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リニューアル!日比谷花壇大船フラワーセンターの見所

2018年4月1日にリニューアルオープンした「日比谷花壇大船フラワーセンター」。リニューアルで大きく変わったポイントや2018年ゴールデンウィークに向けての見所などを、榎本園長に教えていただきました。大船観音寺や六国見山(ろっこくけんざん)ハイキングコース、江の島観光とともに楽しみましょう!

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

「日比谷花壇大船フラワーセンター」としてリニューアル

施設の老朽化による改修工事・バリアフリー化や植栽エリアの拡張などのため、およそ9ヶ月間休園していた大船フラワーセンターが、2018年4月1日に、「日比谷花壇大船フラワーセンター」としてリニューアルオープンしました。
大船フラワーセンターで、GW頃見頃を迎えるシャクヤク(2017年撮影)

大船フラワーセンターで、GW頃見頃を迎えるシャクヤク(2017年撮影)


これまで大船フラワーセンターは、神奈川県の直営施設でしたが、リニューアル後は造園・緑化などが専門の「日比谷アメニス(日比谷花壇グループ)」が指定管理業者として管理を行います。

今回は、新しく園長に就任した榎本浩さんに園内を案内していただきながら、リニューアルで大きく変わったポイントやゴールデンウィークに向けての見所などを教えていただきました。

リニューアルで変わったポイントは?

榎本さんによると、今回のリニューアルにより、園内の植物に関しては、大きく3つのポイントが変わったそうです。

1つ目のポイントは、大船フラワーセンターのシンボルともいえる”玉縄桜”を集めた玉縄桜広場を新設したこと。
第一展示場横の池を埋め立てて新設した「玉縄桜広場」。園内の他の場所から移植した木と若木が植えられた

第一展示場横の池を埋め立てて新設した「玉縄桜広場」。園内の他の場所から移植した木と若木が植えられた


玉縄桜は大船フラワーセンターで誕生し、昭和49(1974)年に初めて花を咲かせた鎌倉発祥の桜。玉縄という名前はフラワーセンター周辺の地名に由来し、例年2月中旬頃からおよそ1ヶ月にわたってソメイヨシノによく似た花を咲かせるのが特徴です。
玉縄桜(2017年撮影)

玉縄桜(2017年撮影)


2つ目のポイントは、大船フラワーセンターが昔から収集と育成に力を入れてきた「シャクヤク園」の広さを従来のおよそ1.5倍に拡張したこと。

ここでは、フラワーセンターで生み出され、他では見ることができない「大船系」と呼ばれる貴重な品種も見ることができます。
大船系のシャクヤク「照眼紅(ショウガンコウ)」。シャクヤクはボタン科の植物だ

大船系のシャクヤク「照眼紅(ショウガンコウ)」。シャクヤクはボタン科の植物だ


3つ目のポイントは、珍しいヒスイカズラをはじめ、スイレン、ハイビスカスなどの熱帯・亜熱帯の植物を展示する「鑑賞温室」の環境の変化です。

実は、今回のフラワーセンターの施設リニューアルの背景には、老朽化した施設のメンテナンスに加え、財政上の理由から施設をスリム化して維持費を縮小させるという県の方針がありました。

この方針を受け、温室機能の廃止が決まり、新たな施設「展示場」としてリニューアルされました。
「鑑賞温室」の内部

「鑑賞温室」の内部


そのため、環境の変化が大きく、例年、4月頃に花を付けるヒスイカズラも、温度と湿度不足から今年は花を咲かせていません。
ヒスイカズラの花(昨年以前に撮影)。今年は花を付けなかった

ヒスイカズラの花(昨年以前に撮影)。今年は花を付けなかった


方針決定後に管理業者として施設を引き受けたので、現状は受け入れざるを得ないものの、榎本園長は、

「(これ以上、植物の状態が悪くならないよう)次の冬に向けては、完全加温はできなくても業務用ヒーター等を使い、なんとか室温が0度を切らないようにしたり、十分な養生を行うなど対策を立てていきたい」と話します。

