アメリカンボブテイルってどんな猫?
短い尻尾とたくましいボディを持つアメリカンボブテイルは、ヤマネコのような見た目をしています。しかし、ペットショップなどで見かける機会は少ないため、どんな猫種なのかよく知らない方も多いのでは? そこで今回は、アメリカンボブテイルの歴史や特徴、飼育法などを詳しくご説明いたします。<目次>
猫種の歴史
アメリカンボブテイルは、アメリカのアイオワ州に住んでいたジョン&ブレンダ・サンダース夫妻がアリゾナで短い尻尾を持ったキジトラの子猫に出会ったことがきっかけとなり、生み出されるようになった猫種です。サンダース夫妻はその子猫を「ヨディー」と名付け、家に連れて帰ることに。そして、自宅で飼っていた雑種猫のミーンと交配をさせると、誕生した子猫はすべて短い尻尾を持っていたのです。
そんな短尾の子猫たちを見た、サンダース夫妻の友人・ミンディー・シュルツはヨディーが新品種である可能性が高いと考え、子猫を数匹譲り受け、同じく短い尻尾を持っていた雑種猫と交配をさせていきましたが、その後、近親交配による健康上の問題が発生したため、アメリカンボブテイルの計画交配は途中で廃れていきました。
しかし、1970年代後半になると、他のブリーダーたちの間でもアメリカンボブテイルを正式な猫種として確立させようという動きが活発になり、1989年にリサ・ブラック・ボーマンとリーア・エバンズという2人のブリーダーの努力によって、TICAに公認されました。
身体的特徴 短い尻尾がキュート
頭部は平らな面がなく、全体的に丸みを帯びています。変形くさび型(逆三角形)で、横幅が広いのも特徴です。耳は、一般的な猫種よりもやや大きめで、飾り毛が見られ、先端は丸くなっています。愛くるしい印象を与えるアーモンド型の目は、やや傾いて付いていますが、シャープな印象は与えません。また、鼻や顎は他の猫種よりも幅広です。そして、ロング&サブスタンシャルタイプであるため、ボディはがっちりとした長方形で胸元が広くなっています。
背中がまっすぐに見えるのもアメリカンボブテイルの特徴です。筋肉質であるため、四肢はがっちりとしており、四肢の先端は一般的な猫種よりもやや大きく、丸みを帯びているでしょう。なお、特徴的な短尾は最低でも2.5cm以上あり、ひざまでの長さであるのが理想的。尻尾は短いですが、警戒すると背中の先まで持ち上がります。
毛種・毛色 短毛種はアメリカンボブテイルショートヘアと呼ばれることも
アメリカンボブテイルは短毛種と長毛種のどちらも誕生しますが、短毛種の場合はアメリカンボブテイルショートヘアと呼ばれることもあります。しかし、アメリカンボブテイルの短毛種は一般的な短毛種よりもやや長めなミディアムショートとなっています。そして、長毛種の被毛は短毛種よりも密生しておらず、やや硬め。長さはセミロング程度です。また、アメリカンボブテイルは被毛パターンも豊富。ブラック、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリーム、ホワイトといったすべての被毛が生まれます。なお、アメリカンボブテイルはオーバーコート(体の一番表面を覆う毛)とアンダーコート(皮膚の一番近くに生えている毛)という2つの被毛を持つ、ダブルコートの猫種です。
アメリカンボブテイルの目色
目色はグリーン、ヘーゼル、イエロー、ゴールド、オレンジ、カッパ、サファイヤブルー、ブルー、アクアといったすべての色が現れます。中には、オッドアイ(左右で瞳の色が異なる)を持つ子もいます。平均体重は4~7kg程度
ロング&サブスタンシャルタイプであるアメリカンボブテイルは長方形の胴体を持つ、筋肉質な猫種です。そのため、平均体重は一般的な猫よりもやや重く、4~7kgほどだといわれています。ただし、オス猫の場合は7kgを超えることもあるでしょう。平均寿命は12~15歳
アメリカンボブテイルは確立される前に一度、遺伝性疾患の問題から計画交配が見直された猫種であるため、遺伝性疾患が見られにくい猫種となっています。そのため、平均寿命も12~15歳程度となっており、一般的な猫とあまり変わりません。アメリカンボブテイルの性格
アメリカンボブテイルはがっちりとしたボディとボリューミーな被毛を持っているため、一見、ワイルドな印象を与えますが、とても穏やかな性格をしています。人間と付き合うのが上手いため、小さなお子さんとも絶妙な距離感を保ちながら生活していけますし、同居ペットとも仲良くしていける子が多いでしょう。また、活発な一面もあるため、飼い主さんはおもちゃを通じて、スキンシップを取ることも可能です。
飼い方や注意点
アメリカンボブテイルは人間に対して愛情深い態度を見せてくれる分、寂しがり屋な一面も持ち合わせています。例えば、お留守番が多かったり、飼い主さんにあまり構ってもらえなかったりするとストレスを感じてしまう可能性が高くなるので、最低でも1日に数十分はおもちゃを使用して、遊んであげるようにしましょう。中には、犬のようにキャッチボールを好む子もいるので、知的な遊びを一緒に楽しんでみるのもよいかもしれません。また、運動量が多い猫種なので、キャットタワーやキャットウォークを設け、上下運動ができるように配慮を。
一般的な猫種よりも平均体重がやや重いので、キャットタワーを購入する時は天井に固定できる「つっぱりタイプ」のものをチョイスしましょう。
なりやすい病気
特定の遺伝性疾患が発症する可能性は低いですが、一般的な猫と同様に老猫期には下部尿路系の病気に気を付けましょう。腎不全や膀胱炎、尿路結石などはストレスや普段食べているキャットフードも関係してくるもの。だからこそ、たくさん遊んであげることでストレスを解消させたり、成猫期から下部尿路ケアができるキャットフードを与えていったりする必要があります。適している飼い主の性格
人間好きなアメリカンボブテイルには、たくさん構ってあげられる飼い主さんが適しています。お留守番させる機会が少なく、おもちゃでしっかりとスキンシップを取ってあげられるのであれば、飼育を検討してみましょう。【関連記事】