親子で上手に話し合いをしたい時には
学費・教育費ガイドの鈴木さや子です。
私には中学生と高校生の娘がいて、日々子育てに奮闘しているところです。 私はお金のことは詳しくても、教育については全くの素人。どうしたらもっと勉強してくれるのか、自主的に宿題をやるのかなど、何年経っても悩みは尽きません。
「勉強も宿題も子供の問題なんだから、親がそこまで関与しなくていいよ。きっと自分で動き出すから……」とささやく「もう一人の私」もいるのですが、目の前でのんびりしている娘を見ると、ついつい声をかけてしまうのです。
そんな我が家で、娘の中学進学について悩んだときがありました。「子供の声に徹底的に耳を傾けよう!」と取り組んだのが、今回ご紹介する「ふせんワーク」です。
結果、娘は親の想像以上に頑張って行きたい学校に合格し、生き生きと学校生活を楽しんでいます。
私のイチオシ「ふせんワーク」
「ふせんワーク」の準備とやり方は以下の通り。- ふせんを用意する(2色)
- 子どもにワークの目的を話す。例えば、「◯◯ちゃんの進路をどうしたいか、本当の気持ちを一緒に探ろう」など。
- テーマに関し、子供が「嫌なこと」「したいこと」をすべて挙げ、1つずつふせんに書き出す→「希望ふせん」(追加や書き直し・削除はいつでも自由)
- 全部書けたら、大きな紙やホワイトボードに貼り、優先順位を考え、上から順番に貼り直す
- 全体を子供に見てもらい、今の方法(塾など)でズレているところがないかを考えさせる
- 親は口を挟まず、質問に答えるために横にいる(家事などをやらず、真剣に向き合うことが大事)
- テーマのために取れる選択肢を別の色のふせんに書き出す→「未来ふせん」
- 「希望ふせん」の隣に「未来ふせん」を貼っていき、一つずつについて親子で話し、メリットとデメリットを一緒に考える
- 子供が「未来ふせん」を選択する(親は口を挟まずに選択を待つ)
オレンジ色のふせんは「希望ふせん」。カテゴリー別に書いたもの
わが家の場合、娘は「親に言うと怒られると思って言い出せなかったことを、ふせんになら書けた」と言っていました。「ふせんワーク」の後、娘の希望に従い、進路転換と塾の変更をしました。
「ふせんワーク」は進路や習い事に迷ったときだけでなく、友達との人間関係に悩んだときなどにも応用できます。話し合いよりも文字化することで、子ども自身が自分の気持ちを整理でき、落ち着いて考えられる点がメリット。子どもの個性によるでしょうが、小学校4年生くらいからできるのではと思います。
「ふせんワーク」をうまく生かせるコツは、「とにかく親が口を挟まず、じっとガマンすること」。ご興味を持った方はぜひチャレンジしてみてくださいね。