大船フラワーセンターへの異動前に、都内の「夢の島公園 夢の島熱帯植物館」の館長を7年間務めたノウハウと腕の見せ所になりそうです。

イベントも充実させていきたい

榎本園長は、フラワーセンターで今後必要なのは、特に子ども達や若い世代に向けてのイベントや企画の充実だといいます。
榎本園長

榎本園長


夏休みには、子ども達に人気の食虫植物を「夢の島熱帯植物館」から借りてきて、なぜ虫が脱出できないのか、食虫植物の仕組みを顕微鏡とモニターを使って説明するなど、子ども達に植物に興味を持ってもらえるようなイベントを行う予定です。
食虫植物のサラセニア

食虫植物のサラセニア


今後、大船フラワーセンターをどのようにしていきたいかという問いに対して、榎本園長は、「植物をただ見るという場ではなく、植物と生活、文化、芸術等を結びつけたものを出していけるように工夫が必要だと思っています。鎌倉は、文化・芸術が根付いた街なのでこれを活かし、親子で文化・芸術に親しみながら植物が見られるような植物園にできれば」と話します。
国内では沖縄で見られるデイゴ。新芽が出ており、夏には花を咲かせるだろうという

国内では沖縄で見られるデイゴ。新芽が出ており、夏には花を咲かせるだろうという


そして、もう一つ植物園の役割として重要なのは、地球温暖化問題などの環境教育だといいます。「環境問題の情報発信の場として成り立たせるにはどうすればいいかを考えています。現在は屋外でもヤシやデイゴ、バナナといった熱帯植物が十分に育ちます。これだけを見ても、温暖化が進行しているのは明らかです」(榎本園長)。

ゴールデンウィークの見所は?

取材で訪れた2018年4月17日には、フジの花が見頃を迎えていましたが、ゴールデンウィークに向けては、どのような花が見頃を迎えるのでしょうか。
4月17日訪問時、フジが見頃を迎えていた

4月17日訪問時、フジが見頃を迎えていた


「今年は冬が寒く、3月になり急に温かくなったので、全般的に早咲きの花が多いです。寒暖差にメリハリがあるのは、植物にとってはとても良いことであり、桜も例年以上に、きれいに咲きましたね。ゴールデンウィークには、シャクヤクがちょうど見頃になると思います。バラは例年、5月の第一週目の最後くらいから咲き始めますが、今年の早咲きの傾向からすると、ゴールデンウィークに咲き始めるかもしれません」。

さて、最後に榎本園長に、今後の夢を語っていただきました。

「茨城県の国営ひたち海浜公園の春のネモフィラ、秋のコキアは素晴らしいですね。もちろん規模感は違いますが、大船フラワーセンターでも同じようなことをやってみたいです」
国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」は、春はネモフィラ(写真上)でブルー一色に、秋はコキア(写真下)でレッド一色に染まる

国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」は、春はネモフィラ(写真上)でブルー一色に、秋はコキア(写真下)でレッド一色に染まる


以上のほか、リニューアルオープン後は、休園日を第二・第四月曜日のみに減らし、お得な年間パスポートを導入。さらに苗木の販売コーナーも、今までは入場料を払わなければ入れなかったのを無料で入れるようにするなど、様々な面で利用しやすいフラワーセンターになるよう目指しています。
大船駅からもよく見える大船観音

大船駅からもよく見える大船観音


大船エリアには大船フラワーセンターのほか、大船観音寺や六国見山(ろっこくけんざん)ハイキングコースなどもあります。また、湘南モノレールを利用すれば、江の島にもわずか15分で移動できます。ゴールデンウィークは、鎌倉の旧市街地や江ノ電が大変混雑するので、大船を中心に、いつもとひと味違う鎌倉の日帰り旅行を計画してみるのもオススメです。

<DATA>
■日比谷花壇大船フラワーセンター
住所:神奈川県鎌倉市岡本1018
休園日:第二・第四月曜日(祝日の場合は開園し翌日が休園日)
開園時間:3月~10月 9:00~17:00/11月~2月 9:00~16:00
入園料:大人400円/学生、20歳未満200円/高校生、65歳以上150円/中学生以下・障がい者無料
アクセス:大船駅西口下車徒歩約15分、またはバス「岡本」下車徒歩3分

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