不幸で貧乏になりやすい傾向があります。
 
つまり、「健康よりもお金!」と間違った考え方をしていると、不健康になり、不幸になり、そして貧乏になるのです。
 

お金より大切なモノ2:人間関係 

お金よりも、人間関係の方が大切です。だから、「お金を稼ぐために人間関係を犠牲にする」のも、間違いです。多くの方が、仕事の忙しさを理由に、友人づきあいを後回しにしています。しかし、時には仕事を休み、友人との時間を優先することも必要です。
 
心理学者のロバート・ウォールディンガーの講演(4)によれば、人間関係をおろそかにすると、早死し、不健康になり、記憶力が低下することが分かっています。
 
それこそ、「お金を稼ぐために、嫌な上司と時間を過ごす」ことは最悪です。不幸の根源の多くは「劣悪な人間関係」にあります。幸せになりたいなら、無駄な人間関係を断捨離する勇気も必要です。
 

お金より大切なモノ3:自己決定 

お金よりも、自己決定の方が大切です。自己決定とは、「自分で自分の人生を決める」ことです。
 
心理学者のエドワード・デシは、「自分で自分の人生を決めることが幸せにつながる」ことを指摘しました(5)。また、経済産業研究所の調査結果(3)によれば、「所得や学歴よりも、自己決定が幸せにつながる」ことが分かりました。
 
つまり、「お金を稼ぐために、他人に振り回される」と、不幸になります。多少の収入を犠牲にしてでも、「他人に振り回される仕事」よりも「自己裁量で仕事ができる仕事」を選ぶ方が幸せになれるのです。
 

まとめ 

お金が大切なことは言うまでもありません。その証拠に「お金があると幸福度が上がる!」といった研究や、「貧乏になると不幸になるし頭も悪くなる」といった研究もあります。
 
とはいえ、「金さえあれば全部解決!」と言えるほど、人生は単純ではありません。お金よりも大切なモノだってあります。お金よりも大切なものを、お金のせいで犠牲にしないよう、注意しなきゃいけませんな。
 
 
●参考文献
  1. 論文:Daniel Kahneman and Angus Deaton, 2010, “High income improves evaluation of life but not emotional well-being”, Proceedings of the National Academy of Sciences, 107(38), pp. 16489-16493
  2. 論文:Andrew T. Jebb, Louis Tay, Ed Diener, and Shigehiro Oishi, 2018, "Happiness, income satiation and turning points around the world", Nature Human Behaviour, Vol. 2, January 2018, pp. 33-38
  3. ディスカッションペーパー:西村和雄, 八木匡, 2018, "幸福感と自己決定−日本における実証研究", RIETI Discussion Paper Series 18-J-026
  4. 動画:ロバート・ウォールディンガー, 2015, "人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から", TEDxBeaconStreet
  5. 書籍:Edward L. Deci, Richard M. Ryan, 2014, 『Intrinsic Motivation and Self-Determination in Human Behavior』, Springer
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。