50代からの住まいの選択肢を考える
人生100年時代、老後の生活について考えるときに、まずは暮らしのかなめである住まいをどうするかを考えることが大事です。コロナ禍をきっかけに住居について考えた人も少なくないでしょう。持家、家族所有、賃貸住宅、といろいろな形態があり、以下のような選択肢が考えられるのではないでしょうか。【老後の住まいの選択肢】
- 小さい賃貸住宅へ住み替え
- UR賃貸
- 持家購入
- 持家のダウンサイズ
- 小さい家に買い替え
- 平屋の一戸建て購入
- マンション購入
- 実家に戻る
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者施設
- 二世帯住宅へ建て替え
- リフォーム
- リノベーション
- 住みたい地域に住む
【持家で土地も所有】
固定資産税、都市計画税、家屋の修繕費用
【分譲マンション】
固定資産税、都市計画税、管理費・修繕積立金
【賃貸住宅】
毎月支払う家賃×12カ月、2年ごとの更新料
【高齢者施設に住む場合の年間支出】
《例》有料老人ホームの場合
入居一時金……数百万円程度から、数千万円のもの、中には1億円以上まであり。
毎月の利用料……管理費、水道光熱費、食費など。
有料老人ホームなど高齢者向け施設の利用料は施設によって異なります。また、健康状態や要介護度によっても変わります。
超高齢社会になったいま、高齢者歓迎の賃貸物件やバリアフリーがされた賃貸物件も以前より多く見かけるようになり、選択の幅も広がりつつあると思います。まずは「自分はどうしたいのか?」という視点を持つことが重要です。
まずは家族と会話。これからの住まいの希望について話してみよう
これからの暮らしをどうしたいのか、自分の意思を知ると同時に、積極的に行ってほしいことは配偶者との会話です。会話を通してこれからの住まいのあり方が見えてくるはずです。コミュニケーション不足のままでいると、住まい選びをする上で夫婦間がギクシャクすることがあるからです。 2019年11月に明治安田生命が「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を発表しています。夫婦円満のため必要なことは「よく会話をする」がトップ。夫婦円満と感じている方の平日の平均会話時間は121分、休日の平均会話時間は287分です。ちなみに、配偶者に言われたい言葉は、夫妻ともに「ありがとう」という結果が出ています。「わかっているだろう」と思うことも積極的に声に出してみましょう。
老後資金が足りない人は、住まいを活用して老後資金にする方法も?
夫婦でこれからの住まいをどうしたいのか、希望があるものの、老後資金が足りない、お金がないと不安に思う人もいるでしょう。その場合は、住まいそのものを老後資金として考える方法があるのはご存じでしょうか。(1)持家を老後資金にする
持家を売却する他に、リバースモーゲージを活用する方法があります。リバースモーゲージとは自宅に住みながら、持家を担保にして老後資金を借りる方法です。老後資金が不足しそうなときは、検討しましょう。
(2)老後に自宅を購入
定年後に住宅購入や住み替え、リフォームを考えるのなら、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅融資保険付きリバースモーゲージ型住宅ローンを活用する方法があります。満60歳以上向けの住宅ローンで、毎月の支払いは利息のみ、元金は契約者が死亡したときに、相続人の方から一括して返済、または担保物件(住宅および土地)の売却により一括して返済する商品です。
コロナ禍からの老後の住まいを考えるなら断捨離から
コロナ禍で生活環境の変化が起きました。テレワークの増加、家事の増加、自然の多い地域への移住を希望、首都圏近郊へ引っ越しなど、さまざまな変化があったのではないでしょうか。コロナ禍が長引き、誰もが住まいのあり方を模索していると思います。
理想としては、広くてゆったりくつろげるリビング、庭で家庭菜園やバーベキューを楽しむ、テレワークスペースの充実、自然の多い環境に暮らす、といった希望が高まっているという話を聞きます。しかし、現実にはすべての理想を叶えるにはハードルがありますよね。
まずは「老後の住まいの計画前のワンクッション」として現在の環境を整えることから始めましょう。自分の身のまわりの持ち物の整理整頓、断捨離からスタートしてみてはいかがでしょうか。整理整頓や断捨離が終わったら、次の段階としては思い切って住まいの動線を一新することが考えられます。
持ち家の場合は、フルリノベーション・リフォーム・改築・増築・減築で、ワークライフバランスの取れる住まいを計画することが考えられます。50代のうちから実行するメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 老後資金の中だけで住宅関連費用を賄う必要がなくなる
- 老後の生活資金の計画がより具体的になる
- 住宅ローンが必要である場合があり、ローンを組める可能性が高い
- 体力・気力があるので引っ越しやさまざまな手続きなどの作業もスムーズにできる
また、貯蓄を減らしたくない、老後資金が不安といった場合は支払いの負担が軽いリフォームローン商品を活用して、安心な理想の住まいへと環境を整えることができます。
賃貸の人は大家さんの許可の範囲でリフォームが可能です。まずは賃貸借契約書を確認しましょう。最近では、築古の賃貸物件で自由にリフォームができる物件もあるので、引っ越しを視野に入れた計画をするのもいいですね。賃貸住宅は住みたい場所へ比較的気軽に住み替えが可能なことが最大のメリットです。老後資金の計画と同時進行で計画を立てましょう。
老後になれば、生活の中心は家の中となります。50代は、その前段階と考えて行動を起こしてみてください。
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【参考資料】
住宅支援機構リ・バース60
https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/yushihoken_revmo/index.html
住友銀行 住宅ローン
https://www.smbc.co.jp/kojin/reverse-mortgage/karikae-shinjidai/
明治安田生命 いい夫婦の日
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2019/pdf/20191115_01.pdf
SBIリスタ少額短期保険株式会社 住まいの意識調査
https://www.sbigroup.co.jp/news/pr/pdf/2020/1008_a.pdf