調査会社のアスマークが行った2012年のアンケート調査(1)によると、「よく衝動買いしてしまう」「たまに衝動買いしてしまう」という人は、消費者の約7割にのぼるのだとか。衝動買いは資産形成の敵ですから、防げるものは、できる限り防いでおきたいものです。
 
それもあり、ぼくはこれまで、「買い物の後悔を防ぐための3つの質問」「衝動買いの誘惑からお金を護る4つのルール」「無駄遣いを防ぐ4つの予防策」といった話をご紹介してきました。
 
とはいえ、「HALTに注意しよう!」「AIDAを使わせるな!」と言われても、すこしロジカル過ぎるというか、イメージがつかみにくい…。と思った方もいるかもしれません。
 
そこで今回は、アンケート調査結果(1)で判明した、ぼくらの「衝動買いを招く」3つのタイミングを紹介します。併せて、これらのタイミングで衝動買いを防ぐための対処法を、それぞれ考えてみました。
 

衝動買いを招くタイミングその1:「期間限定」セール

衝動買いを招くタイミング1つ目は「期間限定」のセールです。たとえば、「30%オフで買い物できるのは、今週末まで!」のようなセールです。
 
ぼくら消費者は、「限定」という言葉に弱いです。期間限定もそうですが、「数量限定」や「地域限定」といった言葉にも、つい引っかかってしまいます。この「限定」という言葉のせいで、不要な衝動買いをしてしまったという方は、たくさん居るはずです。
 
「期間限定」という言葉に惑わされないためには、いちど「限定」という言葉を忘れるのが得策です。それと同時に、消費者行動論(2)でいう、「問題認知」について考え直してみるとよいでしょう。
 
ここで考えるべきことは2つです:
 
1つは「そもそも、この買い物は、自分に必要なものか?」と考えてみましょう。「限定」という言葉に惑わされそうになったときには、「不要な買い物をしているのではないか?」と、自問自答してみるとよいでしょう。
 
それでも、「限定」という言葉には、魔力があります。冷静になれば、「こんなモン、要らないなぁ…」と思うようなものでも、限定性を理由に、「でも限定だし…」と、しょーもない買い物をしてしまう可能性があります。
 
そこで、もう1つ、「限定」という言葉の魔力をかき消す質問としては、「もし、この商品が限定じゃなかったとして、それでも自分は買うだろうか?」と考えてみるのもよいでしょう。
 
まとめると、「期間限定!」「地域限定!」「数量限定!」という言葉に惑わされそうになったときには、「本当に必要か?」「限定じゃなくても買うか?」の2点について、いちど考え直してみるとよいでしょう。
 

衝動買いを招くタイミングその2:「前から欲しかったもの」との再会 

衝動買いを招くタイミング2つ目は、「前から欲しかったもの」との再会です。たとえば、半年前から欲しかった腕時計を、たまたまデパートで見つけた場合などが挙げられます。
 
欲しいものを手に入れることは悪いことではありません。とはいえ、人間の物欲には際限がありませんので、何から何まで欲しいものを買っていたら、破産してしまいます。
 
よって、前々から欲しかったものが目の前に現れた場合は、「そういえば、欲しかったけど、どうして今まで買わなかったのだっけ?」「今、買うのがベストなのだろうか?」と、今まで買わなかった理由を、改めて思い出してみた方がよいでしょう。
 
幸福とお金に関する研究を手がける心理学者、エリザベス・ダンらの研究(3)によれば、幸福につながりやすい買い物の特徴として、「モノを買うよりも、経験を買った方がよい!」ことを発見しました。
 
「どうしても買いたい!」と衝動がおさえられない場合は、最後の砦として、「この買い物をすることによって、自分はどのような経験が得られるのか?」を想像してみるとよいでしょう。モノを買うこと以上に、経験を買うことに重点を置くことで、買い物の失敗を減らすことができるでしょう。
 
特に注意すべきは、「ブランドに依存していないか?」という点です。
 
甲南大学の論文(4)によれば、「ブランド依存のような保守的思考を持つ」人ほど、衝動買いをした場合も満足度が低い可能性が示唆されています。
 
自分の地位(ステータス)を誇示するための出費は、幸福につながらない可能性が高いので、止めておいた方がよいでしょう。特に、高級車やマイホームを買っても幸福感が上がらないという調査結果があるので、気を付けましょうね。
 

衝動買いを招くタイミングその3:「ボーナス」などの臨時収入

衝動買いを招くタイミング3つ目は、「ボーナス」などの臨時収入が入ったときです。
 
ボーナスが入ったときは、モラル・ライセンシングが起きやすく、「これまで頑張った自分へのご褒美に、ちょっとくらい贅沢してもいいよね…?」と考えがちです。
 
自分へのご褒美を買ってあげることも大切なのですが、今まで頑張って貯めた貯金を浪費してしまえば、これまでの苦労が水の泡です。
 
よって、臨時収入を受け取ったときには、「使っても良いお金は◯万円まで」のように、予算を決めておくことをオススメします。それと同時に、証券口座などで、お金を予算以上使えないように、自動引落などを使って、貯蓄用口座へすばやく移動し、使いたくても使えなくしてしまうのが得策でしょう。
 
 

まとめ

以上が、ぼくら消費者が衝動買いに走りやすい3つのタイミングでした。「期間限定セール」「前から欲しかったもの」「ボーナス」、いずれか1つくらいは、身に覚えがあったのでは?
 
本記事の内容を知ったことで、あなたが買い物で後悔する回数が減れば、嬉しく思います。
 
●参考文献
  1. 調査:株式会社アスマーク, 2012, "衝動買いに関するアンケート調査"
  2. 資料:冨木島明, 2006, "消費行動論(1):消費とはなにか", Josai University bulletinm, the Department of Economics 24, pp. 17-37
  3. 書籍:エリザベス・ダン, マイケル・ノートン, 2014, 『「幸せをお金で買う」5つの授業』, KADOKAWA
  4. 論文:向井瑞貴, 林美玉, 2014, "衝動買いパターンにおけるライフスタイルと満足度", Hirao School of Management Review, 4, pp. 53-68
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