ひとりっ子は増えている

家族

親の愛情をひとりじめできるのは、ひとりっ子の特権。

今の子どもたちの親世代までは、きょうだいがいる人が大半でした。しかし、国立社会保障・人口問題研究所が行っている調査では、子どもを1人しか持たない夫婦(結婚15~19年)の割合は年々増加しており、2010年では15.9%、2015年では18.6%とのことです。1977~2005年の調査までは1割程度で推移していたため、ここ10年でひとりっ子の割合は急激に増加したということになります。

ひとりっ子は、今やもっと多い印象があるかもしれません。それは、子育て現役世代のひとりっ子率が増えているからのようです。結婚後5~9年の夫婦に限ると、ひとりっ子が28.0%。つまり、今の保育園や幼稚園、小学校では、クラスの3割近くがひとりっ子ということになります。

 

なにかと口出しされがちなひとりっ子、と、その親

きょうだいは、子ども時代の多くの時間を共にする、いちばん身近な同年代の家族。なので、きょうだいの数や生まれ順により特徴的な性格があると言われます。

関連記事:生まれ順による兄弟姉妹の違いと対応法

しかし、何か問題が起こると「ひとりっ子だから」と、きょうだいの数に原因を見つけようとされるのは、ひとりっ子の悲劇かもしれません。好きでひとりっ子になったわけでもないのに、何かが欠損しているかのように言われる。「かわいそうに」と見下される。子どもはたまったもんじゃありません。

親も親で大変です。結婚した途端に、両親や義両親から「孫はまだか」とせっつかれ、産んだら産んだで「ひとりっ子は良くないから、もう1人」と言われる。一粒種が女の子なら「跡取りを産めなかった」、男の子なら「男の子をひとりっ子にした」と責められ、ひとりっ子の親も散々です。

 

ひとりっ子のマイナスイメージ

ひとりっ子はよく「わがままでマイペース」と言われます。血液型占いの「B型」の類型に少し似ているかもしれません。当たっているところもあるが当たっていないところもある、というのが実情でしょう。

育つ環境というのは、子どもの性格に影響を及ぼします。しかし、持って生まれた気質もあれば、家庭環境、家族関係の影響も大きいものです。しかし、長子、中間子、末っ子に比べ、ひとりっ子はマイナスイメージが先行しがちです。

きょうだいで支え合ったり、ゆずり合ったり、切磋琢磨するのは、とても素晴らしいことです。きょうだいげんかは、ひとりっ子にとっては憧れでもあります。けんかをすることで、力の加減を学んだり、仲直りのタイミングを学んだりすることも、きょうだいがいるメリットです。しかし一方で、仲が悪いきょうだいもいますし、離れて暮らすきょうだいもいます。きょうだいと比較されて自分に自信を持てなくなったとか、いじめられたことがトラウマになっている、といった話も珍しくはありません。相続の時に限らず、きょうだいは関係が近い分、こじれると他人よりも厄介です。

きょうだいがいるかいないかは、一概に良い悪いという評価ができるものではないはずなのに、ひとりっ子がひとくくりに「よくない」とされてきたのは、単に「昔はあまりいなかったから」なのかもしれません。「服や学用品は新品を買ってもらえる」「自分だけの部屋がある」などはひとりっ子あるあるですが、子沢山の時代には、なんでも独り占めできるひとりっ子への嫉妬があったことでしょう。ひとりっ子のほうも、きょうだいがいる人へのうらやましさから、贅沢を見せびらかすことがあったかもしれませんね。

 

ひとりっ子育児で注意したいこと

子どもがひとりしかいないと、親の関心が集中します。きょうだいが多い子にとってはうらやましいことであっても、ひとりっ子にとっては当たり前のことですから、ありがたみはそんなになく、むしろ煩わしさのほうが先に立ちます。親の期待が集中するのも困りもの。

目が届く分、親は細かいことが気になります。きょうだいとの比較ができない分、神経質になってしまったり、心配しすぎてしまうこともあるかもしれません。

しかし、子どもには、自分で育っていく力があります。夏休みなどの長期休暇に、親同伴ではないキャンプに参加させるなど、その子の力を信じて「手放してみる」ことも大切です。たくさんの人との出会いを応援し、「社会の中で子育てをしている」と感じられる子育てをしましょう。

 

ひとりしか産まない親はわがまま?

先日、与党の幹事長が「子どもを産まないのは勝手な考え」「皆が幸せになるため、子どもをたくさん産み、国も発展していこう」と発言したことが話題になりました。

しかし、統計を見てみると、年々下がってきているとはいえ、夫婦の平均理想子ども数は2.32、平均予定子ども数は2.01となっています。そして、実際の夫婦の平均出生子ども数は1.94。つまり、本当はたくさん子どもを産みたいけれど、実際はそんなに産めないと考え、結果的に予定していたより少ない子どもの数になっているというのが現状のようです。

「もうひとり欲しかったけど、あきらめた」結果のひとりっ子も多いのでしょう。若者の貧困や待機児童問題など、子育て世代に厳しい環境がこのまま続けば、晩婚化は進み、ひとりっ子は今後も増え続けるでしょう。

少子化を「産まない女のわがままだ」と嘆いたり、「ひとりっ子はかわいそう」だから産め産めとプレッシャーをかけるおじさまおばさまたちは、当分いなくなりそうにありません。

でも、子どもを産むタイミングも、子どもの数も、我が子を大切に育てていくために、自分や周囲の状況を十分に考えた結果であることがほとんどだと思います。

子どもを幸せに育てるためには、まず親が幸せであることが大切です。ひとりっ子はかわいそうではありませんし、ひとりしか産まない親がわがままなわけでもありません。心ない言葉にとらわれず、今、我が子と自分がどうすれば幸せに生活できるのかを、第一に考えましょう。
 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。