日本の年金制度の全体像をみておきましょう。

税金を確認する前にまずは、日本の年金の全体像をみておきましょう。

年金の全体像

まず始めに、ここで改めて日本の年金制度の全体像をみておきましょう。社会保障制度のひとつとしての公的年金に対して、企業や個人が任意で導入・加入できる私的年金は区別されます。私的年金は、企業年金個人年金に分類されます。

企業年金は、将来的に企業が約束した額が支払われる確定給付企業年金と、企業が負担する掛金を提示された商品群から加入者自身が選択して運用していく企業型の確定拠出年金が主なものとなっています。
 
個人年金には、第1号被保険者が任意で加入できる確定給付型の国民年金基金や原則誰でも加入できるようになった個人型の確定拠出年金(iDeCo)があります。iDeCoは自分で掛金を拠出し自分で運用する制度です。さらに、民間の生命保険会社などからは個人年金保険といった商品もあります。
年金の体系(概要)

年金の体系(概要)


この他、類似の制度といえるものには、退職時の退職金制度として、一括や分割で受け取る共済制度があり、企業向けの中小企業退職金共済(中退共)、特定退職金共済(特退共)、個人事業主向けの小規模企業共済があります。
 
<INDEX>
■公的年金と税金
■企業年金と税金
■個人年金と税金
■事例でみる国民年金基金

 
 

公的年金と税金

公的年金の支払保険料については、税金を計算する際、その全額が所得控除されるため、その分だけ課税所得が減少し、税負担が軽減されます。
 
所得税は個人の1年間(1月1日から12月31日まで)の収入から必要経費を差し引いた所得に課税される税金ですが、税額を計算する過程で所得から納税者の個人的な事情を反映させるための所得控除を差し引きます。所得控除を差し引いた課税所得に税率をかけて所得税を計算し、さらに住宅ローン控除などの税額控除があればその額を差し引いて納税額が確定します。
 

課税所得=総収入-必要経費-所得控除
所得税額=課税所得×税率-税額控除

 
所得控除は、配偶者控除や扶養控除のように納税者個人の状況を反映させるための「人的控除」と医療費控除や雑損控除のように納税者の支出や損失を反映させるための「物的控除」に大別されます。上記の計算式からもわかるように、該当する所得控除の額が大きいほど、課税所得は少額になります。
 
公的年金の支払保険料については、社会保険料控除として全額所得控除されるため、その分だけ課税所得が減少し、税負担が軽減されます。社会保険料控除とは、世帯主等の納税者が負担した配偶者など生計を一にする親族の保険料・掛金も全額を納税者の所得から差し引くことができる控除です。
 
公的年金の受取時の給付については、障害年金と遺族年金は非課税ですが、老齢年金は雑所得として所得税と住民税の課税対象となります。所得税については、公的年金の受取総額(収入額)から公的年金等控除を差し引いた額が所得金額となり課税対象となります。なお、収入額については、ほかに公的年金等の支払いを受ける場合は、その合計額になります。
公的年金等控除額の計算式

公的年金等控除額の計算式