「メスキータ」とは? コルドバを代表する世界遺産の歴史
コルドバは大手旅行者のスペイン周遊ツアーにも必ず組み込まれている、スペインを代表する観光都市。絶対外せない理由の1つは、メスキータという世界遺産があること。メスキータとは、昔のモスク。ざっくり言うとイスラム教徒の大規模な礼拝堂です。この建築物がユニークなのは、なんと元々キリスト教の聖堂があったところに敵対するイスラム教徒がモスクを建てたこと。785年に当時コルドバを支配していた後ウマイヤ朝のアブデラマン1世の命で建設されました。 そしてその後1236年に、コルドバは再びカトリック教徒に征服され、なんとまたモスクをキリスト教の聖堂に再建築。ところが、キリスト教徒は芸術としてメスキータの建築の美しさに敬意を表し、その多くを当時のまま残して、聖堂にしたのです。
カトリック教とイスラム教という歴史上敵対していた宗教が混ざっているという珍しい建築物が、コルドバのモスク「メスキータ」です。
「アーチと円柱の森」は必見! ふたつの宗教が融合する大聖堂の見どころ
絶対的な見どころは、円柱の森。1300本もの柱があり、365の馬の蹄型のアーチを支えています。とても神聖な雰囲気に包まれています。 円柱の森を抜けて、モスクの真ん中あたりにあるのが、中央礼拝堂。1523年にアロンソ・デ・マンリケ司祭の命で着工。高い天井には繊細で美しい彫刻が施されています。 壁側にあるので見落としがちなのは、ミフラブ。イスラム教徒が祈りを捧げる方角が、装飾されています。円柱の森、中央礼拝堂を越えた奥の壁です。職人によって施された美しいモザイクが見事。また、コルドバの街のシンボルでもある鐘楼の塔は、入り口の入場チケット売り場近くにあります。高さ54メートルの街を見下ろす塔は、カトリック教徒の再征服により建築されましたが、1589年の地震によってダメージを被り再築することに。コルドバの街歩きの目印にもなるモニュメントです。
4つある門のうち最も重要なのは、シュロの門。何度も改築されているメスキータの中で、最も古い部分です。シュロの門は、入り口から入ってオレンジの中庭を抜けたところにあります。
最後にオレンジの中庭と呼ばれる庭は、その名の通り、オレンジの木が所狭しと植えられた庭です。春先にオレンジの実がつく頃は、華やかな景色になります。
入場料や予約方法、見学の所要時間やおすすめの服装
メスキータへの入場ですが、現在通常チケットの前売り販売はwebサイトでは行われていません。メスキータの入り口付近にあるチケット売り場で販売されています。そんなに長く並ぶことはないので、見学したい時間の少し前にチケット売り場に行けば十分でしょう。春から夏は少し時間の余裕をみたほうがいいかと思います。また夜の拝観のみwebサイトからチケット購入が可能です。
メスキータの見学は1時間程度が目安です。塔に上りたい場合は、2ユーロが別途かかり、9時30分から18時半まで、30分ごとに入場時間が区切られています。
最後に注意書きです。チケット売り場でもらえる地図に見学ルートが示されているので、見ながら行くと見落とすところがないでしょう。神聖な礼拝堂なので、訪れる服装にも注意してください。ビーチサンダルに短パン、タンクトップではなく、半袖のTシャツで行きましょう。話し声も大きくならないように気を付けてください。写真の撮影は可能ですが、写真の三脚の利用は不可です。お得な情報は、なんと月曜から土曜の朝8時30分から9時30分は入館無料!
■Mezquita de Córdoba(メスキータ)
住所:C/Cardenal Herrero 1 Córdoba(Googleマップ)
電話番号:(34) 957 470 512
営業時間:10:00~19:00(塔は9:30~18:30まで各30分おき)夜のガイド付き拝観は21:00~、22:30~の2回
入館料:10ユーロ(塔は2ユーロ、夜の拝観は18ユーロ)
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