世の中では「貯金しよう!」「貯金は大切!」みたいな話が溢れています。しかし、具体的な理由について詳しく説明してくれる人はあまりいません。そこで今回は、貯金で得られる2つのメリットをご紹介しましょう。 貯金で得られるメリットは、2つあります。
メリット1:経済的メリット(=お金が増えやすい)
メリット2:精神的・肉体的メリット(=幸せになりやすい・長生きしやすい)
では、これら2つのメリットについて、詳しくご説明します。
メリット1:経済的メリット
1つ目は「経済的メリット(=お金が増えやすい)」です。貯金をするほど、精神的な余裕ができるだけでなく、支出が減るなどのメリットが得られます。上手に使いこなせば、「お金がお金を産む」仕組みを作ることもできるでしょう。何よりも強調したいのが、貯金をすることで「余計な支出が減る」という点です。勘違いしてほしくないのですが、これは「貯金のために節約できる」という話ではありません。そうではなく、「貯金をするおかげで節約できる」という話ですので、順序が逆である点にご注意ください。
たとえば、iDeCoなどの節税制度を使って節税する方法があります。人にもよりますが、節税効果は多くて1年あたり10万~40万円ほどに及ぶ場合もあります。
ほかにも、ある程度貯金がある人であれば、生命保険などの保険に加入する必要もなくなります。保険にかかる手数料を節約することもできますから、さらに家計がラクになると言えるでしょう。
これらのメリットを組み合わせるだけでも、多くて年間数十万円の支出を抑えることができます。貯金のおかげで家計がラクになり、貯金が経済的に見て合理的だと言えるでしょう。
メリット2:精神的・肉体的メリット
2つ目は「精神的・肉体的メリット(=幸せになりやすい・長生きしやすい)」です。米アリー銀行の調査(1)によると、「貯金がある人ほど幸せ!」という結果が得られました。貯金が心の余裕を生み、幸福につながるというのは、ほぼ間違いないと考えておいてよいでしょう。他にも「お金に対する欠乏感」には、さまざまな悪影響があることが分かっています。具体的には、お金の無い人は「人間関係に苦労しがち」「学力が低くなりがち」などと言われていますので、こういった問題を回避する上でも、貯金は重要です。
さらに、「幸せな人ほど貯金が得意!」という研究もあります。つまり、「貯金をするほど幸せになれる」→「幸せになるほど貯金ができる」→「さらに幸せになれる」のように、貯金が幸福への好循環につながると考えられます。
お金に対する「漠然とした不安」や「ストレス」は、身体にも悪いことで知られています。スタンフォード大学の論文(2)によれば、「貧乏な人ほど早死にする」という傾向が確認されました。長生きしたい方ほど、貯金には気を配ったほうがよさそうです。
まとめ
近年、僕らの平均寿命は10年ごとに2~3歳ずつ伸びているという話(3)もあります。老後の人生が伸びているということですから、今まで以上に「未来への蓄えの重要性が増している!」と言えるでしょう。貯金は経済的に見て合理的であるうえ、幸せにつながるし、長生きにもつながり、良いことばかりです。逆に言えば、貯金をしなければ「お金を損する」「不幸になる」「早死にする」可能性が高くなるわけですから、そうならないためにも、早めに行動を起こしたほうがよいでしょうね。
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【参考文献】
- 調査:Ally Financial Inc., 2013, “New Ally Bank Survey Links Money to Happiness”
- 論文:Barry P. Bosworth, Gary Burtless, and Kan Zhang Gianattasio, 2016, "The Growing Longevity Gap between Rich and Poor and Its Impact on Redistribution through Social Security"
- 書籍:リンダ・グラットン, アンドリュー・スコット, 2016,『LIFE SHIFT』, 東洋経済新報社