実は、心理学者の間では「お金を持っていても、大して幸せになれないのでは?」という説がありまして。心理学者のソニア・リュボミスキーの研究(1)によると、「お金などの環境によって決まる幸せは、10%未満の要因に過ぎない」のだとか。
ですから、「お金が欲しい!」「お金が足りない!」のように、お金に縛られ過ぎてしまうのも考えものです。そこで今回は、お金に縛られない2つの極端な生き方をご提案します。
極論1:不労所得を作る
お金に縛られない極端な生き方の1つ目は、「不労所得を作る!」という方法です。ソニア・リュボミアスキーによれば、「お金で幸せは決まらない!」そうですが、そうはいっても「お金で不幸が決まる!」という研究(2)もあります。NBERのワーキングペーパー(3)によると、「貧乏を抜け出したいなら、不労所得を作るのが確実!」なのだとか。ですから、「必要なお金は、勝手に入るような仕組みを作る」のは、不幸にならないための予防策だと言えるでしょう。
ちなみに、「不労所得だけで生活したい!」という方は、2億4000万円ほどあれば十分と考えられます。ここまでお金を貯めることはできなくても、蓄財する金額が増えれば増えるほど、不労所得は増えます。
だから、「お金に振り回されたくない!」という方は、手始めに不労所得を作るために、お金をたくさん稼ぎ、たくさん貯め、上手に運用するのがよいでしょう。
極論2:お金がなくても幸せになる方法を知る
お金に縛られない極端な生き方の2つ目は、「お金がなくても幸せになる方法を知る」という手法です。アメリカ心理学会のプレスリリース(4)によれば、僕らはそこまでお金を使わなくても幸福感を感じることができるようです。たとえば、お金を使わずに幸福感を高める方法としては、「散歩をする」「運動をする」「瞑想をする」など、さまざまな方法があります。幸せになるのに、大してお金は必要ありません。
他にも、心理学者のエリザベス・ダンの書籍(5)によれば、「物を買ってもあまり幸せになれない!」のだとか。欲張りな生活を求め過ぎてしまうことが、かえって幸せを遠ざけてしまうのかもしれませんな。
2つの極論を組み合わせた、中間的な生き方を目指そう!
今回は、お金に振り回されない2つの生き方をご紹介しました。この2つの方法は、どちらも極端な方法です。だから、「不労所得だけで生きていく!」「お金を使わずに生きていく!」なんて生き方を貫こうと思っても、なかなか難しいでしょう。僕らだって人間ですから、不労所得を作るよりも前に衝動買いしてしまったり、無駄とは分かっていても、お金を使いたくなったりすることだってあります。2つの考え方を組み合わせて、ほどほどに満足いく暮らしを目指すのがよいのでしょうね。
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【参考文献】
- 論文:Sonja Lyubomirsky, Kennon M. Sheldon, and David Schkade, 2005, "Pursuing Happiness: The Architecture of Sustainable Change", Review of General Psychology, 9(2), pp. 111-131
- 論文:Kostadin Kushlev, Elizabeth W. Dunn, and Richard E. Lucas, 2015, “Higher Income Is Associated With Less Daily Sadness but not More Daily Happiness”, Social Psychological and Personality Science, 6(5)m pp. 483-489
- ワーキングペーパー:Jesse Rothstein, 2018, "Inequality of Educational Opportunity? Schools as Mediators of the Intergenerational Transmission of Income", NBER Working Paper, 24537
- プレスリリース:American Psychological Association, “Stress in America Press Room”
- 書籍:エリザベス・ダン, マイケル・ノートン, 2014,『「幸せをお金で買う」5つの授業』, KADOKAWA / 中経出版