柔軟性があるから我慢やストレスが少ない「フレキシタリアンダイエット」
「フレキシタリアンダイエット」とは、アメリカのUSニューズ&ワールド・レポートが発表した、2018年ベストダイエットに選出されたダイエット法です。そこで今回は、注目のフレキシタリアンダイエットの方法や理論、メリットやデメリットを紹介すると同時に、ガイドの視点から分析する他のダイエットとの類似点&相違点、さらに、フレキシタリアンダイエットに向いているタイプなどを解説していきたいと思います。
フレキシタリアンダイエットの意味とは?
野菜メインで肉少量のフレキシタリアンダイエット
記事「2018年ダイエット予測」でも書きましたが、もはや「〇〇だけ食べる!」といった極端な制限のあるダイエットは、あまり流行らない傾向にあります。
その流れを受けて、野菜をメインにしつつ肉も少量食べる「フレキシタリアンダイエット」のように、フレキシブル(柔軟)に対応しながら、我慢したり無理したりすることなく、健康的に実践していくダイエット法がトレンドになっている傾向があります。
フレキシタリアンダイエットがダイエットに効果的な理由
ダイエットにも健康にもメリットがたくさん!
これは、野菜に豊富に含まれるフィトケミカル(植物中に存在する化学物質)の抗酸化作用が役立つとされており、オックスフォード大学の研究では、1週間のうち肉を食べる日を3回に抑えることで心臓病や発作、ガンなどのリスクが下がることも分かっています。
以上は2015年のInternational Agency for Research on Cancerでも裏打ちされていて、研究によれば毎日50g加工された肉を食べることで、大腸ガンのリスクが18%も上がったそう。
このような研究結果から、野菜をメインとする食生活を続けることは、体重を増やさない体質に導き、また、野菜に含まれる食物繊維等は食欲や健康的な免疫機能を保つ働きをする善玉菌のエサになるため、ダイエットの大敵といえる便秘解消など腸内環境を改善していくことにも役立ちます。これにより、結果的にダイエット効果も期待できるといえるでしょう。
フレキシタリアンダイエットのやり方・実践方法
自炊でも外食でも対応できるのも特徴
つまり、ベジタリアン食・ビーガン食・糖質制限のように、「野菜以外の肉や魚はNO」「糖質は1食50gまで」「肉は200~300gは食べよう」などと厳密に決まっていたり、必ず守らなければダメというルールはなく、もうちょっと柔軟に実践していく方法です。
『The flexitarian diet』の本によると、「たっぷりの野菜を食べながら1週間のうち2日は肉を控え、残りの5日間で約730gの肉を食べるとしています。つまり、週の5日間は1日140gの肉を食べて、2日間は肉を食べないサイクル」となります。
もし、肉の量が足りなくて物足りないという場合は、肉の代わりに食物性の豆類(ひよこ豆、大豆、枝豆、レンズ豆など)や豆腐などのたんぱく質を取り入れてアレンジすると満腹感が出るそうです。
そのほかカルシウムやビタミン不足を補うために、ナッツや乳製品も適度に摂取しつつ、肉を減らす以上にお菓子や加工食品を減らしていくことも大切だそうです。
以上のように、他のダイエット法ではNGとされがちなものでも「気を付けましょう」程度で、アルコールも1日1回100kcal以内なら飲んでもOKとのこと。
また運動については、週3回30分程度、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動と、週2回程度の筋トレを組み合わせるのがオススメとしています。
こういった厳密すぎず、柔軟に対応OKな内容が、ダイエットにありがちなストレスによる挫折やリバウンドを引き起こさず、無理なく継続していけるため、成功しやすいポイントといえるでしょう。
フレキシタリアンダイエットのメリット・デメリット
ルールや制限がない点が何よりのメリット
・柔軟に実践できるのでストレスが少ない
・野菜不足を自然に回避できる
・自炊でも手軽に取り入れることができる
・外食のメニュー選びにも困らない
・空腹感に襲われない
・主要な栄養素不足にならない
・食べ物の種類の幅が広がる
・腸内環境が改善される
フレキシタリアンの解釈は自由なので、例えば、「週末の食事は自由が利くので肉を食べない」「週末は家族と食事を楽しみたいから、平日の月曜と木曜は肉を食べない」など柔軟に実践できます。
また、この程度の食事制限であれば栄養素が不足してしまうこともなく、野菜をたっぷり食べることは食物繊維とフィトケミカルを摂取できるので健康的です。食べる品数も自然に多くなるため、腸内細菌も喜び、これもダイエットに一役買ってくれそうです。
<デメリット>
・肉好きには物足りない
・野菜の種類の指定が曖昧(葉野菜や根菜が良い、などの詳細がない)
・脂質や糖質について深く記述されていない
・厳密なルールがない分、気を付けないと食べ過ぎる
柔軟さが特徴のフレキシタリアンダイエットなので、「きっちり数字で制限してくれないと困る!」「何は食べてOKで何はNGなのかわからない!」「ルールがないと怠けてしまう!」等の白黒つけたがるタイプだと、控えているつもりでも食べ過ぎてしまう、モチベーションが続かない、ダイエット前と変わらない食生活になってしまう……といった状況に陥る可能性があるように感じました。
他のダイエットとの類似点&相違点
野菜をメインに食べるという点では、セミベジタリアンダイエットと言って良いと思うので、「ベジタリアンダイエット」に類似する点は多くあるでしょう。また、豊富な食材をバランスよく食べ、野菜や果物を多く、肉は控えめに摂る「地中海式ダイエット」にも似ていると思います。
ほかにも、U.S.Newsのベストダイエットで8年以上トップを走り続けている「ダッシュ(DASH)ダイエット」も、野菜と果物を大量に摂り、雑穀、ナッツ、豆類を中心として、肉類は脂身の少ない食生活にする点は似ています。ただし、ダッシュダイエットでは塩分と糖分を徹底的に控えることをルールとしている点が異なります。
やはり何と言ってもフレキシタリアンダイエットの最大の特徴でありメリットは、ストイックな制限がなく、無理なく柔軟に対応できる点にあると思います。
フレキシタリアンダイエットに向いているタイプとは
「野菜メインの食事で肉は週に数回、たんぱく質は植物性の食べ物から多く摂取」「あえてNG食品は設けず、ダイエットや健康維持に向かない食品を控えるように意識する」「なるべく腸が喜ぶ食品&数多くの食品を摂るように心がける」……など、フレキシタリアンダイエットはまさにガイドが日々実践している食生活です。絶対にNGとされる食べ物がないので、食事を楽しみつつ、考えながらヘルシーな内容にシフトしていけるため、「ダイエット=減量」と捉えず、「健康的な体型になるための、健康的な食事」という意識で実践していきたい人には非常にオススメできる方法です。
ただし柔軟性の高いダイエットなので、デメリットで記載した通り、厳格なルールがないと怠けてしまうタイプには不向きのように感じました。
日頃から健康&美容への意識が高く、食事や運動に関する自己管理能力が高いタイプがフレキシタリアンダイエット向きであり、成功しやすいと分析します。そういった自覚のある方は是非トライしてみると良いと思います。