地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)の商業地上昇率は9.2%
2018年7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査価格)が、国土交通省から9月18日に発表されました。基準地価とは、都道府県が判定するその年7月1日時点の土地価格で、1月1日時点における公示地価とともに土地取引の目安とされます。
全国平均では、全用途平均が平成3年以来27年ぶりに下落から上昇に転じました。また商業地は2年連続して上昇し上昇基調を強めています。また住宅地は、前年の-0.6%から-0.3%と下落幅が縮小しています。
全用途合計では、上昇が6,149地点(前年5,432地点)で全体の29.7%、横ばいが3,960地点(同3,843地点)で19.1%、下落が10,621地点(同11,459地点)で51.2%となりました。 全国で見ると昨年同様に半数以上の地点で下落が続いていますが、上昇地点の増加(下落地点の減少)傾向は継続しています。地域別に見ると、地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)において全ての用途で三大都市圏を上回る上昇率を示しており、地価上昇の波が地方の中心市街地へ波及していることがわかります。 例えば、福岡市は住宅地が4.4%の上昇、商業地は11.1%の上昇で、中でも博多駅前の開発が進み便利になった博多区の商業地は15.2%の高い伸びです。(※福岡市のマンション事情は3P以降で紹介します)
インバウンドが地価に大きく影響 東京圏では歌舞伎町が上昇率1位に
上昇率上位を見ると訪日外国人旅行客増加の影響が見られます。全国の住宅地ではトップ10にニセコのリゾート施設が身近な北海道の倶知安町や沖縄県の那覇市などがランクインしており、トップ10を北海道と沖縄で占めています。東京圏でも新宿区歌舞伎町一丁目が全用途の上昇率トップにランク。台東区浅草一丁目が3位に入るなどインバウンドの影響は出ています。もう一つの傾向は、再開発が進んでいる場所や地域の地価上昇率が高い点です。東京圏では、「渋谷ストリーム」が完成するなど駅周辺部の再開発が活発な渋谷区や「(仮称)横浜駅西口開発ビル」の建設が進む横浜などが上位にランキングしています。
2020年に向けて首都圏では再開発が各所で進んでいますが、その大きな要因として戦後の高度成長期に建てられたビルや商業施設が更新時期を迎えていることや、日本銀行による金融緩和によって長期金利が低く抑えられていることで開発期間の長い大規模な商業・業務施設の開発がしやすい点が挙げられます。インバウンドの将来需要への期待もあり開発を後押ししています。
中央区の商業地上昇率は、9.9% 日本橋髙島屋S.C.新館がオープン
東京23区の地価トレンドは住宅地・商業地ともに多くの区が前年の変動率を超える高い伸びを示しました。中でも高い上昇率で注目なのが中央区です。複数の再開発が進んでいて渋谷区の9.1%を超える9.9%の上昇率を示しています。中央区の中でも注目なのが日本橋エリアです。日本橋周辺では重要文化財である髙島屋日本橋店を核とした「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」が進み2018年9月25日に日本橋高島屋の新館がオープンしました。 新たにオープンした店舗は、115店。通勤前の会社員が立ち寄れるように一部の店舗は平日7時半からオープンしています。9月28日に実際に売り場を訪ねましたが多くの人で賑わっていました。日本橋界隈を歩いていて感じるのは、オフィスビルが増えて業務機能が高まったことと商業施設が増えたことで暮らせるイメージが高まった点です。 日本橋は、歌川広重の絵にも描かれたように江戸時代から商業の中心として栄えました。2000年代に入ってから再開発で大きく変化。福徳神社を再生した福徳の森が再生され多彩な飲食店や映画館が揃い暮らしを楽しめる街へと変化しています。 日本橋三井タワーやコレド室町が建ち並ぶ日本橋室町界隈を平日のお昼頃歩くと多くの人でにぎわっています。再開発で生まれた広場には、多くの人が集い食事や会話を楽しんでいました。日本橋エリアは、インバウンド需要の高まりを見込んだホテル事業のニーズも強く、2018年9月には三井ガーデンホテル日本橋プレミアがオープンしています。暮らしやすい街になりつつありますが、マンションの事業用地を取得するのは簡単ではなくマンションの希少性もその分増しそうです。「三越前」駅徒歩7分に「パークホームズ日本橋三越前ザ レジデンス」
日本橋エリアの開発動向を考慮した際に魅力的なマンションが「パークホームズ日本橋三越前ザ レジデンス」(三井不動産レジデンシャル 新日鉄興和不動産)全63邸(事業協力者住戸1戸含む)です。「三越前」駅から徒歩7分のロケーション。居住エリアとして成熟しつつある「人形町」駅徒歩6分、「小伝馬町」駅徒歩5分のロケーションで「大手町」や「東京」へも歩けるエリアです。敷地は幅員約16mの南側道路と東西の道路に面した三方向角地。視認性が高くデザイン性に優れた外観フォルムでランドマーク的な魅力も感じます。江戸情緒を想起させるアースカラーを基調とした豊かで華やかなファサード。二層吹抜けのエントランスには、「格子・和紙・光」をアレンジし格調高い印象に。専有部へは上質感ある内廊下を通るアプローチでプライバシーにも配慮しています。 違いを感じるのが全戸75㎡超のゆとりの広さを確保したプランニングであること。3方向道路の開放的な敷地を活かし角住戸やワイドスパンなど居住性に優れた住空間を提供しています。仕様もホール部分をタイル貼りにするなど上質感を感じるつくり。地価上昇が続くトレンドの中で全体的に平均専有面積が狭くなる中、早々出会えないロケーションだからこそ永住に耐えうる質と広さを提供しています。
日本橋に限らず、都心の再開発動向を考えるとマンション建設に適した敷地に出会うことは更に難しくなるかもしれません。「パークホームズ日本橋三越前ザ レジデンス」のように永住ニーズに応える優れたプランニングのマンションが益々求められる時代になっていくのではないでしょうか。
