「アメショー」で親しまれるアメリカンショートヘアってどんな猫?
アメリカンショートヘアは、時代が変わっても人気が衰えない猫種のひとつ。そんなアメリカンショートヘアは中身も愛くるしく、しつけもしやすいのが特徴です。そこで今回は猫種としての特徴や歴史なども含めながら、アメリカンショートヘアの飼育法を詳しく解説していきます。アメリカンショートヘアの起源・猫種の歴史
アメリカンショートヘアの起源は、1620年にメイフラワー号に乗ってアメリカに上陸したイギリス人が連れていた猫にあるといわれています。猫たちは船の上ではネズミなどの害獣が侵入しないよう見張り、上陸後は農園や住宅で害獣を退治していました。こうした背景があったので、アメリカンショートヘアは丈夫な体を手に入れながら生きながらえていきました。そんなアメリカンショートヘアに注目が集まったのは、1900年代の初期のこと。ブリーダーたちの間で、アメリカ原産であるアメリカンショートヘアの種を保存しようという声が上がるようになったのです。こうしてアメリカンショートヘアはCFAやTICAに公認されるほどの人気猫種になっていきました。
なお、アメリカンショートヘアは一時期、ブリティッシュショートヘアとの区別化を図るため、「ドメスティックショートヘア」と改名されましたが、この猫種名は「国産の短毛種」という意味に捉えられることがあったため、1965年に現在の猫種名に変更されました。
アメリカンショートヘアの身体的特徴
頭部は中くらいの大きさですが、横幅が大きく、全体的に丸い印象を与えます。ただし、口元は角ばって見えるでしょう。アメリカンショートヘアは害獣駆除をしていた猫種なので頬が発達しており、顎も頑丈です。目はやや離れ気味で、わずかにつりあがっていますが、丸いためシャープな印象を与えません。耳は中くらいの大きさで、先端は丸みを帯びています。こちらも目と同様に、やや離れてついているでしょう。
セミコビータイプであるアメリカンショートヘアは長方形のボディをしており、広い胸元を持っています。また、被毛の模様がはっきりと現れるほど理想的だとされ、値段は高くなります。
アメリカンショートヘアの毛種・毛色
アメリカンショートヘアは短毛種しか存在していません。短い被毛は全身同じ長さになっており、密に生えそろっています。手触りはシルキーというより、やや硬めです。アメリカンショートヘアといえば、シルバーコート×ブラックのクラッシックタビーを持つ猫種だと思っている方も多いかもしれません。 しかし、実はブラック、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリーム、ホワイトといったすべての被毛が生まれます。そのため、タビーでないソリッドカラー(全身の被毛が均一な色で模様や色むらもない)や、ホワイトとのバイカラー(2色の毛を持つ)の子もいます。アメリカンショートヘアの目色
目色はグリーン、ヘーゼル、イエロー、ゴールド、オレンジ、カッパー、ブルーが現れます。オッドアイのアメリカンショートヘアは生まれますが、サファイヤブルーやアクアを持つ子は誕生しません。
アメリカンショートヘアの平均体重は3~6kg程度
アメリカンショートヘアはスコティッシュフォールドと同じ「セミコビータイプ」であるため、ボディや尻尾、胴体がやや長くなっています。平均体重は3~6kgほどで一般的な猫と同じくらいの重さですが、筋肉質であるため、抱き上げたときにずっしりとした重みを感じるでしょう。アメリカンショートヘアの平均寿命は12~13歳
一般的な猫の平均寿命は15歳程度といわれていますが、アメリカンショートヘアは12~13歳ほどです。しかし、アメリカンショートヘアは猫種を築き上げていくときに他の猫たちとの交雑が多かったため、比較的体が丈夫な猫種であるとされています。アメリカンショートヘアの性格
ネズミなどの害獣駆除を行ってきたアメリカンショートヘアは、活発で好奇心旺盛な性格をしています。飼い主さんや他の猫と一緒に遊ぶことを好むので、多頭飼いにも向いているでしょう。また、社交性はありますが、あまり鳴かない猫種であるため、集合住宅でも飼育しやすいはず。人見知りもしないので、来客とも早く打ち解けられるでしょう。アメリカンショートヘアの飼い方や注意点
アメリカンショートヘアは運動量が多い猫種ですが、その分、食事量も多いため、成猫期には肥満対策を万全に行っていきましょう。例えば、子猫期を過ぎたら、低カロリーフードを与えていくのもおすすめです。フードの見直しは生後1年頃を目安に行っていきましょう。なお、食物アレルギーなどを抱えていてフードの変更が難しい場合は、フードの量を増やさずに食事の回数を増やしていきましょう。各キャットフードのパッケージ裏に記されている1日の適正量を3~4回に分けて与えれば早食いが防げ、肥満予防が期待できます。
アメリカンショートヘアがなりやすい病気
アメリカンショートヘアは「ワクチン誘発性繊維肉腫」という病気になりやすいといわれています。ワクチンは猫を病気から守るために欠かせないものですが、接種することによって腫瘍が発生し、体に様々な機能障害が起こる、まれにワクチン誘発性繊維肉腫が引き起こされてしまうことがあります。この病気はまだ詳しいことが解明されていませんが、毎回同じ場所にワクチンを接種させているとなりやすいと考えられてもいるので、飼い主さんは接種場所を毎年メモしておくとよいかもしれません。ワクチン誘発性繊維肉腫はワクチンを接種させてから数年後に発症する場合もあるので、注意が必要です。
また、重症化することは少ないとされていますが、「肥大型心筋症」にも注意が必要です。肥大型心筋症とは心臓周辺の筋肉が内側に向かって肥大化することで、心臓の動きが悪くなってしまう病気のこと。
突然死に至ることもあるこの病気は早期発見が難しいとされているので、愛猫の運動量が少なくなってきたときは一度、検査を受けさせてみましょう。
アメショーと相性のいい飼い主の性格は?
害獣駆除をしていたアメショーは活発な性格であるため、遊ぶ時間がとれる飼い主さんにおすすめな猫種です。また、マイペースで自由な時間を好む傾向も強いため、ほどよい距離を保ちながら猫と生活していきたいと考えている方にも適しています。【関連記事】