「お金があると幸せになれる」は本当?

「お金があると幸せになれる」という理屈については、行動経済学の第一人者でもあり、ノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマン氏による研究(1)が有名です。また、わかりやすい調査結果としては、米アリー銀行による調査(2)が注目どころです。

 
たくさんお金を稼いでいて、たくさんお金を持っている人は幸せ?

たくさんお金を稼いでいて、たくさんお金を持っている人は幸せ?



カーネマン氏によると、「年収75000ドル(約900万円)で、幸福感が最高レベルに達する」のだとか。また、米アリー銀行によると、「貯蓄をしている人ほど幸福感が高い」という話も出ています。
 
要するに、「たくさんお金を稼いでいて、たくさんお金を持っている人は幸せだ」ということです。こういう話を聞くと、お金を持っていない人間は、どうすればよいのだろう?と思ってしまいます。
 
しかし、そんなことを考えていた矢先、お金を持っていない人にとっても、朗報になりうる情報を見つけました。
 

ディーキン大学による「幸せがお金を呼ぶ」という研究

ディーキン大学のCahit Guven氏が、「お金と幸福」にまつわる興味深い論文(3)を公開しました。Cahit Guven氏によると、「幸福感が高い人ほど貯金をし、節約する」のだとか。つまり、「幸せな人のところには、お金がやってくる」ということですね。
 
自分はカップラーメンを食べているだけでも幸せを感じるような人種です。こういう細かな幸福感が貯金を促し、その貯金を上手に運用することで「お金に好かれる体質になれる」というのだから、かなりの朗報だと思いました。
 
少し話は逸れますが、「幸せな人は、苦い飲み物を飲むと、さらに貯金をしやすくなった」という研究(4)もあります。ですから、朝日のなか、爽やかな気分でコーヒー(またはストレートティー)を一杯飲むだけでも、お金がたまりやすくなるということですね。明日から早起きして、コーヒー飲まなきゃと思いました。
 

幸福感を高める「PERMA」モデル

ちなみに、ここまで読んでみて「いやいや、私にはお金もないし、幸福感も全然ないですよ」なんて方もいるかもしれません。そんな方は、お金を貯めるよりも前に、まずは幸福感から高めていくのがよいと思います。
 
意外かもしれませんが、幸福感は、自分で引き上げることができます。ポジティブ心理学の世界的権威であるマーティン・セリグマン氏(4)によると、幸福感を高めるには、5つの要素が重要なのだとか。これら5つの要素の頭文字をとって、この要素は「PERMA」モデルとも呼ばれています。
 
PERMAモデルの要素は、以下の5つです:
・Positive Emotion:前向きな感情を持つこと
・Engatgement:没頭できること
・Relationships:良好な人間関係を持つこと
・Meanings:人生に目的や意義を見出していること
・Accomplishment:達成感を味わうこと

 
「なぜかは分からないけど、全然お金が貯まらないんだよな~」と感じている方は、もしかすると幸福感が足りないのかも? そんな方は、PERMAのモデルを使って、当てはまるアクティビティを少しずつ増やしてみるとよいと思います。
 
幸福感は、日々の生活を見直すだけでも感じることができます。幸福感が高まると長生きする(5)という話もありますから、よいことずくめです。身に覚えのあるかたは、今すぐ実践してみては?
 
●参考文献
(1)   論文:Daniel Kahneman and Angus Deaton, 2010, “High income improves evaluation of life but not emotional well-being”, Proceedings of the National Academy of Sciences, 107(38), pp. 16489-16493
(2)   調査:Ally Financial Inc., 2013, “New Ally Bank Survey Links Money to Happiness”
(3)   論文:Cahit Guven, 2012, “Reversing the question: Does happiness affect consumption and savings behavior?”, Journal of Economic Psychology, 33(4), pp. 701-717
(4)   書籍:マーティン・セリグマン, 2014, “ポジティブ心理学の挑戦 幸福から持続的幸福へ”, ディスカヴァー・トゥエンティワン
(5)   Bruno S. Frey, 2011, “Happy People Live Longer”, Science, 331(6017), pp. 542-543

 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。