フリーターの年金や健康保険、給与明細から保障内容を知ろう

フリーターにとって、社会保険は縁遠い話と思っているのではないでしょうか。フリーターなどの非正規雇用、短時間労働者でも、年金や健康保険、雇用保険などの社会保険に加入している人もいます。自分が社会保険に加入しているかどうかを確かめる一番確実な方法は、給与明細を見ること。給与明細に何が書いてあるか、そのことによって自分がどのような社会保険に加入し、保障を得ているかを確認しましょう。
 
給与明細の一例(会社によってフォーマット、記載名称等異なります)

給与明細の一例(会社によってフォーマット、記載名称等異なります)


給与明細には、大きくわけて就業項目、支給項目、控除項目と3つにわかれています(会社によってフォーマット、呼び方は変わります)。社会保険などの加入状況を調べるには、控除項目に注目します。
 

厚生年金は国民年金の上乗せ

まずは、厚生年金の加入を確認しましょう。給与明細では「厚生年金」「厚生年金保険料」などと記載されています。この欄に金額が記入され、給与からその金額がひかれていれば、厚生年金に加入しているということです。

厚生年金は、国民年金の上乗せとしてあるもので、より充実した保障を受けられるものです。保険料を納付した分、老後などに受け取れる年金額が増えていきます。毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」でこの加入歴をしっかりチェックしておきましょう。
 

健康保険は厚生年金と同時に加入

厚生年金に加入していた人は、同時に健康保険にも加入しています。給与明細では、「健康保険料」などの名目で控除されているでしょう。この健康保険は、勤務先から加入している健康保険です。
 

労働者のための雇用保険も要チェック

最後に確認したいのが、雇用保険。「雇用保険料」が給与から控除されているか確認しましょう。厚生年金や健康保険より加入しやすいので、雇用保険のみ加入しているという人もいるかと思います。
 

厚生年金・健康保険条件は正社員の4分の3以上

フリーターなどの短時間労働者でも加入しているかもしれない厚生年金、健康保険、雇用保険。これらへの加入の条件はどのようになっているのでしょうか?

短時間労働者が厚生年金、健康保険への加入する条件は、1週間の所定労働時間や1カ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上。

また、4分の3未満であっても、

(1)週の所定労働時間20時間以上(2)勤務期間1年以上の見込み(3)月額賃金が8.8万円以上(4)学生以外(5)従業員501人以上の企業勤務(501人未満でも労使の合意があれば適用)

のすべての条件があてはまれば、厚生年金、健康保険に加入対象となります。

雇用保険加入は週20時間以上

次に、短時間労働者の雇用保険加入条件をみてみましょう。

(1)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる(*)
(2)1週間の所定労働時間が20時間以上の両方の条件がそろえば、雇用保険への加入となります。

(*)期間の定めがない雇用、雇用期間が31日以上、雇用契約に更新規定あり(31日未満での雇止めの明示なし)、雇用契約に更新規定はないが同様の契約により31日以上雇用された実績あり等の場合

負担保険料は報酬によって変わる

これらの保険料、どのように金額が決まり給料から天引きされているのでしょうか?

厚生年金保険料については、保険料率が毎年決められています。平成29年9月以降の自己負担保険料率は9.15%。給与の9.15%は厚生年金保険料でひかれます(正確な保険料は、年間の報酬などから算出された金額に保険料率をかけたものとなっており、実際の給与明細に書かれている給与に9.15%をかけたものではありません)。

健康保険料は、加入している健康保険によって保険料率がかわります。例えば、協会けんぽ(東京都)の場合は、自己負担の保険料率は4.95%。ただし、40歳を超えると、介護保険の負担も増えます。その保険料率は健康保険とあわせて5.735%(いずれも、協会けんぽ東京 平成30年3月以降の場合)です。

雇用保険料は、保険料率0.3%(平成30年度)。いずれも、報酬額に応じて保険料を負担しています。
 

加入しているメリット、老後も今も安心が増える

保険料の負担も高く、社会保険の加入をためらう人もいますが、加入のメリットはたくさんあります。

厚生年金に加入することによって、老後に受け取る老齢年金はぐんと増えます。生涯受け取れる年金額が増えるので、長寿時代に安心といえるでしょう。

また、健康保険への加入で最大のメリットは「傷病手当金」。病気やケガで仕事を休み、給料が支給されないとき、最長1年6カ月の間、休業前にもらっていた給料の3分の2相当を手当金として受給することができます。

雇用保険に加入していると、失業時に基本手当を受給することができます。年齢、被保険者期間、離職理由などによって、90日~360日の間受給ができます。その金額は、離職直前の6カ月の毎月きまって支払われた賃金(ボーナス等は除く)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)。安心して就職活動が行えます。また、教育訓練給付金を受給して資格取得などの講座を受講することもでき、キャリアアップものぞめます。
 

社会保険の加入なしは将来不安。加入の方向で

このように、非正規雇用、短時間労働者のフリーターでも、条件がそろえば社会保険に加入することができます。保険料が給与からひかれて、マイナスイメージしか浮かばないかもしれませんが、いざという時には安心な社会保険です。

加入なしでは、将来の生活設計がうまくいかなくなることもあるでしょう。積極的に加入する方向で考えてみてはいかがでしょうか? まずは、給与明細をみて、自分自身の社会保険加入状況を確認してみましょう。
 
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