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MacOS X Server でマイサーバをたてよう(1) 「サーバソフト最右翼」のワケ(2ページ目)

ブロードバンド時代のいま、一歩進んだ PC の使い方として、自宅でのマイサーバを考えましょう。MacOS X Server を使えば、事務所や家でのデータ保存のほか、ユニークな活用も簡単です。

大島 克彦

執筆者:大島 克彦

デスクトップパソコンガイド

MacOS X Server
強力なサーバ OS、MacOS X Server

MacOS X Server が「デキる」わけ

サーバといえどもコンピュータですので、サーバ用 OS が必要です。これには、Windows XP と共通の基盤を持つWindows Server 2003 や、UNIX 互換で設計図が公開されている Linux が有名で、それぞれ一長一短があります。今回、MacOS X Server を取り上げるのは、以下のような理由です。

・価格が安い
MacOS X Server は、52,000円から購入できます。価格面では、サーバ用の Linux 各ディストリビューション(40,000~70,000円)と、ほぼ同等です。Windows Server 2003 は、もっとも安価なもの(5クライアント版)でも70,000円以上します。

なお、Windows XP をサーバ用に使うのは技術的には可能ですが、マイクロソフト社は「インターネット用途では認めない」というライセンス姿勢のようですので、やめた方が無難です。もちろん、家庭内・社内でのみ使うのであれば問題はありません(同時アクセス数は限られます)。

・設定が簡単
Linux の最大の弱点は、サーバとして使う前の各種設定が難しいことです。多くの設定ファイルがあり、それぞれに記述法が違いますので、マニュアルを見ながらの作業が必須です。Windows Server 2003 の設定はかなり簡単ですが、「使いやすさ」で定評のある MacOS の伝統を引き継ぐ MacOS X Server には、まだ一歩二歩も譲ります。

MacOS X Server では、「サーバ管理」「ワークグループマネージャ」というソフトで容易に設定できるだけでなく、サーバ以外の Mac からの管理も簡単です。

・豊富なサーバ機能がついている
MacOS X Server には、前ページでふれたさまざまなサーバ用アプリケーションがあらかじめインストールされています。この点は Linux もすぐれていますが、ストリーミングサーバ(映像配信)、ウェブログサーバ、チャットサーバ、ファイヤウォール、ネットブート(ネットワークを通じて Mac を起動する)など、他ではみられないサーバ用アプリケーションが充実しています。

Windows Server 2003 にもサーバ用アプリケーションは付属しますが、あらかじめ付属するものの数では、MacOS X Server には劣ります。

・慣れれば機能の拡張も可能
MacOS X Server は Linux と同様、サーバ用 OS として歴史をもつ UNIX の技術を基盤にしています。このため、gcc、Java、Perl、PHP、Python(パイソン)といった開発環境や、開発ツールの Xcode(エックスコード)がそろっています。これを使えば、サーバの機能をさらに拡張することが可能です。それぞれのプログラミング能力が必要になりますが、スキルアップをめざす人にも最適です。

Windows Server 2003 では、開発環境は別途インストールし、設定する必要があります。

最新バージョンは 10.4 "Tiger"

MacOS X Server の最新バージョンは 10.4 で、4月に発売された MacOS X 10.4(Tiger)のサーバ版です。

製品には、ファイル共有のユーザ数が10に限定された「10クライアント版」(52,000円)と、制限のない「Unlimited 版」(98,000円)があります。限られるのは、ファイル共有時のユーザ数だけですので、Web サーバでの同時アクセス数には制限がありません。購入は、「10クライアント版」がよいでしょう。

こんな人に最適な MacOS X Server

MacOS X Server を導入するのに最適なのは、どんなユーザーでしょうか?

・小規模事務所
MacOS X Server は、大規模なデータセンターでの採用も増えています。ですが、今回は、インストールするパソコンが一般向けのものですので、中小規模の事務所での活用に適しています。

とくに、日常的に MacOS を利用することの多いデザイン事務所などでの、データ管理やスタッフのコミュニケーションに使うとよいでしょう。

・学校
MacOS X Server の採用例が増えているのは、大学などの教育機関です。理系で使うことの多い UNIX 系アプリケーションが使えることや、ネットワークから Mac を起動できるネットブート機能(データやアプリケーションをサーバで一元管理できる)が、支持を集めています。

・個人ユーザー
さらに、自前のサーバにチャレンジしてみたい個人にも最適です。この連載で解説していきますが、簡単な設定で豊富な機能を利用できる MacOS X Server は、チャレンジ精神あるユーザーにオススメです。

サーバをたてるために必要なことは…>>NEXT


Page1:「サーバ」でどんなことができる?
Page2:MacOS X Server のメリットは?
Page3:サーバを準備しよう
Page4:MacOS X Server のインストール
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