次に、商業地地価の上昇が著しい福岡市のタワーマンション事情を紹介します。
九州初 駅直結の40階建て免震タワー「Brillia Tower 西新」誕生
福岡市営地下鉄「西新」駅直結の40階建て免震タワーレジデンス「Brillia Tower 西新」(東京建物 西日本鉄道 三菱地所レジデンス)のゲストサロンが10月6日オープンしました。九州初の地下鉄直結の40階建て免震タワーレジデンス全306邸。かつて商業施設西新エルモールプラリバがあった跡地で、食品スーパーや総菜・グロッサリー、雑貨・カフェなどの40店舗が入る複合再開発です。交通アクセスの良い地下鉄直結マンションは九州初ということもありオープン前の事前反響数は、5,800件超にも上ります。 福岡空港から福岡市に入るとその価値が良く理解できます。福岡空港から福岡市営地下鉄空港線に乗って博多駅へはわずか2駅。さらに商業・経済の中心である天神駅へは3駅でアクセス可能。西新までは天神から4駅なので博多駅や福岡空港へのアクセスしやすい利便性の高い場所であることが理解できます。 福岡市は、ビジネスの中心エリアである天神地区においてアジアの拠点都市としての役割・機能を高めて新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」を推進しています。規制緩和によって付加価値の高いビルへの建替えなどを進めビジネスやショッピング・憩いをはじめ人・モノ・コトが交流する新たな空間づくりを行っています。こうした施策は、平成30年7月1日の基準地価にも表れ、基準地の中で福岡市で最も地価の高い「天神1-12-3」の平成30年基準地価は、前年比20.4%も上昇しています。 国土交通省九州運輸局のデータによれば、福岡空港からの外国人入国者数は2014年の884,143人から2017年の2,205,616人へと大きく増加しています。福岡空港からの福岡市中心市街地へのアクセスの良さはインバウンド需要の高まりに対し大きな強みになっています。一方で、中心市街地と空港の近さは、航空機の航行の安全や障害防止を目的とした航空法によって建物が一定の高さまで制限されるなど開発の妨げにもなっています。「Brillia Tower 西新」のようなタワーレジデンスが福岡市の中心市街地に少ないのも航空法の制約があるからです。 「Brillia Tower 西新」の建物は、低層部に「制振構造」、その上部に免震装置を設置した「中間免震構造」を採用しています。施工は竹中工務店が担当。超高層建物の揺れへの対応を強化し地震や暴風時の揺れも軽減します。地上40階建て高さ約137mの高層タワーレジデンスからは北に福岡湾・玄界灘、東に大濠公園、西に糸島方面、南に油山・背振山など開放的な眺望が広がります。住戸フロアの最上階である38階には「パーティーラウンジ」に加え「スカイビューラウンジ」2つの「オーナーズスイート」が設けられ景色を堪能するとともにゲストが宿泊することも可能です。 「Brillia Tower 西新」の専有部は、8階から38階までの1LDK~4LDKまで全38タイプの多彩なプランが用意されています。低層部は、タワーレジデンスとしては珍しい自走式の駐車場です。駅直結のロケーションですが、駅前からは西新商店街が連なり西新小学校や修猷館高校などがある文教エリア。利便性だけでなく暮らしやすい住環境であることも5,800件を超える事前反響を集めた要因です。次は、福岡市中央区の「シーサイドももち」地区の新たな街づくりで誕生する「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」を紹介します。
54,000平米超の住・商の一体開発「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」
「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」(三菱地所レジデンス 積水ハウス株式会社 西日本鉄道)は、福岡市中央区の「シーサイドももち地区」に大型商業施設「MARK IS 福岡ももち」との一体開発で誕生するWEST棟・EAST棟の2棟で構成される全584邸の免震タワーレジデンスです。様々なイベントが年間を通して開催されるエ「福岡ヤフオク!ドーム」の南側に位置し海浜リゾート都市として福岡を代表する景観のひとつ「シーサイドももち」を臨む12,000平米超の敷地に建てられ、隣接の大型商業施設「MARK IS 福岡ももち」の敷地42,000平米超を合わせると54,000平米超の住宅・商業の一体開発になります。総戸数584戸は1物件としては九州最大級の規模になります。 現地を訪ねると、そのスケールの大きさが理解できます。「MARK IS 福岡ももち」は、地上4階建てで全163店舗が入る予定で店舗面積は約48,000平米。これは、福岡市有数の大型施設キャナルシティ博多(本館)の約43,500平米と同じくらいです。2階のデッキによって「MARK IS 福岡ももち」(2018年11月開業予定)、「福岡ヤフオク!ドーム」と結ばれるので安全かつ快適にアクセスできます。また、一体開発に良く見られる総合設計制度を活用していないので「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」の敷地には公開空地がなくプライバシーゾーンが確保され居住者専用の植栽が施されたガーデンを楽しめます。
施工は、竹中工務店がこちらも担当し免震構造を採用。耐震性と居住性を両立した快適な住空間を実現しています。専有部は、1LDK~3LDKの全21タイプの多彩なプランで内廊下設計でありながら2面採光の住戸が多いプランニング。天井高を最大約2.58m確保し、約2.15mのハイサッシを開口部に採用するなどタワーならではの景色を楽しめるプランニング。共用施設は、グランドロビー、コミュニティールームなどが用意され駐車場は平置で506台あります。10月2日時点での総反響数は、2900件を超えており注目度の高さも納得のつくり。イベント会場ともなる「福岡ヤフオク!ドーム」の隣接地でもありバスでのアクセスも良好です。